スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

二つ折りスマートフォン「Galaxy Z Flip」をイジる!!!

たためるスマートデバイスの第二弾がイイ感じ♪

 2019年の10月25日に発売された“折りたためるスマートデバイス”ことサムスン「Galaxy Fold」。たためばスマートフォンとして、広げればタブレットとして使えるユーザビリティで大いに話題になった。

 そして2020年2月28日には、同じくサムスンから“折りたためるスマートフォン”として「Galaxy Z Flip」が発売された。攻めるねぇ~サムスン!!! でも非常に興味深い端末。ということで、わずか数日だが(←大人気過ぎて貸し出し実機が非常に少ないそう)お借りして使ってみた!!!

サムスン「Galaxy Z Flip」は一般的なスマートフォンのような形状だが、中央から縦方向に畳むことができる端末。非常にコンパクトに携行できるふたつ折り端末で、いわばクラムシェル型スマートフォンだ。日本ではauから発売され、au Online Shop価格は税込17万9360円。

 ……今回の折りたたみ端末も高価ですな。でもauの「かえトクプログラム」で購入すれば、Galaxy Z Flip返却時の合計負担額は11万9600円となるので、端末の使い方・考え方次第では「わりとマトモな価格の端末」かもしれない。なお、「かえトクプログラム」についてはコチラの記事がわかりやすい。今時的なクルマの購入方法によくある“残価設定型”の支払い方法ですな。

 てゅーかなんかイキナリお値段の話になったが、も~ちょっと安価ならガッと購入したかったんだけどナ、とか思う俺。できれば買いたいと思うほどGalaxy Z Flipに魅力を感じている次第。ともあれ以降、Galaxy Z Flipについて興味が赴くままにアレコレ書いてみたい。

やっぱり!!! スゲく携帯性がイイ♪

 Galaxy Z Flipは約6.7インチの有機ELディスプレイ(2636×1080ピクセル)を搭載したAndroidスマートフォンで、チップセットはクアルコムのSnapdragon 855 Plusを採用している。RAMは8GBでストレージは256GB。外部メモリーカードには非対応。他スペックについては公式ページをご覧いただきたい。

 で、俺的にまず非常に気になっていたのは携帯性。「この端末って全然かさばらずに携行できるのでは?」と想像していた。実際に手にしてみたら、あらフツーに薄いし、折りたたんでも薄めだし、非常にコンパクトに携行できるのであった。

オープン時のサイズは約縦167.3×横73.6×厚さ7.2~6.9mm。質量は約183g。大画面スマートフォンとしては十分薄いという印象で、重さもわりと平均的。至ってフツーに握れる端末だ。
クローズ時のサイズは約縦87.4×横73.6×厚さ17.3~15.4mm。Galaxy Z Flipは中央ヒンジ部が厚めなので、厚さはこんな数値になっている。
サイズ感はこんな雰囲気。クレジットカードよりは大きいし、ミント菓子のパッケージよりも厚い。のだが、カードやミント菓子のような感覚でバッグやポケットに入れられて、使用時は大画面スマートフォンになって、重くもなくて……と非常に携行性に優れたサイズなのであった。

 俺の場合、スマートフォンは多用するものの、いつもスマートフォンで何かしているという感じではなく、集中して短時間使うというスタイル。使う時だけ手に持って、他の大半の時間はバッグやポケットに入れているので、Galaxy Z Flipの“小さくたためる”という機能性はヒッジョーに魅力的なのだ。この形状なら携行時に画面も保護されるしネ♪ もうこの時点で「こういう感じでたためるスマートフォンがどんどん出てきて欲しい!!!」と熱望している。

 また、後述するが、Galaxy Z Flipはフツーのスマートフォンとしての実用性がフツーにありつつ、折りたためることからくる+αの利便がある。折りたためることで、携帯性と利便性を同時に獲得しているグレイトな端末と言えよう。

中途半端な角度でも使える

 Galaxy Z Flipは折りたためるスマートフォンだが、使用時もその機能性を活かせる。真っ直ぐに開いた状態でも使えるし、中途半端に折った状態でも使える。また、そうした時に従来のスレート型スマートフォンにはなかったメリットがいろいろ感じられる。

 例えばカメラ機能を使えば、Galaxy Z Flipを平らな場所に置き、アウトカメラで前方を撮影できる。端末を手に持たないので、手ブレはナシ。テーブルなどGalaxy Z Flipが置ける場所があれば、三脚でカメラを固定して撮影するのと同等の効果が得られるのだ。

このように折った端末を机上に置けば、手ブレを気にせず撮影できる。これでさらにタイマーを使えば条件の悪いシチュエーションでも完璧にブレのない写真が撮れるだろう。なお、画面は向こう側へ開き過ぎるとパタンと倒れるので、実質的には「どの角度にも開いて置ける」というわけではない。
標準カメラアプリの場合、ある程度端末を折るとUIが変化。ボタンが手前側に集まった使いやすいUIと化す。
Galaxy Z Flipを置いてインカメラで自撮り。Galaxy Z Flipで自撮りする場合、手のひらをカメラに見せるとタイマーモードでシャッターが切れる(手のひらを引っ込める時間がある)。標準と広角の撮影モードがあり、自撮りに便利で、さらに机上などに置けるので自然な姿勢で自撮りできるというわけだ。

 今時的なGalaxyシリーズスマートフォンは、写真がキレイでありつつ美肌とかそーゆー“盛り効果”もかなりスゴい。さらに机上に置いて両手フリーで自撮り可能。広角モードにすると3人くらいの集合自撮り(?)もできるので、いつも自撮りをしている人にとって、Galaxy Z Flipはかな~り魅力的な端末なのではないだろうか。

 ちなみにカメラはアウトカメラが広角(光学式手振れ補正機能あり)と超広角のデュアルカメラで12MP。インカメラは10MPのシングルカメラだが、画角は標準と広角がある。ジックリ試せてはいないが、画質的にも「何を撮ってもだいたいキレイに撮れる」という感じで、スマートフォンのカメラとして受けそうな今時的性能が備わっていると思う。

 Galaxy Z Flipを少し折って使うスタイルは、他にもユーザーの使い方次第でイロイロ役立ちそうだ。例えば折った状態で机上に置けば、対面にいる人が画面表示内容を見ることはないだろう。また、折って手で少し覆うと、周囲から画面を覗かれることもかなり減ると思う。

少し折って使うと、机上にスマートフォンを置いて両手を使う必要がある場合でも、対面の人の視線を気にせずに済む。手で覆うようにすれば、人混みでもより画面の盗み見を防げるだろう。
中途半端に折った状態でも画面中央が著しく見えにくくなるということはない。右写真はマルチウィンドウ表示でGoogleマップとGmailを同時に使っている様子だが、あらまあ、クラムシェルノートPCの上を行くデバイスっぽくて愉快かも!!!

 端末が折れるってだけで、いろいろ新しい利用スタイルが生まれるもんですな。単にコンパクトってだけでなく、なんかスマートフォンの使い方に新しい流れをもたらしてくれたGalaxy Z Flipという気がする。

閉じた状態でも役立つサブディスプレイ

 Galaxy Z Flipの背面カメラの横には「カバーディスプレイ」と呼ばれる約1.05インチの有機ELディスプレイ(300×112ピクセル)がある。折りたたんだ状態でちょいと便利に使えるサブディスプレイですな。

 カバーディスプレイには日時やバッテリー残量、それから通知などが表示されるが、さらにスワイプ操作などで受話や終話もでき、さらにさらに、アウトカメラで自撮りなどする時のファインダーとしても機能してしまう!!! どんな感じで使えるのか、写真と説明文で見ていこう。

カバーディスプレイには日時や通知が表示される。ガラケーのサブディスプレイを彷彿させるが、閉じた状態でちょっと時間や通知が見られるのはやっぱり実用的。
左写真は着信中の表示。カバーディスプレイはタッチ操作ができ、着信中にスワイプ操作などをすれば、端末を開かずにスピーカーホン通話ができたりもする。右写真は端末を閉じた状態でアウトカメラによる自撮りをしている様子。電源ボタン2度押しでこの機能が使える。表示は鮮やかで見やすいが、ファインダーとしては写真の一部しか表示されないので、重要な被写体を中央に入れて撮影するといいだろう。

 なーるほど、ここまでデキるのか、とか思った俺。でもどうせならGalaxy Foldみたいに、閉じた状態でも十分大きな画面が使えるようにしてくれたら良かったのに……とも思う俺なのであった。ともあれ、このカバーディスプレイも便利なのであった。

 Galaxy Z Flipの本体色はミラーパープルとミラーブラックがあり、今回お借りしたのはミラーパープルの方。女性向けかもしれないが、見る角度によって色が微妙に変わり、いや~キレイな色ですな。美しいアクセサリー感覚で携帯することができそうだ。

Galaxy Z Flipのカラーバリエーションはミラーパープルとミラーブラックの2色。

 ふたつ折りということから来る新しい機能性と携帯性が大きな魅力のGalaxy Z Flip。なのだが、防水防塵には非対応で、おサイフケータイにも非対応で、このタイミングで出てくる高価な端末としては5Gにも対応していないなど、微妙に残念な要素もある。しかしやっぱりこういう“風変わりだけどそれが実用性にしっかり結びついている端末”はイジってて楽しいですな♪ 機会があればゼヒ、実機に触れてみて欲しい。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。