本日の一品

カンカン照りの日にいいかも!? キャップ一体型骨伝導イヤホン「ZEROi」

 多くのデスクワーカーがそうであるように、筆者も室内にこもっていることが多い。仕事をするために出勤するのであれば日差しへの耐性もあるだろうが、家から一歩も外に出なくとも仕事ができてしまうため、数日間こもったあと、太陽の光を浴びると、眩しくて目は開けていられないし顔はピリピリしてしまう。

 今年の夏は、何かしら日よけになるものを……と思っていたところ、クラウドファンディングサイトMakuakeで、骨伝導イヤホンを内蔵したキャップへの出資を募っていたので、「支援」してみることにした。

 2月にスタートしたこのプロジェクトは、5月頭に2001%の出資を受け大成功。猛暑日の続く7月のとある週末にようやく届いた。

 実は、これまで骨伝導イヤホンを使う機会に恵まれなかった。骨伝導イヤホンが話題に上りはじめたときに勝手に抱いていたイメージは、スピーカーから出る「振動」が骨を伝わることで音に変わり、脳内で鳴り響く、というもの。振動板から音が出ないと誤解していたのだ。

 しかし、調べていくうちにそうではないことがわかった。むしろ、大きな振動板のため音漏れ必至。電車などで音を鳴らしたらひんしゅくを買いそうだ。いろいろ考えた末、「ZEROiが届いたら駅への往復時や買い物、散歩時にのみ使うのが妥当だろう」という結論に至った。

 届いたZEROiのパッケージ構成はシンプルで、本体、充電ケーブル、取扱説明書のみ。耳栓がついてきたが、これはもともとのリワードには含まれておらず、「スタジアムなど大歓声などでも音楽を楽しめるように」とのことで一緒に送ってきたようだ。「……これは、イヤホンの音があまり聞こえないということか?」という一抹の不安を感じた。

ZEROiのパッケージ内容。ZEROi本体とマグネット接続式充電用ケーブル、日本語の取扱説明書、そして耳栓
白のほうでは、違う色の耳栓が同梱されていた。1つの箱に入れられていたため、正確にはどちらのものかは不明

 それはともかく、まずはキャップを充電。マグネット式のコネクターが付いているため、端子の穴を探さなくてよいし、片手で充電をはじめられるのは好印象。ただし、充電しながら音楽の再生はできない。電源がオフになってしまうのだ。

充電用端子はつばの右側に搭載する。バッテリーが左側なのに右側に端子があるのが不思議
充電がはじまるとLEDが赤く点灯し、完了すると消灯。端末とつながっている間は緑に点滅する

 充電が終わったら、音源となる端末とのペアリングだ。こちらはZEROiの電源が入っていない状態で唯一のボタンを5秒間の長押し。端末に「ZEROi」が表示されたらタップしてペアリングが完了する。

ZEROiに唯一搭載されているボタンの位置
通常のペアリングと何ら変わりない設定画面

 「唯一のボタン」と書いたように、ZEROiには操作するための物理スイッチがひとつしかない。3秒間の長押しで電源のオン/オフ。短押しで音楽の再生/停止/受話/(通話時には)終話、音楽再生中に電話がかかってきたときには2回短押しで受話が可能となっている。ボリュームの上げ下げは、音源となる端末側で操作することになる。

 4つのスピーカーがあるからか、ボリュームをかなりしぼっても室内では充分に音が聞こえる。音量0から「これ以上大きくしないで」というところまでを9段階とすれば、1段階でもOK。もう少しはっきりと聞き分けたいのであれば、3段階にすればよい。

「◎」の部分がスピーカーの位置。左右にそれぞれ2個ずつ搭載している

 骨伝導なので、しっかり頭骨に密着させる必要があるが、それはキャップ後方のベルトを締めることで行える。「少しきついかな?」と感じるくらいに締めると頭蓋骨に直接音が響く感覚を楽しめる。耳をふさいでも聞こえる体験は少し愉快だ。

ZEROiはフリーサイズ。後ろのベルトで調節可能
しっかり締めることで、小さいボリュームでも聞こえるように

 とはいえ、音質は良くなく、たとえるなら道を行く車から聞こえる大音量のカーステレオのような、空気で薄まってしまったような音。音漏れもかなりある。また、音漏れに関して言えば、ボリュームが「1段階」の状態でも多少周りに聞こえるので、やはり電車内では使えない。それなりにガヤガヤしている場所ですれ違う程度なら、ボリュームを5段階にしていても気にする人はいなさそうだが。

 「これは!」と思ったのは、内蔵マイク。つばの中央付近にあるので、効率よく声が拾える……と思ったのだが、ZEROiのスピーカーは良いのだが、マイクが音を拾わない。ZEROiを使った通話を録音してみたのだが、話しはじめの2文字(二言ではなく2文字)は聞こえるがそれ以外はほぼ無音。ところどころ聞こえてもぶつ切れという散々な状態だった。ZEROiで通話するのはやめておいたほうがいいかもしれない。

ちなみに重さは146g。「重いっ!」というほどではない

 課題はそれなりにあるが、骨伝導イヤホンということだけでも愉快だし、それがキャップ一体型というのもなんだか楽しい。同様の後続アイテムに期待を抱きつつ、夏の間は使っていこうと思う。

製品名発売元実売価格
ZEROiEFG1万6900円