本日の一品

ありきたりのUSBメモリーを使えない人の“おでん”と“団子”のUSBメモリー

 日本で初めてUSBメモリーが発売されてもうすぐ20年になる。今も発売当初も本体のサイズに大きな差異は見られないが、その間に容量は8MBクラスから1TBくらいまで約12万5000倍に急成長した。本体サイズに差がないのは、人間が自分の指先で持って操作するからに他ならないのだが。

過去20年、いろいろなUSBメモリーを集めているが、今回のUSBメモリーも間違いなく仲間になれそうだ

 そんなUSBメモリーをコレクションするのが、成り行きではじめた筆者の趣味だ。専用ドライバーを必要とした日本初のUSBフラッシュメモリー「Thumb Drive」(2000年)や、Windowsに標準ドライバーが入り買ってすぐ使えるようになった「IBM USBメモリーキー」(2001年)以降のいろいろな製品を今も手元に置いている。時々、断捨離をするのだが、それよりもまだまだ新しいアイデアの商品が登場するスピードが多く、その数は増えるばかりだ。

 USBメモリーの新商品のトレンドには、テクノロジー商品らしく容量や処理スピードでドヤ顔できる商品と、アイデアやセンス、ジョークでドヤ顔できるモノの二極化がされてきているようだ。

ごくありふれたUSBメモリー(右)とそれほどサイズ差はない
1TBのUSB(右)を手に入れてからストレージサイズにはこだわらなくなってしまった。筆者の生活圏で使うUSBメモリーは実際上16GBもあれば十分だ

 そんな環境になっても、見慣れない目新しいUSBメモリーを買ってしまうのは、その面白さ、楽しさだ。いつもの悪い癖でネットを徘徊していて見つけたUSBメモリーは、これからの季節にピッタリな“おでん”USBメモリーとカラフルなカラーがかわいい“三色団子”のUSBメモリーだ。

季節感漂う左右のおでんUSBで季節感の無い三色団子USBを意味なく挟んでみた
サイズ的にはいずれも本物の半分程度なので、操作性は良いが、リアリティーは多少残念だ

 いずれもサイズこそ本物のおでんやお団子よりコンパクトだが、その雰囲気と質感はなかなかだ。おでんUSBは、使用時には先端の三角形のこんにゃくを引き抜いてパソコンのUSBポートに挿入する。しっかりと奥まで挿入しないと認識しないことがある。

実際の読み取り、書き込み時には先頭のこんにゃくを取り外して使う。こんにゃくはなくさないように……
MicroPCに挿すとそこそこのサイズ感になる

 一方、三色団子USBの方は、くしと反対側のピンク色の団子を一個引き抜くとUSB Aプラグが出現する。おでんUSBと同じようにパソコンのUSBポートに挿入することでデータの読み書きが可能となる。

 三色団子USBは、おでんUSBと比較して多少厚みがあるので、最近の超薄型パソコンでは本体を持ち上げてしまう可能性もあるだろう。常識外のスタイルをしたUSBメモリーだが、いずれも読み書きのタイミングで本体内部が赤く光ってくれるので、その時だけはUSBメモリーであることを意識させてくれる。

パソコンだけで使うのはもったいないのでスマホでも使ってみようと思った
Tupe-Aプラグの付いたUSBメモリーのような機器をType-Cに変換してくれるOTGプラグを入手すれば簡単だ
スマホ上のファイルマネージャーなどがあれば簡単にスマホとパソコンのデータ転送ができてしまう

 パソコンだけで使うにはもったいない怪しげな形状なので、筆者はパソコンとスマホとの写真や動画データの転送などに三色団子USBを利用している。秋葉原やネット通販ショップなどで販売しているOTG対応のType-C/Type-AやmicroUSB/Type-Aのコンパクトなコンバーターとスマホアプリのファイルマネージャーがあればいとも簡単に実現できる。

 特別大きな動画などを転送する必要がなければ、一般的にUSBメモリーなどは16GBもあれば筆者的には十分だ。おでんUSBと三色団子USBは、スタイリッシュで隙のないステーショナリーやエッジの効いたスマホとのタイトなマッチングはイマイチだが、緩いスマホや腕時計、メモ用紙や怪しいボールペンとの相性は抜群だ。たまには張り詰めた世界から飛び出して、緩くて楽しい世界はどうだろうか!?

シャープなデザインやクールなアプローチを期待されるテクノロジー商品の世界でも、たまには“緩い”アイテムが欲しくなってくる。おでんUSBはこれからの季節に1本は持っていたいホットアイテムだ
緩いおでんUSBは、レトロで遊び心あふれるアイテムとの相性は抜群だ
製品名購入場所価格
おでんUSB/三色団子USBWeb通販ショップいずれも1500円前後