本日の一品
今年も灼熱の夏。デスクトップに「昭和扇風機」
2019年9月2日 06:00
今年は、モバイル系のハンディファンの当たり年らしい。我が家には暑がりの家族が複数人いて、ハンディファンはここ数年、夏前の秋葉原での買い物のベスト3に入る実用ガジェットだった。
SNSやテレビで流行を煽ったせいもあり、2~3年前と比べてみても、今年は多くの新製品が登場し、秋葉原でも機種選択の幅が広がっている。販売価格も数百円~2000円以下のモノが多く、耐久年数も“ひと夏”から長くて2年ほどのモノなので、毎年買い替える楽しみの多いアイテムだ。
首都圏で電車に乗っていると、今年は幅広い年齢層にハンディファンが受け入れられているのがよく分かる。そんな夏場を控えたゴールデンウィーク前、タカラトミーアーツから「昭和扇風機」の発売が報じられ、筆者は連休に入る前に予約した。待つこと2カ月、昭和扇風機は6月末に配達されてきた。
あいにく今年は比較的気温の低い梅雨が長く、本格的に昭和扇風機が筆者の机の上で羽根を回しだしたのはその1カ月後だった。
レトロなパッケージに入った昭和扇風機は、子供の頃、お風呂上りに首振り中の扇風機に顔をはりつけて一緒に左右に動いた経験のある人には懐かしい商品だ。パッケージに対象年齢15歳以上と書かれているが……真の対象年齢は45歳以上だろう。
扇風機の高さは約17㎝で、筆者の実家にもあった扇風機の4分の1~5分の1ほどのサイズ。筆者の購入したモデルの羽根はノスタルジックな青い3枚羽根のスケルトンだ。
操作のためのスイッチ類も、ノスタルジックなダイアルと、ある程度のストローク感のあるピアノスイッチ(ボタン)だ。4つに分割しているように見えるピアノスイッチだが、実は2分割。左端の赤いスイッチは電源オフボタン。右側のピアノスイッチの緑、青、濃紺は実は繋がっていて1個のボタンとなっている。
右側の三連ボタンを押すたびに“涼風”(弱)と“強風”が交替で切り替わる。そして左側のダイヤルは、タイマーのセット用だ。子供の頃、寝冷えをするから絶対にタイマーをセットするように母親から言われて、夜中に扇風機が止まって、何度もまたタイマーを入れ直した記憶がある人も多いだろう。
昭和扇風機のタイマーは、“タイマー無し”(連続送風)と“30分タイマー”の2種類だけ。タイマーをセットすれば、30分送風すると自動的に停止する。実は特にタイマーをセットしなくても、本体保全の為か、60分すると自動停止するらしい。
昭和扇風機はバッテリーを内蔵していないので、常時USBケーブルで給電が必要だ。ウケ狙いには、敢えてモバイル出来るハンディファンではなくUSBモバイルバッテリーを下敷きにして昭和扇風機を一緒に持ち歩くことも可能だが、ウケの割に見合う風量や重量かは疑問だ。
そして昭和の扇風機と言えば忘れてはならないモノに、“首振り”の為の特殊な形状をした“ツマミ”がある。もちろんこの製品にも“首振りツマミ”は存在する。背面のモーター部分の上に飛び出している小さなツマミがそうだ。押し込むと首振り動作、引き上げると首振り動作の停止となる。
筆者は自宅のリビングでは、以前ご紹介した“テブラ・コードレス・ファン”を愛用しているが、自室の机の上には昭和扇風機を常設している。
残念ながら昭和扇風機は、せいぜいクーラーで冷えた室内の空気を、バラバラと羽根の回るうるさい音をたてながら、ノスタルジックな雰囲気を醸し出しながらかき回すという演出をするのが精一杯。送風力に一切の期待は禁物だ。
新しいモノが毎月のように登場し、未来を無限に感じた昭和中期の古き良き時代を偲んで、蚊取り線香の煙を昭和扇風機で飛ばして畳の上でゴロゴロするのがお似合いだ。そういう時の為に、部屋から部屋へ昭和扇風機を持ち運ぶ為の取っ手も是非付けて欲しかった。
商品名 | 購入場所 価格 | |
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昭和扇風機 | ヨドバシ・ドット・コム | 2980円 |