スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」
キヤノン「PowerShot N2」を常時携帯♪
(2015/3/23 06:00)
キヤノン「PowerShot N2」を常時携帯♪
2015年2月19日に発売されたキヤノンのコンパクトデジタルカメラ「PowerShot N2」。予約して発売日に購入し、約1カ月半程度使ってきましたので、今回はこのデジカメについてレポートしたいと思います。
四角いフォルムとレンズ周囲のリング状シャッターボタンが特徴的な「PowerShot N2」ですが、同様の特徴を備えていた「PowerShot N」の後継機種ですな。「PowerShot N」は発売時に購入しようとしましたが、直販のみの販売で、初回出荷分を予約し損ねて買えず。そのまま時間が経ち、買う気が失せてしまった感じです。
が、新宿のキヤノンサービスセンターに実機があり、触れてみたら好感触。「こういうカメラもいいなあ」と思いました。まあ既に買う気を失った状態だったので購入には至りませんでしたが。
さておき、「いいなあ」と思ったのは本体サイズとリング状のシャッターボタンです。ポケットサイズで軽量ゆえ、常時携帯向き。リング状のシャッターボタンはどの方向からでもシャッターを切れるので、カメラのホールドのしかたの自由度が非常に高く、さまざまなポジション/アングルから撮影できます。
で、後継機種の「PowerShot N2」が登場。じゃあ実際に常時携帯して使ってみよう!! てなスタンスで予約購入した次第です。
以降、「PowerShot N2」の使用感などについて書きますが、とりあえずワタクシ的結論から申しますと、コレかなりイイです。携帯しやすく撮影もしやすく、後述しますが「速写性」にとても優れているので、スマートフォンより手軽に日常をスナップしまくれる感じです。
小さい、軽い、片手でも即ツカエル!!
まず外観的な特徴ですが、スクエアに近いカタチで左右対称のデザイン。前述のとおりレンズ周囲のリングがシャッターボタンで、その内側のリングでズームアップダウンを行えます。レンズは35mm判換算28~224mm相当の光学8倍ズームレンズ。液晶モニターはタッチ対応の2.8型(約46万ドット)で、チルト機構により上方180度まで無段階で角度を変えられますので、広角側だと自分撮りも容易です。
レンズ周囲の2つのリングとタッチパネルで主な操作をしますので、ボタン類は非常に少なく合計4つです。電源ボタン、再生ボタン、モードスイッチ、ワンタッチスマホボタンです。
なお、サイズは80.9×62.0×32.3mmで、バッテリーやメモリーカードを含んだ
質量は約201gです。上着のポケットなどに入れても嵩張りにくいサイズ感です。
小型軽量なので、前述のように上着のポケットに入れたりしてもあまり違和感なく携帯できます。軽いのでネックストラップで吊ってもいいですな。非常に良い携帯感です。
これに加え、片手でも扱えちゃうのが「PowerShot N2」のイイところ。具体的には、片手で本体を取り出して、そのまま少し持ち替えて電源ボタンを入れて、さらに軽く持ち替えて画面が見える状態にして、そこからシャッターまで押せます。電源ボタンを押した後1秒程度以内に撮影スタンバイになりますので、被写体を見つけた直後すぐに速写できる感覚です。
この「片手だけ」での「速写感」は、一般的なコンパクトデジカメにはちょっとナイものだと感じます。やろうと思えば一般的なコンパクトデジカメでも、片手で電源ON~撮影までできますが、「PowerShot N2」の場合、カメラを安定的に掴みながら、レンズ周囲のリング(シャッターボタン)に触れているどれかの指を僅かに動かすだけで撮れます。本体をわりとしっかりホールドしつつ、無理のない指の動きでシャッターを切れるという点で、非常に扱いやすいです。
ただ、片手で撮るとやはり手ブレしがちではあります。やや暗いと、なおさら。まあ、そういう条件下ではもう一方の手も添えればいいだけの話ですが。なお、晴天下など十分明るい条件下なら、片手で慌てて速写しても手ブレは起きにくいと感じます。これは恐らく、片手だけでもカメラをしっかりホールドでき、シャッターボタンをそっと押せるからだと思います。
ともあれ、速写性能(!?)が非常に高い「PowerShot N2」。軽快に携帯できて即撮れる感覚は、スマートフォンを遙かに凌ぐスピード感だとも思います。スナップをクイックに撮りたいという人によく向くカメラだと感じられます。
活用幅の広いレンズ、画質的にも好印象
それからレンズ。前述のとおり、35mm判換算28~224mm相当の光学8倍ズームレンズを搭載しています。サイズ感としては非常にコンパクトな「PowerShot N2」ですが、ズーム倍率がわりと高めなので、いろいろな被写体を無理なく撮影できるという印象です。
ズームに関してはキヤノンの製品紹介ページに詳しくありますが、デジタルズームまで使うと「えっ? このカメラで!?」と軽く驚ける高倍率撮影ができたりします。
なお、上の写真は手持ちで撮っています。ズームした写真はどれもシャッター速度1/125秒となっていますが、手ブレ補正が強力に効き、ほぼ手ブレは見受けられません。なかなか頼りになるカメラですな。
あとこのカメラ、ワタクシ的には画質も好印象です。とりわけクリア感が良好っていうかノイズ感が少なく、多くの場面で色鮮やかでクッキリしたスナップを残せると感じました。
以下に「PowerShot N2」で撮ったスナップを並べてみましょう。左がリサイズしたもの、右が等倍(ドットバイドット)です。リサイズやトリミング以外の処理は施していません。
ポケットサイズ&片手で使えるという軽快感から考えると、なんかかな~り画質がイイという気が。気楽に使えることと、画質的に意外に好印象であることの、このギャップが「なんかこのカメラ凄いかも」と感じさせます。まあ、でも、同クラスのキヤノン製コンパクトデジカメと比べると、「PowerShot N2」が画質的にとりわけ秀逸というわけではいと思います。
もうひとつ、このカメラ、最短撮影距離も短いです。広角側だと被写体に(レンズ先端より)1cmまで近づいて撮れます。望遠側だと1mまで寄れます。自由なポジション/アングルから撮れるので、ラクに接写を行えてイイ感じです。
なかなか楽しめるカメラです。「PowerShot N2」には「クリエイティブショット」などをはじめとする、独自の楽しげな撮影モードがあります。が、そういったモードを使わずとも、カメラ自体のスタイルや機構や基本性能だけで、一般的なコンパクトデジカメとはずいぶん違う楽しさが味わえると思います。
タブレットに日常がたまっていく~♪
このカメラはWi-Fi対応で、PCやスマートフォンなどに画像を転送したりすることができます。詳しくはキヤノンの製品紹介ページにありますが、撮ったその場で写真をスマートフォンに転送してネットにアップするような使い方もできるわけですな。
ワタクシの場合、「PowerShot N2」で撮った写真を定期的にiPadに転送しています。後でジックリと画像を見るためです。
さておき、そうしていたら、なんかちょっと愉快な状況に。というのは、iPad上にワタクシの日常が全部、写真として記録されている感じになったのです。「PowerShot N2」で撮ったスナップが時系列でズラリと並んでいて、「サムネイルを見ると行動が丸わかり」みたいな雰囲気に。
スナップ写真で自分の行動を思い返せる感じ。まあ当然と言えば当然ですが、それだけ「PowerShot N2」でスナップを撮りまくりだったというわけです。また、「PowerShot N2」は前述のとおり携帯性にも速写性にも優れていますので、スナップを気軽にたくさん撮れるカメラなのだと改めて感じました。
全体的に好印象な「PowerShot N2」ですが、使いにくい部分もありました。たとえば不意に本体側面のボタンを押してしまうこと。電源ボタンやワンタッチスマホボタンを不意に押してしまうと、電源が入ったりWi-Fi接続モードになったりして、ちょっと面倒。位置的にも本体左右にあるので、本体を掴むときに押しがち。慣れないと、都度イライラするボタンだったりします。
それから、ボタンが少ないことからくる不便。たとえばちょっと露出補正をしようと思っても、タッチパネル操作となります。メニュー類のタッチボタン表示はあまり大きくないので誤操作も起きがち。細かな設定を変えつつも撮れるんですが、そうすると操作感がいきなり悪くなります。あまり凝ったことをせず、デジカメ任せで撮るタイプのカメラなんですな。
そんなところでしょうか。若干の不便はあるわけですが、「PowerShot N2」は手軽さと速写性が命かも、とか思います。使い始めるといきなり多量にスナップを撮りまくるようになりがちな愉快なカメラですので、気になる方はぜひ一度ジックリとチェックしてみてください。