スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

サンコーの手持ちジンバルがイケてる!!

サンコーの手持ちジンバルがイケてる!!

 発売直後に脊椎反射的にポチッと購入したサンコーの「3軸電子制御カメラスタビライザー(3AXSTA8H)」。イイのが出てきた~♪ いよいよこのテのスタビライザーが一般ユーザーに降りてきた~!! 的な気分で買いました。

サンコーの「3軸電子制御カメラスタビライザー (3AXSTA8H)」は、iPhone 6などのスマートフォンやGoProシリーズを装着できる「ブラシレスジンバル」です。電子制御によりカメラの水平を保ち続けられ、非常に安定した動画を撮影できます。サンコーレアモノショップ直販価格は2万9800円(税込)。
装着できるスマートフォンは幅7.5×厚さ1cm以下(推奨約5インチ)と、「GoPro HERO2」以降のGoProシリーズアクションカメラです。
操作ボタン類はグリップ端にある電源ボタンのみ。この部分はバッテリーで、付属ACアダプターで充電して使います。連続稼働時間は最長約3時間となっています。

 コレ、いわゆる「ブラシレスジンバル」ってやつですな。所定の位置にスマートフォンやGoProをセットして電源を入れると、傾きなどを検知する各種センサーとブラシレスモーターにより、カメラの水平を常に保ってくれるという撮影機材です。最近ではマルチコプターによる空撮などで多用されていますが、この製品のように手に持って使うタイプも続々登場中です。

 で、この「3軸電子制御カメラスタビライザー」について「イイのが出てきた~」と思ったのは、汎用性があること。ブラシレスジンバルで使用法も価格も身近なものは、セットできるカメラが限られていたりしました。たとえばGoProのみ対応など、特定機種向けの専用品というイメージが強かったりしました。

 しかし、この「3軸電子制御カメラスタビライザー」の場合、幅7.5×厚さ1cm以下(推奨約5インチ)のスマートフォン、および「GoPro HERO2」以降のGoProシリーズをセットできます。わりと一般的なスマートフォンで「非常に安定した動画」を撮影できるという仕様は、かなり画期的だと感じました。

 ともあれ、まずはブラシレスジンバルを使うとどういう動画が撮れるのか? iPhone 6 Plusを手持ちで撮った動画と、iPhone 6を「3軸電子制御カメラスタビライザー」にセットして撮った動画を見てみましょう。

【動画01】iPhone 6 Plusを手持ち相当にして撮った動画です。詳細に書くと「3軸電子制御カメラスタビライザー」の持ち手のところにiPhone 6をセットして撮りました。実質手持ちでの動画撮影ということになります。これでも、なるべく手ブレしないように、画面が安定するようにと、けっこー努力した結果です。
【動画02】こちらはiPhone 6を「3軸電子制御カメラスタビライザー」の所定の位置にセットして撮った動画です。画像の水平が保たれているのがわかります。また、上の動画では振動などで動画がブレがちですが、それらも大きく低減されています。

 なかなか凄いですな。「3軸電子制御カメラスタビライザー」で撮った動画は、水平がほぼ常に保たれていて、不快な振動やブレなども非常に少ないことがわかります。スマートフォンでこういう撮影ができるようになった~♪ というわけですな。

 ちなみに、iPhone 6 PlusとiPhone 6で撮り比べたのは、手持ちのスマートフォンで画質的に似た機種がこの2機種だからです。また、iPhone 6 Plusは「3軸電子制御カメラスタビライザー」にセットできませんでした。それと、iPhone 6 Plusには光学式手ぶれ補正機構が搭載されていますが、これは静止画撮影時のみに効果を発揮するとのこと。なお、iPhone 6 Plus/iPhone 6ともに動画撮影時は「映画レベルのビデオ手ぶれ補正」機能が働くとのことです。

 ともあれ、以降、「3軸電子制御カメラスタビライザー」の使用感などについて書いてみたいと思います。実際に撮影した動画を中心にレポートしますので、「どんな効果があるの?」と思われる方は、動画のみご覧いただいてもその雰囲気が掴めると思います。

かな~り画像が安定しますヨ♪

 さて、まずは「3軸電子制御カメラスタビライザー」の効果はどんなものなのかを、手っ取り早く動画でチェックしていきましょう。「3軸電子制御カメラスタビライザー」にiPhone 6をセットし、そのグリップ部にiPhone 6 Plusを装着して撮り比べてみました。

「3軸電子制御カメラスタビライザー」にiPhone 6を、そのグリップ部にRAMマウントを使ってiPhone 6 Plusを装着しました。これでほぼ同じ視野の風景を同時に撮影しました。

 こうすることで、iPhone 6のみスタビライザーの効果があり、iPhone 6 Plusは手持ち相当となります。こんなふうなセッティングのもと、なるべく手ブレしないようできるだけ慎重に撮影しています。

 あ、あと、音声が一部奇妙な感じに聞こえるかもしれませんが、これは編集時に2台のiPhoneの音がズレつつ混ざってしまったからです。この原稿の入稿時に気づき、修正する時間がありませんでした。スミマセン~。

【動画03】スタビライザーを使ったほうの動画は、常に水平が保たれています。左右に向きが変わるタイミングがズレているのは、スタビライザーにより「パンがより滑らかになされる」からです。
【動画04】こちらもスタビライザーを使って撮った動画は非常に安定しています。やはり水平を失うことがほとんどありません。
【動画05】今度は軽く走りながら撮ってみました。公園の東屋の周囲を回りながら走り、次に直線的に走りました。スタビライザーの効果により、画面がほとんど揺れません。
【動画06】冒頭に出てきた動画ですが、これも比べやすいように並べてみました。少々の起伏を小走りしながら撮りましたが、これもスタビライザーの効果が非常によく発揮されています。

 凄くないですかコレ? iPhoneで撮ったんですよ!? 「3軸電子制御カメラスタビライザー」っていうかブラシレスジンバル、やっぱりスゴ~い♪ 誰にでも安定して見やすい動画を撮れるので、撮っていて非常に楽しいです。

使い方は超カンタン!!

 非常に手軽に使えることも「3軸電子制御カメラスタビライザー」の大きな魅力です。実は、より汎用性の高いブラシレスジンバルも使いましたが、最初の調整が面倒だったりして、案外手軽さに欠けたりします。が、今回紹介している「3軸電子制御カメラスタビライザー」の場合は、それも簡単です。

 具体的には、所定の位置にスマートフォンを固定し、左右と前後のバランスを取るだけです。GoProの場合は前後のバランスを取るだけ。その後にグリップ端にある電源ボタンを押せばスタビライザーの効果を伴った動画撮影を行えます。

スマートフォンをセットしたら、左右が水平になるように、また上下が垂直になるように調節します。スマートフォンを左右にずらして水平を調節し、スマートフォン保持部下にあるカウンターバランス(重り)の位置を変えて垂直を調節します。カンペキに、でなくても大丈夫。スマートフォンが傾き過ぎていなければ問題ないようです。
【動画07】カメラのバランスが取れたら、スマートフォン側のカメラアプリなどを立ち上げて撮影の準備をし、電源を入れればOKです。その後はスマートフォン(つまりカメラ)が常に水平を保つように補正されます。

 自動的にスマートフォンの水平などのバランスを保ってくれるわけですが、これは3つのモーターでの3軸補正によるものです。モーターはブラシレスモーターなので、モーター音はほぼしません。

 また、「3軸電子制御カメラスタビライザー」を水平方向に回転させると滑らかなパン動作となり、垂直方向に傾けると滑らかなティルト動作になります。水平は常に保ち、パンやティルトといった動作は手の動きより滑らかにしてくれるわけですな。動画で見た方がわかりやすいかもしれません。

【動画08】「3軸電子制御カメラスタビライザー」を水平方向に回転刺せると滑らかなパン動作になります。
【動画09】パンさせつつ撮ると、手の動きよりパン動作が滑らかになることがわかります。
【動画10】「3軸電子制御カメラスタビライザー」を垂直方向に傾けると滑らかなティルト動作になります。
【動画11】こちらも、より滑らかにティルトしていることがわかります。
【動画12】立ち止まってパンやティルトを織り交ぜて撮影してみました。手持ちでこういう動画が撮れてしまうってスゴくないですか?
【動画13】歩きながらパンやティルトを入れつつ撮ってみました。水平が保たれつつパンやティルトも滑らかで、やっぱりスゴーい♪

 パンやティルトについては、このブラシレスジンバル特有の動きかもしれません。ので、若干の慣れは必要です。序盤は「パンし過ぎた」「ティルト不足だった」とか、あるいはその逆、みたいな軽い失敗が何度かありました。

 それと、歩きながら撮ると、若干は「歩いたときのカメラの上下方向への揺れ」が動画でも感じられてしまいます。ただ、これも注意深く撮ればかなり抑えられると思います。

 使いこなしの面ですが、使っていれば誰でもすぐに慣れられるレベルだと思います。簡単&愉快。そして非常に安定した滑らかな動画を撮れるように♪ 的な。

いろんなシチュエーションで実用的

 こう撮ったらどうか? こういう撮影はできるか? 「3軸電子制御カメラスタビライザー」はどのくらいツカエルのか? みたいなコトを、思いつくままに試してみました。ので、以下にその結果を。

【動画14】カメラを少し高い位置に構えて林の中を歩いてみました。カメラを保持する手が不安定な感じなんですが、かなり滑らかな動画が撮れました。
【動画15】ゆっくり歩いて撮ってみました。映像上、少々の上下の動きが気になりますが、「歩いていることの表現」と捉えると悪くない気がします。
【動画16】看板を中心にその周囲を歩きながら撮りました。けっこーバタバタと歩いていますが、わりと安定した動画になりました。
【動画17】並木の間をスラロームのような感じで歩いて撮りました。
【動画18】こちらは同じ並木の間を小走りして撮ってみました。
【動画19】舗装された小道を走って撮りました。振動が激しい箇所で、ローリングシャッター現象によるものと思われる若干の歪みが感じられます。13秒あたりのところの振動は、「3軸電子制御カメラスタビライザー」を傾け過ぎて、モーターとカメラが干渉してしまったのが原因です。
【動画20】クルマに乗り込むところを撮ってみました。途中、「3軸電子制御カメラスタビライザー」を持つ手を替えたりしていますが、かなり安定した動画になりました。

 より慎重に「3軸電子制御カメラスタビライザー」を保持すれば、歩きながらの動画もさらに安定するような気がしています。「3軸電子制御カメラスタビライザー」を使えば、スマートフォンで映像作品の素材を撮れちゃうかもしれませんな。

 それから、「3軸電子制御カメラスタビライザー」の電池の持続時間ですが、十分良いように感じました。前述のとおり連続駆動時間は約3時間ですが、電池切れになる以前に撮影者が疲れつつスマートフォンの電池残量も怪しくなってきたりします。

 とは言え、より本格的に使おうとすると、予備バッテリーが欲しくなるところ。残念ながら、現在のところ専用バッテリーは別売されていないようです。予備バッテリーがあれば「3軸電子制御カメラスタビライザー」の活用幅がさらに広がると思いますので、ぜひ別売してほしいと思います。

 てな感じの「3軸電子制御カメラスタビライザー」。スマートフォンおよびGoProを乗せられるということで、このテのブラシレスジンバルの中ではかなり汎用性が高くてナイス。性能も問題ナシな感じ。また、2万9800円(税込)という価格も手を出しやすくて好印象。率直に「かな~りオススメ」です。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。