SE535で歓喜ときどき絶望

2010年7月21日 06:00
SHUREの新型ハイエンドステレオイヤホンことSE535。ケーブルが脱着式になるなど、細部も改良された。従来機SE530と比べると、いろいろな意味で「長く使えるイヤホン」という印象になった

 SHURE(シュア)のハイエンドステレオイヤホンことSE535が登場SE530の後継機種ですな。久々のモデルチェンジ。3年ぶりくらいかニャ?

 まずこのSE535、ポータブルオーディオプレーヤーとかで使えるステレオのイヤホンなんですけど、店頭予想価格が6万円弱という超高級品。てゅーか、プレーヤーやアンプからの音を色づけナシでビシッと検証しつつ聴くためのプロ向けな製品である。

 ので、音質やオーディオ機器にそーとーこだわらない限り、フツーは買わないであろーと思われる。ただ、使ってみるとビックリ。驚くほど高音質ゆえ、音楽を聴くのがズニャーンと楽しくなったりする。これまで聞こえてこなかった音まで聴けたりするからだ。

 どんな音質かは……たとえばAV Watchのレポートで想像できるかもしれない。が、こーゆーモノは個人の趣味嗜好気分体調によって評価が変わってきたりもするので、ぜひどーにか実機に触れてその音質を確かめて欲しい。たぶん「ええっ!?」と驚けると思いますヨ!!

 このSE535の発売前実機を試用させてもらったんですけど、おおっ凄い解像感だしヌケもいいし低音もしっかりしつつモニター指向のスタンスは堅持していてイカス!! と思ったりした。拙者は前の機種であるSE530のユーザーだが、なるほど新型SE535。音の細部までさらに緻密に、かつ、より豊かに聴かせる新型SE535であり、物理的な使用感まで含めてSE530より良くなっている。

 じゃあ……と思って、旧機種SE530で試したコトを、新型SE535でも試してみた。それは各種音響機材から聞こえてくるノイズである───SE530とかSE535とか、あるいはSRH840あたりを使うと、ふつーたいてー多くのポータブルオーディオ機器からノイズが聞こえたりする。こういうモニター指向のハイエンドイヤホン/ヘッドホンだと、一般的なイヤホン/ヘッドホンでは判別できなかったノイズさえも、余裕で聴けちゃったりするのだ。

 この性能は、おぉ~スゲぇなやっぱSE535!! さすがモニター指向!! 機材から出てくる微細なノイズまで全部精査できる感じ!! と歓喜できるが、同時に、俺が持ってる機材のほとんどからノイズが……とか絶望したりもする。

 てなわけで、ディープで繊細で喜怒哀楽な音の世界に興味があるなら、ぜひ一度SE535などのハイエンドイヤホン/ヘッドホンを。いつもの曲がズシャアァァッと高品位化して感動するのは確実。運(というか音源となる機材)が悪いとノイズも盛大に聞こえちゃってナンだが、しかし、より凄い聴覚拡張装置が手に入ったってコトでヨシとするべしですな。

SE535の同梱品。個人的にはケーブルが長めになったのが残念。まあプロミュージシャン向けとかの製品なのでしょうがないかも。でもケーブルは交換式。短い交換ケーブルが出るのを期待したい猫は人間よりずっと耳がいいニャ。いいのよ。しかも耳を真後ろとかに自由に向けられるニャ。向けられるわよ。だからヘッドホンは要らないニャ。要らないのよ。ニャニャニャ。ニャニャ。的な