スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

超カッコいいSHARGEEK「STORM2」モバイルバッテリーを自制不能の衝動買い!

だってカッコいいし9000円引きだったんだもーん!!!

 また……またモバイルバッテリーを衝動買いしてしまった。あああぁぁぁ! またもや衝動買いしてしまった……モバイルバッテリーは死ぬほど持ってるのにー! ↓こんなに持っている。

所有しているっていうか死蔵しているモバイルバッテリー。持て余しているが、もともと二次電池が好きなので気を緩めるとついつい買ってしまう俺なのであった。

 最近はですね、モバイルバッテリーを極力買わないようにしているんスよ。すでに持て余しているから。なのでAmazonとかでイカシたモバイルバッテリーを発見しても「買っちゃダメだ買っちゃダメだ買っちゃダメだ」と自制している。たまに買っちゃうが俺的にはスゲく自制している。

 ところである日、特定の機能を有するモバイルバッテリーを探していた。そしたらスコッと見つけた。

 見つけたのはいいが、「これは……以前に自制して買わずに済んでいたモバイルバッテリー!」てなことがわかった。それが冒頭写真のマニア心をくすぐるトランスペアレントなモバイルバッテリーことSHARGEEK「STORM2」だ。

SHARGEEK「STORM2」は容量25600mAhのモバイルバッテリーで、機能性能とも秀逸な製品。Amazonで2万9990円で売られている。

 透明で中身が見えて液晶ディスプレイまで装備していて、カッコイイんスよね〜このモバイルバッテリー。以前にクラウドファンディングに出ていて、その外観に惚れたものの、価格を見て買うのを自制した。

 クラウドファンディングでのお値段は3万円弱。マニアックな機能性と外観があるものの、容量25600mAhのモバイルバッテリーの相場の2〜3倍くらいの価格である。

 二次電池として相場の2〜3倍の値段だよね? 既に多量にモバイルバッテリーを持て余してるよね? 外観に惹かれて買ったけど全然使ってないモバイルバッテリーもたくさんあるでしょ? ……というモバイルバッテリー買い増し自制派の第二の俺が脳内で嫌味ったらしくブツブツ言いやがるので、買わずスルーしてきたのだ。

 だがッ!!! 現在俺が求め中のある機能が、このモバイルバッテリーに搭載されていた。すなわち「新たにモバイルバッテリーを買ってもいい理由」がひとつ追加されたのである。

 えーでもその機能だけで相場の2〜3倍はなぁ……と、意外にも冷静にモバイルバッテリー買い増し自制派の第二の俺に賛同する俺本体であった。ま、今回もスルーして、別の製品に「ある機能」を求めようかな、と思った矢先に目に入ったのがコレ↓だ。

透明筐体でイエローのアクセントも効いててカッコイイっつってもさぁ〜2万9990円って……あっ。
あっ、9000円OFFクーポン。
ビシィェェェーッと即クーポン適用ッ!!!

 オラ来たコレ9000円OFFクーポン一発ポチッとヤッて2万990円化!!! さらに300Amazonポイント来るし! これでこの魅惑のモバイルバッテリーがちょっとだけお手頃価格になったぜぇ〜ッ!!!

 しかもちゃんと調べてみるとですよ、クラウドファンディングで付属していた3本のケーブルのうち2本のケーブルがないバージョンっすよAmazonのコレ。黄色くてカッコイイけどDC-DCケーブルとかDC-ワニクチクリップケーブルとか(俺的に多量に持ってるので)要らねーって感じだったんスよ黄色くてカッコイイけど。

 ともあれこれぞ好都合! ポチェーッ!!! と「注文を確定」ボタンをクリックしたんすわ〜! ってコトで今回はこの超カッコイイし機能性も優れているし容量的には相場の1.5〜2倍くらいの値段するけどまあ外観イイから許しちゃうかーカッコ悪いモバイルバッテリー2個買うより気分いいしネー的な考えにならなくもないSHARGEEK「STORM2」の使用感などについてレビューしてゆきたいッ!!!

決して外見だけで買ったのではなくてぇ〜

 どうせ外見だけで買ったんだろ、9000円のエサに釣られてさ。知ってるよ、お前はそういう奴なんだよ。そういうどうしようもない物欲まみれの衝動買い野郎さ。などとモバイルバッテリー買い増し自制派の第二の俺が脳内で俺本体をディスってきたので今回はキレてソイツをアンインストールしつつ、「このモバイルバッテリーには(特定ユーザーにとって)買うべき優れた機能性があるのだ」と断言する。

何度見ても超カッコよく、透明筐体なので基盤とかも見えてさらにカッコよく、ルーペなどで精査してもヤケにカッコいい外観のSHARGEEK「STORM2」は、縦置きにしてもカッコイイ。

 それは前述したモバイルバッテリーにおける「特定の機能」であり「現在俺が求め中のある機能」だ。SHARGEEK「STORM2」にはソレがある。

 具体的には、DC出力ポート。DC出力ポートは直流の電流を流せるポートで、このポートを備えているモバイルバッテリーは少なからず存在する。ただ、DC出力ポートがあっても出力できる電圧が5V/9V/12V/16V/19V/20Vだったりして(ノートPCなどへの充電を想定していると思われる)、自由な電圧が出せるわけではない。

 その点、SHARGEEK「STORM2」は3.3Vから25.2Vまでの電圧を0.1V単位(!!!)で設定して出力できる。また試してみたところ、電圧は非常に正確で「モバイルバッテリー型の安定化電源」と言えそうな性能がある。ただ出力できる電流は3Aまでとなっており、用途はある程度限定される。

黄色いボタンを短押・長押ししつつ機能設定。DC出力は3.3Vから25.2Vまでの電圧を0.1V単位で設定可能。ただしボタンひとつでの操作なので設定のクイックさには欠ける。
25.2V出力設定にした表示。最大電流は3Aまで。9.9〜75.6Wまで出せるポータブルな安定化電源として汎用できる。ちなみに、DC出力をオンに設定している場合はSHARGEEK「STORM2」を充電できない(入出力USB-C1ポートにデバイスを接続してはいけない)。

 なお、DC入出力についてひとつ残念な点が。DC入出力ポートはわりと標準的な外径5.5mm・内径2.1mmのプラグが差し込めないので、別途変換プラグを用意する必要がある。Amazonなどで「DC プラグ 変換」で検索すると多数ヒットするのでそういうのを使用する必要がある。

モバイルバッテリーとしての機能性は?

 モバイル安定化電源云々はさておき、SHARGEEK「STORM2」ってモバイルバッテリーとしてはどういうモノなのか? 写真とともに見ていこう。

サイズは15.1×5.9×4.6cmで、重さは570g。500mlペットボトルよりも小型だが、500mlペットボトルよりズシリと重め。
入出力はDC IN/OUTとUSB-C1 IN/OUTがあり、出力はUSB-A OUTとUSB-C2 OUTがある。
本体にスペックが刻印されている。「PSE」マークもある。

 スペックは本体に刻印してあるが、入出力を兼ねるUSB-C1ポートは、入力(充電)が5V3A/9V3A/12V3A/15V3A/20V5A(最大100W)で、出力が5V3A/9V3A/12V3A/15V3A/20V5A(最大100W)。USB-C2出力ポートは5V3A/9V3A/12V2.5A/15V2A(最大30W出力)。USB-A出力ポートは5V3A/9V2A/12V1.5A(最大18W)。DC入出力ポートは、入力(充電)が5〜24V(最大3A)で、出力は前述のとおり3.3V〜25.2Vまで電圧0.1V刻みで最大電流は3Aまでとなっている。

 本体を充電しながらデバイスに給電できるパススルー給電にも対応。100Wの充電器なら0%から100%まで90分で充電可能となっている。

 単一ポートのみを使った場合の出力は、USB-C1のみだと最大100W、USB-C2のみだと最大30W、USB-Aのみだと最大18W、DCのみだと最大75.6W。USB-Cの100W出力ができるのはけっこう魅力的ですな。

 複数ポートからの同時出力も可能。2ポート同時出力の場合、DC+USB-C2だと65W+30W、DC+USB-Aだと65W+18W、USB-C1+USB-C2だと65W+30W、USB-C1+USB-Aだと65W+18W、USB-A+USB-C2だと25Wとなっている。3ポート同時出力の場合は、DC+USB-C2+USB-Aだと65W+25W、USB-C1+USB-C2+USB-Aだと65W+25Wとなっている。……が、どれがどの出力かいまいち不明な部分もあり、その詳細は探せなかった。

 さておき、SHARGEEK「STORM2」の特徴はやはりその見栄え。まずカラー液晶画面がヒッジョーに目を惹き魅力的である。

1.14インチIPSフルカラーディスプレー(240×135ピクセル)を搭載する。表示を上下逆転させることも可能。

 ディスプレイにはSHARGEEK「STORM2」の動作状態や、各バッテリーの状態を表示できる。またSHARGEEK「STORM2」の各種設定もこのディスプレイ(と黄色いボタンひとつ)で行う。以下、どういった表示がなされるのか、SHARGEEK「STORM2」取扱説明書内の画像で示してみたい。

 ちなみに、ディスプレイのボタン操作は「短押し」で項目移動、「長押し」で項目選択(決定)となる。複数ボタンにしてもっと扱いやすくしてほしいなあ……と最初は思ったが、すぐ慣れたりして、ボタン1つでもまずまず問題なく操作できる。
 ディスプレイと同様に目を惹き魅力的なのが透明の筐体。基盤が並ぶ部分が透明で、18650バッテリーが並んでいる部分はグレーの半透明という見え方になっている。

モバイルバッテリーを構成する電子部品が並ぶ基盤部分。これを見て楽しめる。
素人が見ても「どの部品がナニ?」って感じだが、「こんなふうになってるんだー」てな感じで楽しめる。
電池が収まっているところはグレーの半透明。サムスン製18650二次電池×8本が使われており、4本が直列でつながり、これを2セット並列でつながっていて、最高電圧は16.8Vとのこと。
電池には「INR18650-32E」の刻印がある。INRはニッケル酸リチウムを電池の正極材として使用したセルで、ほかのタイプの18650二次電池に多い3.7Vより電圧が高い(4V〜4.2V)。ただSHARGEEK「STORM2」のようなモバイルバッテリーに使われる二次電池としては、この電圧は(変換・制御されるため)とくに問題とはならないようだ。

 SHARGEEK「STORM2」も基本的にはフツーのモバイルバッテリーなので、デバイスの充電に使える。それに加えて「こんな情報が見られる」「内部も見える」あるいは「高精度で高汎用性のモバイル安定化電源としても使える」といったメリットや楽しさがあるというわけだ。まあ一般的なモバイルバッテリーと違い、イジって観察してマニアックに楽しめるってトコロが最大の魅力ですな。

SHARGEEK「STORM2」のイマイチなところ

 SHARGEEK「STORM2」を買って満足している俺ではあるが、よくよく考えてみると「こういう点はイマイチ」ってもの少々ある。思いつくままに挙げてみたい。

 ひとつは傷つきやすそうである点。透明部分はポリカーボネート? かなにかの樹脂だが、普通の感覚でSHARGEEK「STORM2」をモバイルバッテリーとして扱っていたら、すぐ傷つきそう。専用の布袋が用意されているが、でも使用時になにかにゴリッとぶつけたら一発で傷つきそうである。あぁっせっかくのスケルトンが! ってなりそう。なので、どうせ重いし高価なんだから、筐体が強化ガラスとかだったらなー、と思う。

SHARGEEK「STORM2」のパッケージにはUSBケーブル(C-C)と説明書、それからコットン風生地の袋が付属する。

 それから、コネクター部とディスプレイの文字が小さくて視認しにくいところ。老眼だと確実に見えない。コネクター部は光の加減でかなり見えにくいことがある。

そもそも極小表示なので液晶画面上の表示は見えにくい。
コネクター周囲の文字も小さく、光加減が悪いと非常に見えにくい。

 まあ見えにくくても、いったん見たりすればだいたいわかるから大きな問題ではないのだが。またこういう小ささがカッコよさ精密さを感じさせたりもするのだが。
 ただ、液晶画面とそれがもたらす機能性については、「これ液晶表示にする必要ある?」みたいな気がしたりも。いや液晶表示はカッコイイのでそのまま残してほしいが、実用性を高めるなら、この4〜5倍の大きさのタッチ対応液晶を搭載し、見やすく扱いやすくしてほしい。

 あるいは、SHARGEEK「STORM2」のBluetooth対応化。SHARGEEK「STORM2」とスマートフォンをBluetooth接続しつつ、スマートフォンの専用アプリからSHARGEEK「STORM2」の状態や設定を表示・操作できるようにしてほしい。

 そうなればSHARGEEK「STORM2」の各機能が256倍使いやすくなり、スゲく実用性が高まると思う。またそうなってくれたら、容量的に相場の2〜3倍するモバイルバッテリーでも、あまり迷わず買うような気がする俺である。

 あと、SHARGEEK「STORM2」の基板のレジスト(ソルダーレジスト)は黒。微妙に寂しいかな、みたいな。レジストとは基板の保護や絶縁などのための表面塗装。緑が多いが、実際はレジストとなる樹脂に混ぜる顔料により色はさまざまに変えられる。白、青、赤、紫などいろいろ。黒レジストも渋くていいけど、黄色とか赤とかのバージョンもあればいいなあ、と。

SHARGEEK「STORM2」の基板のレジスト(ソルダーレジスト)は黒。黒い部品が多いんだし黄色レジストとかにしちゃえば……とか思ったり。

 ってまあ、こういう製品は一種の「作品」なので、あまりクドクドと難点を挙げるのも無粋。でも非常にイイ感じのモバイルバッテリーなので、今後もガスガスと進化しまくってほしい。

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