スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

防水・防塵で頑丈な新型arrows Tabを試してみた

オプション豊富なWindowsタブレット「WQ2/E1」

 富士通クライアントコンピューティングから2020年2月5日に発売された新型Windowsタブレット「arrows Tab WQ2/E1」。教育市場向けの法人モデル「ARROWS Tab Qシリーズ」をベースとした個人向けモデルで、直販サイト「富士通WEB MART」限定発売となっている。

富士通クライアントコンピューティング「arrows Tab WQ2/E1」。10.1インチ(1920×1200ドット/ノングレア液晶)のWindows 10タブレットで、スペックを選んで注文可能なカスタムメイドモデルだ。CPUはCeleron N4000もしくはCeleron N4100、RAMは4GBもしくは8GB、ストレージは64GB~256GBのeMMC。サイズは約262.8×168.7×12.3mm、質量は約610g(ペンを除く)。価格は10万3400円(税込/クーポン適用前)から。

 このマシン、一見フツーっぽいタブレットPCなのだが、ベースモデルが教育市場向けだけあって、耐久性にかな~り優れている。防水で防塵。そして頑丈に作られているのだ。ヤングな方々がガンガン扱っても大丈夫というわけ。でも610g。わりと軽い。

 それから、ちょっとソソるオプションが豊富に用意されている。↓こんな感じ。

左写真が各種オプション。中央と右は「LAN付軽量スリムキーボード」で、これを使うとタブレットPCがクラムシェルノートPCに変身する。このキーボードの後ろ側には有線LANポートもある。

 防水・防塵・高耐久性で、専用オプションもた~くさん。ポートリプリケーターって文字列も久々に見たゼ!!! と、ミョーにソソられたので、実機を借りてイジってみることに。どういう感じで携帯できるのか、キーボードと合体させての使用感はどうかなど、arrows Tab WQ2/E1のモバイル端末的使用感を試してみた。

 ただ、諸事情によりお借りできた端末はベースモデルとなった法人モデル。arrows Tab WQ2/E1とベースモデルでは、インストールされているソフトウェアやカードスロット(法人モデルにはSIMスロットもある)に違いがある。なので、今回はイジり心地や携帯感などを中心にレビューしてみたい。

頑丈、防水・防塵、けっこう持ちやすい

 まずタブレットPC本体の印象だが、持ってみるとその頑丈さがよくわかる。背面から側面にかけて硬質な樹脂で覆われており、四隅にはラバーのような感触のガード部(グリップ)がある。初見で「なるほど~落としても壊れなさそう~」という印象。

 実際、「76cmからの落下試験をはじめ、自動車や電車での移動時に加わる振動を想定した振動試験や、200kgfの全面加圧試験、35.7kgfの一点加圧試験など、高い堅牢性を実現するために厳しい試験を実施」しているそうだ。さすが学校などでラフに扱われることを想定した端末。

 また、防水・防塵設計については、防水等級がIPX5/7/8で、水の噴流を当てたり1~1.5mの水中に30分沈めても大丈夫。防塵等級はIP5Xで、完全な防塵ではないものの有害な影響が出るほどの粉塵が内部に入ることはないというレベル。本体に格納できるスタイラスペンの防滴等級はIPX2で、防滴のレベル。これならアウトドア活動で使うのにも安心できる。

よくあるキレイな仕上げのタブレットPCとは一線を画するデザイン。背面から側面まで硬質でややザラザラした質感の樹脂で覆われ、四隅には衝撃緩和や滑り止めの役目をするラバー的な素材のグリップがある。一見は普通っぽいタブレットだが、よく見ると「頑丈そう」というイメージなのだ。

 そんな感じのゴツめの作りなので、質量はそこそこあって約610g(ペンを除く)。俺が常用している11インチiPad Proが468gなので、それより142gほど重いタブレットになる。のだが、持ってみるとなんかこう軽いような印象に。ゴツさと重さのギャップだろうか? また、このタブレットPCは持ちやすい。具体的にはエッジに指をかけやすく、また本体背面や側面を覆う樹脂表面がややザラザラした質感なので滑りにくい。ゴツめなのに安定的に持っていられる感じ。

本体背面や側面を覆う樹脂の表面は、ややザラザラした質感。これにより持った時に滑りにくい感じ。また、側面のエッジに適度な角度がありつつややザラザラしているので、指がかかりやすい。四隅のラバー的素材も滑りにくさや持ちやすさにつながっている感じがする。

 端末の四隅にはラバー的な滑りにくい素材がある。この部分はグリップと呼ばれるそうだが、これにより端末をどこかに立てかけることもできる。↓こんな感じ。

なるほど~。言われてみれば、タブレット端末って総じて「単体でどこか立て掛けることはできない」ですな。ツルッ、パタン!! と倒れてしまう。でもこのタブレットの場合、けっこういろいろなシチュエーションで立て掛けることができる。なかなか便利♪

 ほか、画面はノングレアタイプ。映り込みが出にくいので屋外でも非常に使いやすい。明るさやコントラストも十分で、昼間の屋外での使用も現実的。さすがに画面に直射日光が当たるような状況での使用は厳しいが、体で影を作るなどすればフツーに使える。

 またこのタブレットPC、本体に付属スタイラスペンを収納できる。ペンはワコム製の筆圧対応品(4096段階)。同タイプのデジタルペンでこのタブレットを使うことも可能だ。

 ペンの書き心地だが、画面がノングレアで微細にザラザラしていることと、ペン先が硬すぎないことで、紙にけっこう近い感覚で書いたり描いたりしていける。ペンが六角形で握りやすいのもイイ感じ。さらに、ペンや本体にはストラップホールがあり、ストラップの役割を果たす紐も付属している。

断面が鉛筆のように六角形のデジタルペンが付属する。ノングレアの画面への書き心地は紙にけっこう近くて好印象。ペンは本体本体側部に収納できる。
ペンの後方や本体左右上部にストラップホールがある。両端にループがある紐が付属し、これを使ってペンと本体を接続でき、ペンの紛失防止となる。完璧ですね~♪

 このペン、いいっすわ~。まあ今時的なWindowsタブレット用のペンとしては普通的スペックではあるのだが、ペンを本体に収納できて落下防止のストラップホールまであるのはナイス!!! あ~でもこういう仕様にしないと教育現場でペン紛失が多発するってことなのかもしれない。

 ただ、ペンについてちょっと違和感が。それはペンの長さ。11cm程度しかないのだ。一般的なボールペンとかは14~15cmあるので、このデジタルペンを持つと「なんか短くて違和感がある」という感覚になる。まあ使いにくいわけでもなく、単なる違和感なんですけどね。

 ほか、インターフェース類は下図のとおり。スタイラスペンスロットやヘッドフォン/マイク端子以外は防水カバーが装着されていて、使用時のみ外す(本体からぶら下がる)という仕様だ。

ボタンやインターフェース類は画面を横向きにした時に本体右方面に集まる仕様。恐らく右利きユーザーがタッチ操作やペン操作をした時に邪魔にならない位置、ということだと思われる。

 ちなみに、使用したベースモデルはRAMが8GBでプロセッサはCeleron N4000だった。処理速度的な雑感を言えば、アプリ起動時やスリープからの復帰時にちょっとモッサリした感じがある。でもアプリ起動が完了して使い始めると、まあフツーにサクサク動くという印象だ。

フォリオカバーも頑丈仕様なのであった

 オプション品もいくつか借りてみた。まずはこのタブレットPCを買ったらきっと必要になる「フォリオカバー」。頑丈なタブレットPCとは言え、携帯時に画面はやはり保護しないとネ。

オプションのフォリオカバー。プラスチックのフレームに端末をセットするタイプで、カバー部分はけっこう硬質。見栄えはわりとフツーだが、触ってみると頑丈な感じがある。質量は約250g。富士通WEB MART価格は税込み9020円。
端末をセットした様子。プラスチックのフレームにガッチリとはまる。もちろんスタンドとして使用可能(角度は固定)。閉じた状態ではカバー裏にあるゴムバンドによりカバーが固定される。

 ゴムバンドでカバーを固定するので、まあ普通に使っていたら「絶対開かない」という安心感があってイイ感じのフォリオカバーですな。他、カバー開閉に応じて端末のスリープと復帰が自動的に行われたりもする。また、上部にはペンホルダーがあり、付属ペンをセットしておけるが、ここもゴム製なので他のペンをセットすることも可能。ともあれ、けっこう頑丈なフォリオカバーなので、端末をこれに入れれば安心感倍増って感じである。

キーボードはヤケに頑丈仕様なのであった

 続いて「LAN付軽量スリムキーボード」。これも一見普通の外付けキーボードって感じなのだが、触れてみるとヤケに硬質。剛性感がかなりあるのだ。

LAN付軽量スリムキーボードは背面に有線LANポートを備えた日本語配列キーボード(86キー)。キーピッチは約17.5mmで、キーストロークは約1.7mm。タブレットPC装着時の最大開閉角度は約125度。キーボードの質量は389g(実測値)で、タブレットPC本体が約610g(ペンを除く)なので、合体時は約1kgのクラムシェルノートPCとして使える。富士通WEB MART価格は税込み1万9470円。
左写真は背面にある有線LANポート。中央はキーボードからタブレットを外す時に使うイジェクトボタン。右はキーボード側のコネクタ部だが、端末を脱着する度に端子がブラシで掃除される機構を備えている。芸が細かい♪

 そーんなには厚みがないのだが、いや~まあしかし高剛性なキーボードである。携帯時はこの硬いキーボード面で画面が保護されるので、まあ絶対画面割れたりすることがなさそう。

 キーボードとタブレットPCの脱着は非常にスムーズ。端末を上から入れればガチャリとはまって安定し、外す時はイジェクトボタンでチャッと端末を取り外せる。マグネット式の脱着機構より手軽でありつつ、安心感や安定感も高く、よくできた作りだと思う。

 キーの打鍵感はいまひとつ。ハッキリ言って少々安っぽい打鍵感だが、フルサイズキーボードに近いサイズなので、普通に実用的だと思う。でも、タッチパッドのクリックボタンが「もうちょっとどうにかして欲しい」という感じのチャチさ。実用的ではあるものの、2万円近くするキーボードなので、全体的にもう少々高級感や快適さが欲しかったところ。

 もうひとつ、キーボード経由でタブレットPCに充電できないのが個人的に残念。タブレットPCの充電は本体側部の防水カバーを外してACアダプターと接続して行うが、毎回防水カバーを外すのはちょっと面倒なのだ。このキーボードにACアダプターを接続し、キーボードにセットしたタブレットPCを充電できれば、キーボードを据え置きの充電台としても使えて便利なのになあ……と思った次第である。

専用のバッグなんかもあるのダ!!!

 最後に「専用キャリングケース」。こんなのまで専用なんだ~、と思って商品説明を読むと、「軽量スリムキーボード[FMV-NKB32]、[FMV-NKB34]、[FMV-NKB40A]のいずれかが必要です」とある。ホントに専用なんスね。

専用キャリングケースのサイズは32×28×4cmといったところ。質量は295g(実測値)。セミハードの樹脂素材ケースで、表面は布のような手触りになっている。開くと独特の凸凹が。ケース底部にペンホルダーがある。富士通WEB MART価格は税込み2200円。
LAN付軽量スリムキーボードと合体したタブレットPCを置くと、バッグ内部のエッジ的凸凹にピッタリとはまった。このまま閉じると、バッグ内部でPCが固定的かつ安定的に保持される。とは言っても若干の余裕があるケースなので、さらにフォリオケースを入れても収まった。そこにさらに専用ACアダプターを隙間に入れても収めることができた。

 2200円なのにけっこうイイ感じに仕上がっている専用キャリングケースなのであった。でもまあ基本的には、LAN付軽量スリムキーボードと合体したタブレットPCを入れるための専用ケースということで、上の写真のようにイロイロ詰め込むのは控えたほうがいいかも。

 てな感じのarrows Tab WQ2/E1とそのオプション品たち。時には防水&防塵&頑丈タブレットPCとして使えて、時にはクラムシェルノートPCとして使えて、オプション品も豊富にあってイロイロとイイ感じなのであった。防水・防塵のタブレットPCに興味のある方は、ぜひジックリとチェックしてみて欲しい。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。