スタパ齋藤のApple野郎

Ulanzi製アルカスイス対応MagSafeスマートフォンホルダーを使ってみる

Ulanzi「ST-28」とミニ三脚でiPhone撮影がより快適に

 俺の場合「あっコレ便利そう!」とか思う撮影用アイテムがUlanzi製だったりする。Ulanzi(ウランジ)は小規模スタジオ?家庭用の撮影機材をいろいろ作っているメーカーだが、安い割に高品質。痒いところに手が届くような製品もけっこうある。以前に扱ったMagSafe対応マウントもUlanzi製だった。

 去年の夏頃に「あっコレ便利そう!」と思って買ったUlanzi製アイテムがある。モノは「ST-28」というMagSafe・アルカスイス対応のスマートフォンマウント。興味本位で買ったのだが、使い所がなくて死蔵していた。↓こんなの。

Ulanzi「ST-28」。四角い部分がMagSafe対応マグネットマウントで、上部に出っ張っているのは位置を調節できるアクセサリーシュー(外すこともできる)。アクセサリーシューを除いた高さは約127mm。Amazonでは3680円で売られている。
底部はアルカスイス互換のクイックリリースプレートとなっている。また底部には三脚ネジ穴(1/4-20UNC)があり、一般的な三脚の雲台にセットすることができる。
ミニ三脚にST-28をセット(雲台上にネジ止め)し、iPhoneをMagSafeで吸着。ST-28を使えば、スマートフォンを手軽に三脚へ装着できるのだ。ST-28のアクセサリーシューは外してある。

 このST-28、本連載「MagSafe対応のミニ三脚を作ってゆきたいッ!!!」の回で、「あっアレがあった」と思い出して使ってみた。のだが、ST-28自体がやや大きめ。三脚と合体させたままだと邪魔な感じの携帯感となる。

 では、と思い、アルカスイス互換の小型マウントを自由雲台の上に装着し、それに対してST-28(アルカスイス互換)を着脱しようと考えたが、アルカスイス互換小型マウントが行方不明。なんかいろいろネガティブな要素が重なって面倒になり、ST-28使用案は没となった。

 ちなみに、アルカスイス(ARCA-SWISS)はスイスの業務用カメラ機材メーカー(本社はフランス/日本の総代理店はKPI)。スゲい自由雲台などを製造しているが、そのアルカスイス社が作ったクイックリリースおよびその互換品が一般に“アルカスイス”と呼ばれている。また、ここで言うクイックリリースとは、カメラを雲台に手早く着脱するためのプレートとマウントだ。↓こういうの。

SUNWAYFOTOのアルカスイス互換自由雲台「FB-28i」Amazonで5580円で売られているが、海外発送品だと4000円弱で買えたりする。自由雲台のマウントとそこに嵌るプレートがアルカスイス互換で、ツマミを緩め・締めする程度で強固にプレートが固定される。通常、プレートはカメラ底部に装着しっぱなしにしておく。つまりカメラを自由雲台にサッと装着して強固に固定できるのだ。こういったアルカスイス互換品は各メーカーから発売されている。構造がシンプルなこともあり、実用性の高い互換品が多々ある。
前出のST-28(プレート部)もアルカスイス互換なので、このようにアルカスイス互換自由雲台に手軽に装着できる。

ST-28を小型のアルカスイス互換品と組み合わせてみると?

 前出のアルカスイス互換自由雲台は、雲台としては小型の部類。ではあるが、手持ちのミニ三脚と比べるとけっこーデカい。↓こんな感じ。

iPhone 14 Pro Max、アルカスイス互換自由雲台、手持ちの小型三脚を並べた様子。アルカスイス互換自由雲台は小型の部類ではあるものの、ミニでもないしスマートフォン保持用にしては頑丈すぎるのであった。

 そこで、手持ちのアルカスイス互換小型マウント&プレートを発掘。カメラ機材墓場から20分くらいかけてやっと発掘。小さいマウント&プレートなので、機材の隙間を落下して下の下のまた下のほーに埋もれており、上のバリア状態の機材をどかすのに苦労し(以下略)。↓こんなマウント&プレートである。

SUNWAYFOTOのアルカスイス互換マウントとプレート。マウントは「DDC-26」で、Amazonでは3980円で売られている。プレートは「PT-26」で、Amazonでは2800円で売られている。

 ねー小さいでしょー。だからカメラ機材墓場の下まで転がり落ちて下の下のまた下のほーに埋もれてて上のバリア状態機材をどかして発掘するのにスゲく疲(以下略)。さておき、この小さいマウント&プレートなら、ミニ三脚にセットしても違和感がないのでは、と。さっそく、そうしてみた。

ミニ三脚にアルカスイス互換小型マウント&プレートすなわちDDC-26とPT-26をセット。あっイイ感じですねぇ?。

 やっぱりミニ三脚にミニなアルカスイス互換マウント&プレートを装着するとイイ感じである。これでミニ三脚がアルカスイス互換化したので、前出のST-28も容易に着脱できるようになった。

アルカスイス互換のミニ三脚に、アルカスイス互換のST-28をセット。そこにiPhone 14 Pro Maxをセット。三脚とST-28も、ST-28とiPhoneもスゲく容易に着脱できる。
携帯時はミニ三脚からST-28を外す。わりとコンパクトに持ち歩ける。

 なーんだ。便利じゃん。最初からアルカスイス互換小型マウント&プレートを使えばよかった。でもこのマウント&プレートったら小さいからカメラ機材墓場の超下まで落ちて埋もれてて発掘するのが超絶スゲくメンドク(以下略)。

アルカスイス互換の小さい自由雲台を探してみる

 ミニ三脚+アルカスイス互換小型マウント&プレート+ST-28という組み合わせでMagSafe対応三脚を構成してみたが、もう少しこだわりたくなった。自由雲台にアルカスイス互換小型マウントをねじ止めしているが、ココにアルカスイス互換のミニ自由雲台を使ったらスッキリするなぁ、と。

 ちなみにここで言う“雲台”とは、三脚に固定し、その上にカメラを装着し、カメラの向きを調整するための機材。ヘッドとも言う。また「自由雲台」とは、球状の関節がある雲台で、カメラの水平垂直の向きおよび傾きを同時に調整できる雲台のこと(ボール雲台とも言う)。一般的な雲台(3ウェイ雲台)の場合、水平・垂直・カメラ傾きなどをそれぞれのレバーを緩めて個別に調整する。

現状では自由雲台の上にアルカスイス互換マウントをねじ止めしている。使っていると、マウントのねじ止めがたまに緩んでしまう。まあ危険ってことでもないが、スッキリしない点だ。

 アルカスイス互換の自由雲台って、けっこーゴツいのが多い。自由雲台ではなく3ウェイのフツー的雲台のアルカスイス互換品だとさらにデカかったりする。多くのアルカスイス互換自由雲台はこのミニ三脚に全然マッチしないのだ。

 欲しいのはミニサイズのアルカスイス互換自由雲台。さっそく探してみた。数えるほどしか見つからなかったが、そこそこ良さそうなのを2つ購入してみた。↓こんなの。

Ulanzi「U-80L」。アルカスイス互換の自由雲台で、横にアクセサリーシュー付き。高さは約60mm。Amazonでは2699円で売られている。
FOTOBETTER「MBP-19」。これもアルカスイス互換の自由雲台で、けっこうユニークな構造をしている。高さは63mm。Amazonでは3288円で売られている。さらに小さいFOTOBETTERbnが存在し、その高さは39mm(!)と超小さいが、販売店を見つけることができなかった。
それぞれの雲台にST-28をセットし、そこにiPhone 14 Pro Maxをマグネット吸着させてみた。ん?イイ感じ♪
雲台からST-28を外せば、携帯性もまずまず悪くない。

 このくらいコンパクトな自由雲台だとミニ三脚に据えつけての携帯がラク。雲台はアルカスイス互換なので、MagSafeマウントのST-28の着脱もクイックに行える。ので、バラしての携行も現実的だ。

 でも……なんかやっぱりST-28って、MagSafeのマグネット吸着機能を追加するためだけのアイテムとしては、ちょーっと大きめな感じですな。まあ安定感はあるし、頑丈なので、悪くはないのだが。なんかまだミニ三脚のMagSafe化、探求が続きそうな気がしている。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。