スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」
思わず多用しちゃうサンディスクのiXpand
(2015/7/13 06:00)
思わず多用しちゃうiXpand
今回のブツはサンディスクの「iXpand」。基本的にはUSBフラッシュメモリ(USB 2.0対応)ですが、Lightningコネクタも備えていて、iPhoneなどLightningコネクタを備えたiOSデバイスでも使えます。PCとiOSデバイスの間でファイルをやりとりできるUSBメモリ、みたいな感じで使えます。
PCにもiOSデバイスにも挿せるUSBメモリ、と言うとわりとアリガチな製品ではあります。ワタクシの場合も当初は「アリガチかも!?」とか思いつつ使い始めたんですけど、使ってみたら独自の利便がありました。カタチやギミックも好印象。そしてアプリの使い勝手と仕様もかなりイイ感じ。というわけで、既に2カ月くらい使い続けています。わりと頻繁に活用中。
どういうときに便利なのかと言うと、ワタクシの場合は仕事の打ち合わせなどですな。話は若干端折りますが、現在進行中の仕事に関わるファイルあたりをザザザッとこのiXpandにコピーしておきます。で、打ち合わせなどに出掛けるときは、そのiXpandを持っていきます。
仕事で出掛けるときは、最低でもiPhone 6 Plusを携帯。iPad Air 2もよく持っていきます。必要とあらばMacBookも持参。で、これらどの端末でも、iXpand内のファイルを開けますので、仕事に必要なファイルを出先で必ず開くことができるというわけです。
そういう必須ファイルはクラウドストレージ経由で使えば? と思われるかもしれませんが、打ち合わせのために集まる場所って、けっこー通信回線状況悪かったりするので、クラウドストレージが実力を発揮できなかったりしがち。「あ、そのファイル今開いてお見せしますので!!」とか言った……ときから数分経っても「あ~、いまダウンロード中で、え~、もうすぐ開けると思いますので」とか待って待たせて「悪い汗」、みたいな。
iXpandのようなデバイスだと、まあファイルをあらかじめ入れておく必要はあるものの、回線状況の良し悪しに関わらずいつでもファイルを開くことができて便利ってわけですな。差し替えるだけでiPhoneでもiPadでもPCでも使えますし、ナニカと手っ取り早くて実用的。結果、けっこー多用するようになりました。ともあれ以降、iXpandの機能や使用感をレポートしてみたいと思います。
インストール時も通常運用時もスムーズ
iXpandとiOSデバイスを組み合わせて使う場合、iOSデバイス側で専用アプリの「SanDisk iXpand Sync」を使い、iXpand上のファイルにアクセスします。ので、まずはこのアプリのインストールが必要なんですが、iOSデバイスにiXpandを挿す程度でOK。アプリを検索する必要はありません。
また、そこから続いての操作も比較的にスムーズ。ファイルとフォルダの関係を理解しているユーザーなら、ほとんど迷うことなく直感的に使えると思います。実際にどんな感じなのか、スクリーンショットとともに見ていきましょう。
インストール時もその後の使用時も、iXpandの使用感は「とりあえず挿すだけ」というスムーズさが印象的です。アプリのアイコンを指でタップする必要がないという程度ですが、しかし「挿せば使い始められる」という手っ取り早さはイイ感じです。
ヒッジョーに多くのファイルを開けるっ♪
前述したとおり、ワタクシ、iXpandを「けっこー多用する結果」となっています。その理由のひとつが、専用アプリ「SanDisk iXpand Sync」が多くのファイルフォーマットに対応しているから。iXpandというUSBメモリの中にイロイロなファイルが混在していても、その多くをiOSデバイス上で開くことができるというわけですな。
対応ファイルについてはココに書いてありますが、具体的には、静止画が、BMP、TIF、TIFF、JPG、PNG、GIF、XBM、ICO、TGAで、最大10MBのファイルまで開けます。動画は、WMV、AVI、MKV、MP4、MOV、FLV、MPG、RMVB、M4V、TS。DRMが有効なファイルは開けませんが、「えっ、.ts対応なの!?」と喜んじゃう人もいるかもしれません。音楽は、MP3、AIF、WAV、AIFF、M4A、WMA、AAC、OGG、FLACで、音楽もDRMが有効なファイルは開けません。文書は、DOC、DOCX、PDF、XLS、XLSX、PPT、PPTXで、最大10MBまで対応しています。
これだけ多くのファイルフォーマットに対応していると、ほかのアプリと連係動作させなくても使えることが多いですな。「このアプリだけでだいたいOK」というスッキリ感も好印象です。ともあれ、どんな感じでファイルを開けるか見てみましょう。使用端末はiPhone 6 Plusです。
ワタクシの場合、まあ実際はフツー的なドキュメントや画像を開く程度なので、対応ファイルフォーマットが超豊富という点は実利にはそれほどつながっていません。が、こういうアプリにアリガチな「このアプリでファイルを開けないので、共有機能でファイルを開けるアプリに受け渡す」という手間が少ないことがナイスな感じですな。
とは言っても、「SanDisk iXpand Sync」アプリで開けないファイルもあります。たとえば、HDビデオカメラが生成しがちな.mtsファイル。あるいは、テキストファイルは開けるものの、文字コードがShift-JISの日本語は文字化けします。ので、ワタクシの場合は「GoodReader」アプリで共有し、文字コードを変えて開いています。「SanDisk iXpand Sync」アプリは対応ファイルフォーマットという点でかなり強力ではありますが、「何でもOK」というわけでもない感じです。
ほか、iXpandでは独自のファイル暗号化機能「SanDisk SecureAccess」(←PDFです)も使えます。暗号化のためのパスワード設定はPCからでもiOSデバイスからでも行えて、ファイルを個別にロック(暗号化)できます。ロックされたファイルは「SanDiskSecureAccess Vault」フォルダに移動保管されます。iXpand内に金庫を作れて、そこに大切なファイルを保管できるという感覚ですな。
この機能を使えば、ファイルを個別にロック/ロック解除できますので、もちろん機密な感じのファイルの保護に役立てられますが、一時的にiXpandを人に渡して「中に入ってる写真コピーしていいですよ」的にファイルを手渡すときにも役立てられると思います。iOSデバイス同士なら「AirDrop」を使えばファイルを渡せますが、大きな動画ファイルなどのやり取りはiXpandを使った方がよりスムーズだと思います。
サイズ感も作りも好印象
順序が逆っぽくなりましたが、iXpandはサイズ感や作りもイイ感じです。USBメモリとして考えるとやや大きめで、長さ64.17×幅36.78×厚さ11.80mmあります。キャップを付けた状態の質量は約27g(16GB品/実測値)です。PCやiOSデバイスとの挿抜感まで含め、わりと扱いやすいサイズ感だと思います。
Lightningコネクタ部も実用的。本体とコネクタ先端までは2cm程度のフレキシブルケーブルでつながっていますが、華奢ではなくソコソコ柔軟なのが便利です。ここが細身のケーブルだと切れそうな感じでしょうし、かと言って本体直付けのプラグだとiOS端末と接続しているときにプラグ部に力がかかって破損の不安が残るでしょう。そのどちらの不安もない作りになっています。
使っていて不満が残るのは、本体にストラップホールがないこと。紛失防止にストラップを装着したい感じ。それと、容量表示が本体裏面に超小さくしか書かれていないこと。じつはその便利さから16GBのものに加え、64GBのものも追加購入したんですが、「あれ? どっちが64GBだっけ!?」となりがち。もう少し大きく容量を刻印しつつ、容量などにより本体カラーも変えてくれたら、と思います。
あと、iXpandはUSB充電して使う仕様になっています。充電しないと使えないんですけど、当初は「充電しないと使えないUSBメモリって……」とか思いましたが、使ってみたら無問題でした。週に一度程度、PCのUSBポートに挿してファイルを書き込んでいますが、その程度でいつもだいたい満充電状態になっています。なお、iOSデバイスからの充電はできません。
ほか、iXpandにはiOSデバイス初心者向けのバックアップ機能もあります。たとえばiOSデバイス上の写真やビデオや連絡先データを、自動的にiXpandへと同期(バックアップ)してくれたりします。ある程度iOSデバイスを使いこなしているユーザーにとっては不要な機能ではありますが、そのあたりの機能については動画コンテンツ「スタバビジョン」(←音の出るページです)にまとめましたのでご覧ください。
といった感じのiXpand。ワタクシ的にはやはり、「SanDisk iXpand Sync」アプリのデキの良さから多用しちゃう感じです。サンディスクというブランドから来る安心感もありますな。もちろん、「フラッシュメモリ=無線通信環境ナシでファイルをやりとりできるデバイス」ならではの利便も大きいので、興味のある方はぜひ一度チェックしてみてください。