本日の一品

「僕はスマホ充電用の乾電池です!」付きの緊急充電器

「僕はスマホ充電用の乾電池です!」付きの緊急充電器 「僕はスマホ充電用の乾電池です!」と名付けられた乾電池付きの緊急用携帯充電器
「僕はスマホ充電用の乾電池です!」と名付けられた乾電池付きの緊急用携帯充電器

 数年前からモデル数が徐々に増え、現在では売り場スペースを見てもそれなりの存在感のあるのがモバイルバッテリー市場だ。モバイルバッテリーには様々な要件があるが、それらにはどんなモノがあるか考えてみた。

 最近のスマホの充電ポートの形状は、Android端末のmicroUSBタイプと、ここ1年ほどで急激に伸びてきているUSB Type-C。あとはご存知のiPhoneのLightningの3種類がおある。

 将来的にはType-CとLightningの2種類に収束していくとは思うが、周辺機器などには、まだまだmicroUSBを採用した製品も多い。かたやモバイルバッテリーも競争に勝つための差別化の時代となり、ACアダプター機能を搭載したものや、最初からLightningケーブルやType-Cケーブル、microUSBケーブルを備えたバッテリーも増加傾向にある。

「僕はスマホ充電用の乾電池です!」付きの緊急充電器 パッケージ
パッケージ

 だんだん機能が増えていくリチウムイオン電池のモバイルバッテリーとは対極を行く、使い切りのアルカリ乾電池を電源にする“モバイルバッテリー”(緊急充電器)もある。

 今回ご紹介するのは、電源として富士通(FDK)製の「僕はスマホ充電用の乾電池です!」という面白くも長~い名前の単3アルカリ乾電池を4本使用する緊急充電器だ。充電器本体と乾電池4本、microUSBケーブル、取説がパックになって800円~1100円前後で販売されている。また交換用の「僕はスマホ充電用の乾電池です!」は4本パックで350円前後だ。

「僕はスマホ充電用の乾電池です!」付きの緊急充電器 単3アルカリ乾電池4本と充電器本体、microUSBケーブル、取説入り
単3アルカリ乾電池4本と充電器本体、microUSBケーブル、取説入り
「僕はスマホ充電用の乾電池です!」付きの緊急充電器 交換用の「僕はスマホ充電用の乾電池です!」は4本で320円位で購入できる
交換用の「僕はスマホ充電用の乾電池です!」は4本で320円位で購入できる

 今回は、筆者が普段使っているダイソーのアルカリ乾電池式充電器と、リチウムイオン充電池モバイルバッテリーも加えて、比較しながらご紹介しよう。後者は2000mAhのを搭載しながらも、超安価な300円という値段で販売されている製品だ。

「僕はスマホ充電用の乾電池です!」付きの緊急充電器 富士通の乾電池式緊急充電器(右)と同じように、単3アルカリ乾電池2本を使って緊急充電してくれるダイソーの100円充電器(乾電池含まず)
富士通の乾電池式緊急充電器(右)と同じように、単3アルカリ乾電池2本を使って緊急充電してくれるダイソーの100円充電器(乾電池含まず)
「僕はスマホ充電用の乾電池です!」付きの緊急充電器 アルカリ乾電池式ではないが、2000mAhの専用リチウムイオンバッテリーを使用した300円のダイソー・モバイルバッテリー(再利用の回数は明記なし)筆者は100円のType-C充電ケーブルも併用。合計で400円だ
アルカリ乾電池式ではないが、2000mAhの専用リチウムイオンバッテリーを使用した300円のダイソー・モバイルバッテリー(再利用の回数は明記なし)筆者は100円のType-C充電ケーブルも併用。合計で400円だ

 さて、「僕はスマホ充電用の乾電池です!」緊急充電器に付属するケーブルはmicroUSBプラグを採用している。しかし、最近スマホを買い替えたので、筆者はが所持するスマホは全て新世代のType-Cポートの製品になってしまっていた。

 残念ながら、付属のケーブルは使えず、別途手に入れたType-Cのショートケーブルを使用したが、なんと、充電が全くできない。ケーブルの断線かと思って自宅にある他のType-Cのケーブルを数本持ち出してテストしてみたが、いずれのケーブルも充電不可だった。

 やむなく、充電器に付属していたmicroUSBケーブルにType-C変換のアダプターを装着して試してみると、なんと充電が可能となった。おかしな話だが、どうも付属のmicroUSBケーブルを使用しないと充電ができないようだ。

「僕はスマホ充電用の乾電池です!」付きの緊急充電器 富士通の乾電池式緊急充電器は市販のType-Cケーブルでは全く充電できなかった
富士通の乾電池式緊急充電器は市販のType-Cケーブルでは全く充電できなかった
「僕はスマホ充電用の乾電池です!」付きの緊急充電器 最終的に、同梱のmicroUSBケーブルにType-C変換アダプターを取り付けてやっと筆者のHUAWEI P10 Plusに充電できた
最終的に、同梱のmicroUSBケーブルにType-C変換アダプターを取り付けてやっと筆者のHUAWEI P10 Plusに充電できた
「僕はスマホ充電用の乾電池です!」付きの緊急充電器 電池残量50%のHUAWEI P10 Plusに充電を開始した
電池残量50%のHUAWEI P10 Plusに充電を開始した

 さて肝心の充電テストだが、文化系で電気系統は超素人の筆者だが、見よう見まねで、充電の際に秋葉原で購入したアンペアとボルテージが測定できる測定器を充電器と筆者のスマホであるHUAWEI P10 Plus(電池容量:3750mAh)の間に入れて充電を開始してみた。

 充電開始時のスマホのバッテリー残量は50%。充電開始後すぐに測定した数値は、4.82Vで0.22Aという数値だった。ほぼ充電機能がストップした段階でスマホのバッテリーを確認した所、充電後の残量は65%となっており、約15%電池残量が増加した状態であることが分かった(充電中のスマホの電源はオフの状態)。

「僕はスマホ充電用の乾電池です!」付きの緊急充電器 充電電圧は4.82V、電流値は0.26Aとかなり低い
充電電圧は4.82V、電流値は0.26Aとかなり低い
「僕はスマホ充電用の乾電池です!」付きの緊急充電器 スマホの電源OFFをオフにした状態で、50%から始めて65%まで充電できた。15%の増加だった
スマホの電源OFFをオフにした状態で、50%から始めて65%まで充電できた。15%の増加だった

 同じような条件でダイソーの単3アルカリ乾電池を2個使う充電器では、同じスマホを52%から68%まで充電、同じくダイソーのリチウムイオン搭載のモバイルバッテリーでは、電池残量を32%から52%まで補充できた。

「僕はスマホ充電用の乾電池です!」付きの緊急充電器 充電終了後の本体の熱が気になったが、ダイソーの100円充電器は市販の三菱電機の一本35円の単3アルカリ乾電池2本で16%も追加充電できた。
充電終了後の本体の熱が気になったが、ダイソーの100円充電器は市販の三菱電機の一本35円の単3アルカリ乾電池2本で16%も追加充電できた。
「僕はスマホ充電用の乾電池です!」付きの緊急充電器 アルカリ乾電池ではないが、2000mAhのリチウムイオンバッテリー内蔵のダイソーの300円モバイルバッテリーでは、最終的に20%の追加充電が可能だった
アルカリ乾電池ではないが、2000mAhのリチウムイオンバッテリー内蔵のダイソーの300円モバイルバッテリーでは、最終的に20%の追加充電が可能だった

 各テストは完全に同条件ではないが、たった一回のこの結果からだけ見れば、アルカリ乾電池は使用していないが、充電効率の最も良かったのはダイソーの300円モバイルバッテリー。意外と健闘しているのが、ごく普通の10本345円の単3アルカリ乾電池2本で16%充電したダイソーの携帯充電器(100円:乾電池含まず)だった。

 ただ、このダイソー携帯充電器、充電後に触ったらかなりの発熱を感じたので多少不安を感じた。素人の筆者には安全面も含めた総合的な判断はしがたいが、価格性能比から言うならダイソーの乾電池式携帯充電器が群を抜く結果となった。

 富士通(FDK)の乾電池式緊急充電池は、4本の「僕はスマホ充電用の乾電池です!」を使っていながら充電効率は一番低かった。また、普段は空の充電機だけを携帯して、もしもの緊急事態には近所のコンビニでアルカリ乾電池を買って対応するというストーリーは理解できるが、我が家の周辺にあるコンビニ数店には「僕はスマホ充電用の乾電池です!」は売っていなかった。アイデアとネーミングはグッドだが、まだまだ対応の余地があるようだ。

製品名販売元購入価格
スマートフォン用乾電池式緊急充電器「僕はスマホ充電用の乾電池です!」4本付きFDK1100円

【編集部注 2017/10/23 14:57】
 FDKによれば、本製品は2016年3月をもって廃番となり、同社には在庫はありません。製品については現在、市場に流通している製品のみとなります。この製品に対するメーカーへの流通在庫のお問合せは、把握が困難のため対応できないとのことです。