コンパクトで手のひらにすっぽり、最大出力30W対応のUSB充電器

　より優れた製品が出るたびに、筆者がこまめに買い替えている製品のひとつに、バッグに入れて持ち歩けるコンパクトサイズのUSB充電器がある。

　なるべく小型、かつ同じサイズであればポートを多く搭載しているという条件で、ここ数年、製品を取っ替え引っ替えしてきた。最近ではここに急速充電規格USB PDに対応しているという新たな条件が加わり、外出先でいざという時に高速な充電を行えるようにしている。

手のひらにすっぽり収まるサイズながら最大出力30WのUSB PDに対応する

　今回紹介する「PA-Y19」は、USB PDに対応した1ポートの電源アダプタの中で、現時点で最小クラスと言える製品だ。iPhoneやiPad Proに付属するUSB Type-Cの充電器よりも小型で、かつ電源プラグが折りたためるので、バッグの中に放り込んで常時持ち歩いても邪魔にならず、また荷物にキズもつきにくい。

プラグが折りたためるので持ち歩きに重宝する。重量も45gと軽い

　ポイントとなるのは、最大出力が30Wと大きいことだ。このサイズの充電器は、前述のiPhone/iPad Pro添付の充電器など、ほとんどが最大出力18Wだ。最近では27WでのUSB PD充電に対応したスマホも登場しつつあり、またタブレットの充電も視野にいれるのであれば、最大出力が18W止まりというのは、やや心もとない。

iPhone/iPad Pro付属の18W USB-C充電器（左）との比較。ややコンパクトだ

奥行きも本製品が有利。プラグがたためるので実際にはこれよりさらに短くなる

　しかし30W対応ならば、スマホやタブレットはもちろん、一部のノートPCへの充電にも対応できてしまう。さすがにノートPCには上限速度いっぱいのスピードでの充電とはならないが、緊急時に備えてバッグの中に放り込んでおく製品としてはぴったりだ。

　こうしたサイズ重視のコンパクトな製品によくあるのが、ボディを極限まで小型化したことで、充電中に異常に熱を持つケースだが、本製品は発熱量を抑えて効率的な充電を可能にする新技術GaNにより、触れられないレベルで熱くなることはない。またコイル鳴きなどの問題もなく、快適に利用できる。

最大30Wゆえスマホのほか、11インチiPad Proなどで最高速度での充電が行える

コンパクトなことから左右のポートに干渉しづらいのも利点だ

PDOの表記。30W対応であることが分かる。もちろんPSEマークもある

旧来のiPhoneに付属していた充電器（左）との比較。こちらはさすがに本製品のほうが（出力はまったく違うとは言え）サイズが大きい

　このAUKEYというメーカーは、製品ページの仕様が実際の製品と違っていることが多く、本製品も発売直後はそうだったようなのだが、現時点では正しい仕様に修正されており、またざっとチェックした限りではUSB PDのレギュレーションから外れたおかしな仕様もない。小型化も極限に近づきつつあるUSB PD対応1ポート充電器の中で、いまこのタイミングで選ぶべき1台としておすすめだ。