スタパ齋藤のコレに凝りました「コレ凝り!」

ぜ~んぶDCコネクター化してしまえっ!

DCプラグ・ジャックで簡単接続♪

 たま~に購入する自転車用LEDライト。いわゆる「中華LED自転車ライト」です。中国製の自転車用ヘッドライト(フロントライト)で、LED式で大光量。専用の充電式電池パックとつないで使います。いろいろな種類が出回っていますが、どれもだいたい似たような基本構造。

中華LED自転車ライトの例。MADE IN CHINAで安くてとても明るいけれど、たまにハズレがあったりする製品群です。いろいろな種類がありますが、専用電池パックと接続して使い、多くの製品で電池パックやコネクターに互換性があったりします。ただ、保証されている互換性ではないので、自己責任での使用となります。

 おもしろいのは「けっこう安いけど超明るい」ということ。たとえば香港にある激安通販ショップDX(公式サイト)ではライト+電池パック+充電用ACアダプターのセットが2000円くらいから買えます。最近では日本のAmazonでも同じような製品が同じような価格帯で売られていたりも。「全部セットでたった2000円だし、中国製だし」とナメてかかると、その明るさに「な……なんだこの明るさは! 凄い!」みたいな衝撃を受けたりします。

 ただ、ライトとしての設計思想が日本のそれと異なるからか、日本の公道で使うには配光がよくない製品が多々。前方にドバーッと光を放つだけというライトが多いんです。そのまま使うと対向車に迷惑がかかるどころか、眩しさが事故の原因になるかもしれません。

 そんなライトをどう使うか、どう改造するか、みたいなことをするのが愉快。けっこう長い間、地味な趣味として爆光の中華LED自転車ライトいじりを楽しんでいる筆者です。

 で、そんなライトをいじっていたら、ふと単純な利便に気づきました。ライトと電池パックが同じ規格のACコネクターで接続されていて、それが単純に凄く便利だな、と。

中華LED自転車ライトはライトと電池パックをDCプラグ・ジャックでつないで使うというパターンが多いです。DCコネクター接続ですね。電池パック内には18650と呼ばれる電池が4本入っていて、出力電圧が18650を2本直列につないだものと同じ7.4V前後(満充電時は8.4V)であることが多い。さらに、ライトと電池パックをつなぐDCコネクターは、プラグサイズが外径5.5mm・内径2.1mmという「よく見かけるサイズ」です。なお、ライト側がDCプラグでバッテリーパック側がDCジャックになっているのも共通しています。ただし、これ以外のライトも存在していると思いますので、購入・使用時はご注意ください。

 電池パックの電圧もほぼ共通ですし、使われているDCコネクターは多くの製品で外径5.5mm・内径2.1mmのDCプラグ・ジャックです。なるほど、中華LED自転車ライトが身近に感じられるのは、安さ以外にもこういう「暗黙的な共通規格」があるからなのか、とか思った次第。こういうフツーの部品が使われていると、たとえばケーブルはDC延長ケーブルで簡単に延長できますよね。

 ん~イイなあ。特にDCコネクターってのがイイ。単純明快。挿抜簡単。……あ、じゃあ、繰り返し挿抜するケーブルとかを、全部DCコネクターにしたら便利じゃね? とか思い、身近なアレコレをDCコネクター化し始めた筆者なのでした。

ドライブレコーダーをDCコネクター化

 まずDCコネクター化を行ったのは、バイク用のドライブレコーダーです。ユピテルの「BDR-2WiFi」(公式ページ)を使っていますが、コレ、けっこう高価。メーカー税込み価格が4万円。なので、2台のバイクで共有使用しています。

使用中のユピテル「BDR-2WiFi」。スマートフォンとWi-Fi接続して設定や記録動画閲覧ができるバイク用ドライブレコーダーです。バイクの前方にRAMマウントを使って装着しているので、脱着が容易。もう1台のバイクにもRAMマウントを装着していて、このドライブレコーダーを付け替えています。2台のバイクで1台のドライブレコーダーを共有しているというわけです。
ドライブレコーダーの電源はバイクから取っています。共有のため、ドライブレコーダーの電源ケーブルを脱着可能に改造。コネクターとしてエーモンの「カプラー2極(ロック付・110型)」(公式ページ)を使っています。脱着可能にしたことで、共有ができるようになったのに加え、バイクから離れるときに外せるので盗難からも守れます。ドライブレコーダーから伸びるケーブルの太くなっている部分にはヒューズが入っています。

 脱着可能にして2台でシェアできたり盗難防止ができたりしてイイんですが、上の写真のカプラー、ちょっと挿抜しにくいんです。まあ本来は頻繁に挿抜するものではないので、しょうがないんですが。そこでDCコネクター化というわけです。で、とりあえず作ったのが以下のもの。

とりあえず最小限の手間で、ということで、ドライブレコーダーとカプラーの間にDCコネクターを追加しました。ドライブレコーダーから伸びていたケーブルを切り、切った箇所にDCプラグ・ジャックを付けただけ。
DCプラグ(金属端子が見えている側)とDCジャック(金属端子を挿される側)は、それぞれ単体のパーツとして入手できますが、写真のような半完成状態のものでDCコネクター化をするのがお手軽です。ここでは外径5.5mm・内径2.1mmという規格に合ったDCプラグ・ジャックを使用していますが、この「外径5.5mm・内径2.1mm」というのはDCプラグの金属端子サイズを示しています。

 実際に使ってみますと、ドライブレコーダーの脱着がも~の凄くラクになりました♪ 走行中にDCコネクターが外れるということもありません。予想以上に実用的なDCコネクター化です。

 一瞬、電源側にジャックというのは、ちょっと危険をはらむのかな? と思いました。ACアダプターのコードの端にはプラグが付いていますよね。アレはジャックとプラグだと、プラグのほうがショートしにくいからだと思います。電源側の端子がショートしやすいのと危険だという理由。でもまあ、このタイプのDCコネクターはショートしづらい構造ですし、バイクに乗るときは必ずドライブレコーダーを接続しますので、危険はなしと判断しています。

 なお、このドライブレコーダー周辺のカプラーやDCコネクターは、防水性を一切考慮していません。ですが、防水仕様のDCコネクターも売られているようなので、近い内に防水化してみようかな、と考えております。

12Vで使える機器を、モバイルバッテリーとDCコネクターで使う

 前出のバイク用ドライブレコーダーは12Vの直流電源で動きます。単純にバイクの電源が直流12Vなので、ドライブレコーダーもその電源に合わせているわけです。また、クルマの電源も直流12V。トラックやバスなど大きなクルマは12Vの電源を2つ直列にした24V電源ですが、一般的なクルマは12Vです。これはほぼ全世界共通。

 なので、世の中の電気製品には、12Vで使えるものがけっこうあります。クルマやバイクなどに向けた製品。さらに、パーツやモジュールといった単位で見ると、12Vで使えるものが数え切れないほどあります。

 たとえばLED照明モジュール。クルマの電源に接続するだけで使えるLED照明で、自動車車内外の照明や電飾に使うパーツです。こういうDIY向け12V対応モジュールをAmazonやDXなどで探すと、中には拍子抜けするような価格のものも少なくありません♪
 そういうものを買って試したりするのも、筆者の趣味のひとつ。オモシロいので長く続いています。

 さて、前述のDCコネクター化で思いついたのが、こういった12V対応モジュール類の電源。高機能なモバイルバッテリーを、クルマ・バイク向けモジュール用電源として使えそうだな、と。

 たとえばパソコンなどにも充電できる大容量のモバイルバッテリー。あるいは「ジャンプスターター」と呼ばれるエンジン始動用バッテリーのうち、多目的に使えるタイプ。こういうバッテリーからは、たいてい汎用の12Vが出力されていて、その出力コネクターがDCジャックだったりするんです。

Amazonで購入したPoweraddブランドのモバイルバッテリー「Pilot Pro2」。容量23000mAhのモバイルバッテリーで、スマートデバイスへの充電はもちろん、PCにも充電できます。DCジャックがあり、そこから出力される電圧は9V/12V/16V/19V/20Vに切り替えられます。ただし、このDCジャックには外径5.5mm・内径2.1mmプラグを挿せず、外径5.5mm・内径2.5mmプラグに対応しているようです。外径5.5mm・内径2.1mmプラグで使いたい場合、付属のCアダプターを使うか、別途変換アダプターの類が必要です。
2年くらい前に買ったAnkerの大容量バッテリー「Anker PowerHouse」(レビュー記事)。スマートデバイスへの充電ができるほか、ACジャック(交流100V)と12Vのシガーライターソケットを備えます。シガーライタープラグと呼ばれるパーツを使えば、ここから電源を取り出せますね。
3年くらい前に購入したジャンプスターター。クルマやバイクのバッテリーが上がってしまってエンジンがかけられなくなった時、これをバッテリー端子につなぐと車両のスターターが回ってエンジンがかかるという電源です。USB出力ポートがあってスマートデバイスへの充電も可能。DCジャックから出力される電圧は12V/16V/19Vに切り替えられます。

 こういう、12Vの直流が出ているバッテリーを使えば、クルマやバイク用のモジュールの動作テストなどを簡単に行なえます。また、こういったバッテリーは流せる電流も大きく、上のPilot Pro2なら最大4.5A、Anker PowerHouseなら10A流せます。3年前に買ったジャンプスターターは出力電流不明ですが、2Aまでは問題なく流せたことを確認しています。

 ともあれ、このくらい電流を流せると、たとえばクルマ用の明るいLEDランプ類のテスト用電源としても使えます。ということで、これらバッテリーから12Vを取り出せるDCコネクターも作ってみました。

バッテリーのDCジャックから12Vを取り出せるケーブルを作ってみました。先端はワニ口(わにくち)クリップで、これを12V対応モジュールにつないでテストなどします。赤く光っているのは12V対応のテールランプで、12Vの電圧をかけるだけで点灯します。……でも不意にワニ口クリップの先端がショートしたら激ヤバな予感。使用には非常に気を使います。
こちらはDCコネクター化した電気製品の電流計測をお手軽化するためのケーブル。途中の接点にテスターをつないで電流の値を測ります。このテールランプには約150mA流れていることがわかりました。

 かなり便利です。コンセントがない場所でもモジュールのテストができてお手軽♪ 必要な電流をすぐ測れるのもイイ!

 ……あとコレ、自転車とかにクルマ用の12V対応モジュールを搭載するときに、手軽に使える電源としてもイイかもしれません。例えば上の写真の黒いジャンプスターターの質量は463g(実測値)。ペットボトル1本分程度の重さなので、自転車搭載用電源としても悪くないと思います。

 ちなみにこのジャンプスターター、容量13600mAhなので、写真の赤いランプなら約90時間点灯させられる計算になります。ただ電圧の変換ロスやらバッテリーの最低電圧などもありますので、90時間きっちりと点灯するわけではありませんが、1日中余裕で使える容量だとは思います。アリですよね、こういうモバイルバッテリーを12Vで使うスタイル。

 ただ、現在モヤモヤが発生中。自作してきたDCコネクターは、中華LED自転車ライト用のバッテリーパックも電源として使えるように、機器側をプラグにしています。ですが、考えてみたら中華LED自転車ライトのプラグ・ジャックって一般の機器と逆なんですよね。普通は電源側がプラグで、機器側がジャック。それは電源側であるACアダプターのコードの先にはプラグが付いていることからもわかります。

 このままDCコネクター化を進めると、全部フツーとは逆。現在でもモヤモヤしている部分が、DCコネクター化を進めるほどに取り返しがつかなくなってモヤモヤモヤモヤモヤモヤモヤモヤモヤモヤモヤモヤモヤモヤモヤモヤモヤモヤ~ッと気持ち悪さが募るのか!? そう考えると、今からプラグとジャックを入れ替えつつ、中華LED自転車ライトのプラグとジャックも入れ替えようかな~、と思ったりしています。既に作ったものについては、プラグ・ジャックを反転するアダプターを使うという手もありますが……。

 といった感じの、電気製品のDCコネクター化と、12V電気製品のモバイルバッテリー運用。今回はちょっとマニアックな話になってしまいましたが、なかなか便利&実用的ですので、興味のある方はゼヒ……でも時には危険を伴うこともあると思いますので、十分ご注意のうえ、自己責任で行ってください。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。