本日の一品

新しくなったGoogleのWi-Fiルーター「Google Nest Wifi」

Google Nest Wifiの「Nest Wifiルーター」(右)と「Nest Wifi 拡張ポイント」(左)

 GoogleからメッシュWi-Fi対応ルーター「Google Nest Wifi」が登場した。メッシュの機能や子機側にGoogle Homeのスマートスピーカー機能が付いていることなどで話題だが、結論から言えばそんなことよりも安定のGoogleの多機能ルータであるということだ。

メッシュの親機と子機が別機種になり、子機にスマートスピーカーが付いた

 まず、前作の「Google Wifi」も複数使ってメッシュを実現したが、その新型となる「Google Nest Wifi」は何が違うのかといえば、無線区間の最高速度が早くなっていることや、親機と子機の製品が別となり、子機となる拡張ポイントがスマートスピーカー兼用になっていることだ。そのほかに細かい機能アップが多数行なわれている。そして、なんとも言えないシンプルで丸っこい外見もポイントだ。

 メッシュという機能については別途調べてほしいが、ひとことで言えば複数のWiFiのアクセスポイントでWiFiの無線のカバー範囲を広げられる機能。Google Nest Wifiのルーターと拡張ポイントのセットで使えば、無線で使いたい範囲が広かったり階が違って電波が届きにくかったりしても使えるようになる。大きな家やWifiの電波の届きにくい場所がある家などに有効。

 しかし、Google Nest Wifiは高価で新しいWi-Fiのルーターであるにもかかわらず新しいWi-Fi 6の対応は行われていない。それでも無線の最高速度が早くなったのは、5GHz帯で最大867Mbps、2.4GHzでは最大300Mbpsの「AC1200」だった前作に対して、今回は5GHz帯が4×4、2.4GHz帯が2×2のMU-MIMOに対応してまとめて「AC2200」となっている。ただし、拡張ポイントは「AC1200」のままだ。

 そして、とかく話題になる価格は、前作は1台1万6200円だったが、今回は親機となる「Nest Wifiルーター」が1万9800円、「Nest Wifi 拡張ポイント」が1万8150円。そしてそれぞれ1台ずつ合計2台セットが3万1900円となる。2台買うならほぼ同額でスマートスピーカーまで付いてくるが、1台だと高くなる。また、従来のGoogle Wifiと混ぜて使うことも可能となっている。

登録はBluetoothを使って簡単確実

それぞれ最近の高価なIT機器に多い上質な箱に入っている
箱を開けると差がわかりにくいが、小さいマイク穴があるのが拡張ポイント
箱から出したところ。拡張ポイントはスピーカーの穴
裏側。ルーターはLANケーブルを2本挿すことができるが、拡張ポイントはACアダプターを差し込む穴だけ

 いちはやくGoogle Nest Wifiを試す機会を得られたので、早速箱から出して設定を行う。箱は最近よくある無駄に豪華なタイプ。あまりにピッタリなので、なかなか上蓋がはずれない。誰かに下を抑えてもらったほうが早く開くあけられる。

 設定はコンセントをつないでからGoogle Homeアプリから行う。順番としてはNest Wifiルーターの電源を入れて設定、その後にNest Wifi 拡張ポイントの電源を入れて設定するとうまくいく。従来のGoogle Wifiが出たときはGoogle Wifiアプリだったが、Google Nest WifiのガイドにはGoogle Homeアプリと記載してあり、スマートスピーカーのGoogle Homeを追加するのと同じ要領で設定していく。

 通常、ルータの設定というのはアプリを使うにしてもネットワーク設定などを最初からしていくなどひと手間もふた手間もかかってしまうものだが、Bluetoothで設定するのでそういった面倒なことがないのもGoogle Nest Wifiの特徴。あとで設定確認や設定変更するときもアプリを使えばネットワーク設定などとは無縁で簡単に設定できる。

設定はGoogle Homeアプリから自動で検索され、登録へと進む
画面の指示どおりで設定完了。SSIDと暗号キーのいずれも自分で決めて設定する
ルーターが設定完了
続いて拡張ポイントを設定。こちらもGoogle Homeから追加
接続状態も確認できる
2台の設定が完了した

 設定はこれでも大丈夫だが、詳細設定はどこかと探していたらGoogle Wifiアプリを使うとさらに細かい設定ができることがわかってきた。細かい設定や確認ができるのがGoogleのWi-Fiの特徴なのでこれはぜひ使っておきたい。

無線で接続した機器を細かく制御できることが特徴

 Google Wifiアプリを使えば端末ごとの通信状態を確認できるなど非常に多機能だ。Google Nest Wifiは高価だが、これを目当てに購入するのも悪くないと思える瞬間だ。

接続した機器はGoogle Wifiアプリから確認できる
接続状態も確認できる
詳細設定はGoogle Wifiアプリからしかできないようだ
通信状態をチェック
グループを作る
グループの機器を設定
グループで接続可能な時間を設定する
Webサイトのブロック

ゲストWi-Fiを複雑なSSIDにして簡単設定

 ちなみに、来客などにちょっとだけネット回線を貸してあげる「ゲストWi-Fi」もGoogle Wifiアプリから設定して使うことができるが、設定した後は画面付きのスマートスピーカー「Google nest Hub」などがあればゲストWi-Fiの設定用のQRコードを画面で表示させることができ、簡単に設定することができる。

ゲストWi-Fiの設定をする
アプリからいつでも設定が可能だ
ゲストWi-Fiの設定をルーターに書き込まれる

 これは意外に重要な機能で、ゲスト用だからといってわかりやすすぎるSSIDや単純な暗号キーを使うことが多いが、QRコードなら乱数のようなSSIDと暗号キーを使っても設定しやすい。しかも簡単に変更できてそのたびにQRコードの表示が簡単にできるのは画期的だ。

Google Nest HubにQRコードを表示
iPhoneならカメラを向けるだけで接続設定が出る

機能を知って、良いと思えば買い

 メッシュが主な話題のGoogle Nest Wifiだが、詳細な接続機器の制御のほかにも機能がある。対応機器や動作など具体的なことが明らかにされていないが、近日対応予定とされる「IEEE 802.15.4 スレッド」などスマートホーム用になんらかの拡張がされる期待もできる。

 接続機器の管理機能など便利で、QRコードをGoogle Nest Hubに表示させれらるところも家に誰がを招待したするときには便利で人に見せても話題になる。デザインもよく、少し高くてもちょっと便利なWi-Fiルータを使ってみたいというのなら選択肢のひとつに入ってもいいものだと思う。