スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」
防水・防塵で頑丈な新型arrows Tabを試してみた
2020年3月16日 06:00
オプション豊富なWindowsタブレット「WQ2/E1」
富士通クライアントコンピューティングから2020年2月5日に発売された新型Windowsタブレット「arrows Tab WQ2/E1」。教育市場向けの法人モデル「ARROWS Tab Qシリーズ」をベースとした個人向けモデルで、直販サイト「富士通WEB MART」限定発売となっている。
このマシン、一見フツーっぽいタブレットPCなのだが、ベースモデルが教育市場向けだけあって、耐久性にかな~り優れている。防水で防塵。そして頑丈に作られているのだ。ヤングな方々がガンガン扱っても大丈夫というわけ。でも610g。わりと軽い。
それから、ちょっとソソるオプションが豊富に用意されている。↓こんな感じ。
防水・防塵・高耐久性で、専用オプションもた~くさん。ポートリプリケーターって文字列も久々に見たゼ!!! と、ミョーにソソられたので、実機を借りてイジってみることに。どういう感じで携帯できるのか、キーボードと合体させての使用感はどうかなど、arrows Tab WQ2/E1のモバイル端末的使用感を試してみた。
ただ、諸事情によりお借りできた端末はベースモデルとなった法人モデル。arrows Tab WQ2/E1とベースモデルでは、インストールされているソフトウェアやカードスロット(法人モデルにはSIMスロットもある)に違いがある。なので、今回はイジり心地や携帯感などを中心にレビューしてみたい。
頑丈、防水・防塵、けっこう持ちやすい
まずタブレットPC本体の印象だが、持ってみるとその頑丈さがよくわかる。背面から側面にかけて硬質な樹脂で覆われており、四隅にはラバーのような感触のガード部(グリップ)がある。初見で「なるほど~落としても壊れなさそう~」という印象。
実際、「76cmからの落下試験をはじめ、自動車や電車での移動時に加わる振動を想定した振動試験や、200kgfの全面加圧試験、35.7kgfの一点加圧試験など、高い堅牢性を実現するために厳しい試験を実施」しているそうだ。さすが学校などでラフに扱われることを想定した端末。
また、防水・防塵設計については、防水等級がIPX5/7/8で、水の噴流を当てたり1~1.5mの水中に30分沈めても大丈夫。防塵等級はIP5Xで、完全な防塵ではないものの有害な影響が出るほどの粉塵が内部に入ることはないというレベル。本体に格納できるスタイラスペンの防滴等級はIPX2で、防滴のレベル。これならアウトドア活動で使うのにも安心できる。
そんな感じのゴツめの作りなので、質量はそこそこあって約610g(ペンを除く)。俺が常用している11インチiPad Proが468gなので、それより142gほど重いタブレットになる。のだが、持ってみるとなんかこう軽いような印象に。ゴツさと重さのギャップだろうか? また、このタブレットPCは持ちやすい。具体的にはエッジに指をかけやすく、また本体背面や側面を覆う樹脂表面がややザラザラした質感なので滑りにくい。ゴツめなのに安定的に持っていられる感じ。
端末の四隅にはラバー的な滑りにくい素材がある。この部分はグリップと呼ばれるそうだが、これにより端末をどこかに立てかけることもできる。↓こんな感じ。
ほか、画面はノングレアタイプ。映り込みが出にくいので屋外でも非常に使いやすい。明るさやコントラストも十分で、昼間の屋外での使用も現実的。さすがに画面に直射日光が当たるような状況での使用は厳しいが、体で影を作るなどすればフツーに使える。
またこのタブレットPC、本体に付属スタイラスペンを収納できる。ペンはワコム製の筆圧対応品(4096段階)。同タイプのデジタルペンでこのタブレットを使うことも可能だ。
ペンの書き心地だが、画面がノングレアで微細にザラザラしていることと、ペン先が硬すぎないことで、紙にけっこう近い感覚で書いたり描いたりしていける。ペンが六角形で握りやすいのもイイ感じ。さらに、ペンや本体にはストラップホールがあり、ストラップの役割を果たす紐も付属している。
このペン、いいっすわ~。まあ今時的なWindowsタブレット用のペンとしては普通的スペックではあるのだが、ペンを本体に収納できて落下防止のストラップホールまであるのはナイス!!! あ~でもこういう仕様にしないと教育現場でペン紛失が多発するってことなのかもしれない。
ただ、ペンについてちょっと違和感が。それはペンの長さ。11cm程度しかないのだ。一般的なボールペンとかは14~15cmあるので、このデジタルペンを持つと「なんか短くて違和感がある」という感覚になる。まあ使いにくいわけでもなく、単なる違和感なんですけどね。
ほか、インターフェース類は下図のとおり。スタイラスペンスロットやヘッドフォン/マイク端子以外は防水カバーが装着されていて、使用時のみ外す(本体からぶら下がる)という仕様だ。
ちなみに、使用したベースモデルはRAMが8GBでプロセッサはCeleron N4000だった。処理速度的な雑感を言えば、アプリ起動時やスリープからの復帰時にちょっとモッサリした感じがある。でもアプリ起動が完了して使い始めると、まあフツーにサクサク動くという印象だ。
フォリオカバーも頑丈仕様なのであった
オプション品もいくつか借りてみた。まずはこのタブレットPCを買ったらきっと必要になる「フォリオカバー」。頑丈なタブレットPCとは言え、携帯時に画面はやはり保護しないとネ。
ゴムバンドでカバーを固定するので、まあ普通に使っていたら「絶対開かない」という安心感があってイイ感じのフォリオカバーですな。他、カバー開閉に応じて端末のスリープと復帰が自動的に行われたりもする。また、上部にはペンホルダーがあり、付属ペンをセットしておけるが、ここもゴム製なので他のペンをセットすることも可能。ともあれ、けっこう頑丈なフォリオカバーなので、端末をこれに入れれば安心感倍増って感じである。
キーボードはヤケに頑丈仕様なのであった
続いて「LAN付軽量スリムキーボード」。これも一見普通の外付けキーボードって感じなのだが、触れてみるとヤケに硬質。剛性感がかなりあるのだ。
そーんなには厚みがないのだが、いや~まあしかし高剛性なキーボードである。携帯時はこの硬いキーボード面で画面が保護されるので、まあ絶対画面割れたりすることがなさそう。
キーボードとタブレットPCの脱着は非常にスムーズ。端末を上から入れればガチャリとはまって安定し、外す時はイジェクトボタンでチャッと端末を取り外せる。マグネット式の脱着機構より手軽でありつつ、安心感や安定感も高く、よくできた作りだと思う。
キーの打鍵感はいまひとつ。ハッキリ言って少々安っぽい打鍵感だが、フルサイズキーボードに近いサイズなので、普通に実用的だと思う。でも、タッチパッドのクリックボタンが「もうちょっとどうにかして欲しい」という感じのチャチさ。実用的ではあるものの、2万円近くするキーボードなので、全体的にもう少々高級感や快適さが欲しかったところ。
もうひとつ、キーボード経由でタブレットPCに充電できないのが個人的に残念。タブレットPCの充電は本体側部の防水カバーを外してACアダプターと接続して行うが、毎回防水カバーを外すのはちょっと面倒なのだ。このキーボードにACアダプターを接続し、キーボードにセットしたタブレットPCを充電できれば、キーボードを据え置きの充電台としても使えて便利なのになあ……と思った次第である。
専用のバッグなんかもあるのダ!!!
最後に「専用キャリングケース」。こんなのまで専用なんだ~、と思って商品説明を読むと、「軽量スリムキーボード[FMV-NKB32]、[FMV-NKB34]、[FMV-NKB40A]のいずれかが必要です」とある。ホントに専用なんスね。
2200円なのにけっこうイイ感じに仕上がっている専用キャリングケースなのであった。でもまあ基本的には、LAN付軽量スリムキーボードと合体したタブレットPCを入れるための専用ケースということで、上の写真のようにイロイロ詰め込むのは控えたほうがいいかも。
てな感じのarrows Tab WQ2/E1とそのオプション品たち。時には防水&防塵&頑丈タブレットPCとして使えて、時にはクラムシェルノートPCとして使えて、オプション品も豊富にあってイロイロとイイ感じなのであった。防水・防塵のタブレットPCに興味のある方は、ぜひジックリとチェックしてみて欲しい。