本日の一品
ボタンなし! くっつく! Qi給電対応モバイルバッテリー
2019年1月10日 06:00
近年、急速にコモディティ化が進行しているもののひとつとして挙げられるのが、モバイルバッテリーだ。もともと電源を供給するというシンプルな目的の道具なだけに、技術的な差異をつけづらいのが一因だろう。量販店の店頭では、良く似たパッケージが並び、少しでも差別化するために、デザインを意識したものが目立ってきている。そんな横並びな市場で、ちょっと尖った部分を売りにした製品を編集部から借り受けた。スイッチが存在しない、吸着素材で張り付くモバイルバッテリーだ。
今回借り受けたのは、Bezalelというスタートアップ企業から発売されたPreludeというモバイルバッテリーだ。ワイヤレス充電機器やバッテリーを中心に開発している企業で、このPreludeもQi給電コイルを内蔵していて、ワイヤレス充電できるのが特徴のひとつになっている。もっとも、Qi充電対応のスマートフォンがされて以降は、Qi給電対応モバイルバッテリーも珍しくなくなってきている。この製品の差別化要素は、「ボタンなし」「くっつく」だ。
「ボタンなし」は、文字通り本体上にスイッチが存在しない。本体を振ることで電源が入り、給電が開始されるのだ。本体を軽く振って、ロゴが光っている間にQi対応機器のコイルに近づける、あるいはUSBケーブルを接続すれば給電が始まるという、面白い仕掛けになっている。
もう一つの「くっつく」は、本体背面にナノ吸着シートと呼ばれる吸着素材が貼り付けてあり、Qi対応のスマートフォンなどに密着させることで貼り付いて離れなくなる。iPhone XSで試したが、短い時間ならバッテリー側を保持しながら逆さにしてもiPhoneが落ちることはなく、なかなかしっかりと張り付いていた。粘着力が弱まってきたら、濡れた布で汚れをふき取って乾燥させれば復活するとのことだ。
実際に張り付けたまま使用してみると、5000mAhという容量とQi充電コイルを収めるため、けっこうな存在感になる。150gと、単体ではさほど重く感じないが、iPhone自体の重量と合わせるとずっしり重く、貼り付けたまま普段と同じようには使えない、というのが正直なところだ。
また、入力と出力に使うポートがUSB Type-Cとなっており、有線で給電する際には、両端がType-C端子のケーブルや、Type-CとLightning端子、あるいは何らかの変換コネクターが必須となる。普通に持ち歩くだけでも振動で電源が入るのは、さほど電力は消費していないとはいえ、ちょっと気になるところだ。
とはいっても、貼り付いたまま、コードがつながっていない状態で充電できるのは、当初想像していたよりもはるかに動きの自由度が高く、便利であることが分かったので気に入っている。ちょっとしたソリューションで、ちょっと暮らしが便利になる。かゆいところに手が届く一品だ。
製品名 | 発売元 | 価格 |
---|---|---|
Prelude | Bezalel | 5280円(税込、編集部調べ) |