スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

Apple Watchはスポーツ用品だったのか!

サイクリングの記録にApple Watch Series 4を使う

 2018年の9月に発売された最新Apple Watchこと「Apple Watch Series 4」(公式ページ)。言わずと知れた「iPhone専用スマートウォッチ」ですね。スマートウォッチの類にはイマイチ食指が動かない筆者なんですが、アレコレと考えた結果「サイクリングApple Watch Series 4がマッチしそう!」と思い、今さらながら購入&使用開始しました。

アップルの「Apple Watch Series 4」。サイズ・素材・カラーなどの違いで多数のバリエーションがありますが、スマートウォッチとしては大きく分けて「GPSモデル」と「GPS + Cellularモデル」の2種類があります。筆者は右写真の「Apple Watch Series 4 シルバーアルミニウムケースとホワイトスポーツバンド 44mm GPSモデル」を購入しました。アップルストア価格は税別4万8800円。

 Apple Watch Series 4の購入理由はサイクリングの記録を残すため。詳細な走行データを記録して後からそれを解析するとかいうのではなく、「あの日はどこをどんな感じで走ったのかな?」と振り返れればいい程度。自転車走行のライフログ的なデータをザックリと残せればいいな、という感じです。

 それを行うには、たとえばスマートフォンとGPSマップ系アプリがあれば、走行日時や走行軌跡のログが残せます。なので、最初はそういうアプリを使ったり、本連載で先週レビューしたGPSロガー「Bad Elf GPS Pro+ BE-2300-GPS」を使っていました。

 しかし、さらなる欲求が。走行中の心拍数を知りたいナ、と。心拍数を抑えめにして走ると長距離走ってもバテないとか翌日体がラクとかいろいろ理由があるんですが、ともあれサイクリング中に心拍数をチェックしたくなりました。

 心拍数を測るには、胸部にベルトで装着する無線式センサーとか、手首に装着すリストバンド式センサーあたりが必要。心拍数の表示や記録には、サイクルコンピューターやスマートフォンアプリが必要です。

 ガチのスポーツ・サイクリストの場合、走行中のGPSログに心拍数にケイデンスにパワーメーターの値などを全部記録してSTRAVA(公式ページ)とかのサービスやアプリを使って管理するのが主流だと思いますが、筆者の目的からすると本格的過ぎ。「あの日はどこをどんな感じで走ったのか」程度のログを残すために、サイクルコンピューターとか心拍数センサーとかアプリとかサービスとかいろいろ考え始めると、面倒くさくてゲンナリしてきます。

 そこで思い浮かんだのが、Apple Watch Series 4。「あ~アレなら心拍数も見られるしGPSログも取れるし、なんか運動時間とか消費カロリーとかそういうのも記録してくれたような……」と。ちょっと調べたら、サイクリングのログをザックリと網羅的に残すにはちょうどいい感じ。さっそくApple Watch Series 4を買って使い始めたというわけです。

 てなわけで以降、Apple Watch Series 4について筆者的レビューを少々。主にサイクリング用途で使ってどうだったのか? みたいな話です。

Apple Watch Series 4使用雑感

 Apple Watch Series 4を使い始めてまず感じたのは、相変わらず初期設定が簡単なこと。Apple Watchの表示をiPhoneで撮影して、iPhoneを近くに置いておけば完了といった感じ。お手軽です。

 それから、表示が大きくタッチ操作も行いやすくなったこと。ケースサイズ44mmのものを買いましたが、以前に使っていた Apple Watch(初代とSeries 2を使用)とは意外なほど操作感が違う。UIがちょっと大きくなった程度なのに、な~んか操作ミスが激減? 前はよくパスコード入力ミス連発してたんですが、そういうのがずいぶん減りました。また、表示項目が多い状態でも、細かな表示が見やすくなり、手首に装着するウェアラブルコンピュータとして実用性が上がったと感じます。

従来機種より表示が大きくなったApple Watch Series 4。UI自体が少し大きくなったので、誤操作がけっこう減ったという気がします。また、細かな表示でも視認性が高くなりました。従来機種から、ほんのちょっとの画面サイズUPですが、使い心地はかなり変わるもんですね~。

 筆者的には、もうひと回り大きくなってくれたら、それはソレで嬉しいかも、と。Apple Watch Series 4は従来機より大きくなり、それが使いやすさにつながっているので、44mmと言わず55mmくらいになってくれれば、さらに見やすく使いやすく、ツイデにバッテリーの保ちも良くなると思います。もっとデカいApple Watchを出して欲しい筆者なのでした。ついでにMacBook Proの17インチ以上のモデルと、iPad Proの15インチとか以上のモデルも出してくれたら、速攻で買うゼと思っている筆者でした。

サイクリング用のロガーとしてどうだった?

 さて、筆者的サイクリング用途にはどうだったのか? 結果から言うと、非常に実用的です。簡単な操作でサイクリングの記録を開始すると、あとは全部Apple Watch Series 4やiPhoneが記録&整理してくれる感じ。ラク~♪ 筆者の用途である「あの日はどこをどんな感じで走ったかを振り返る」をバッチリと叶えてくれつつ、興味深く見られるデータも表示できます。以下に、スクリーンショットと説明文でザッとご紹介しましょう。

Apple Watch Series 4での表示。アクティビティやワークアウトといった活動量を計測・記録できるアプリを中心に使っています。心拍数アプリでリアルタイムの心拍数を表示することも可能。
運動の記録を行う場合、ワークアウトアプリから適切な運動種別を選びます。室内運動から屋外運動まで多種多様な運動種別から選択可能。
ワークアウトでサイクリングを選ぶと、走行軌跡や走行速度や心拍数の記録が始まります。左画像はスクリーンショットを取るために表示させたものですが、実際はサイクリング中に変化する心拍数や平均速度や高度が表示され、なかなか参考になります。記録は途中で一時停止することも可能。
Apple Watch Series 4が計測した活動量は、iPhoneアプリのアクティビティで確認できます。どの日にどの程度活動したかひと目でわかり、それぞれの日の詳細な活動内容も閲覧できます。
Apple Watch Series 4を操作して記録したワークアウトは、それぞれ個別に内容を見ていけます。けっこう細かいデータが見られて、走行距離などもかなり正確。走行軌跡をマップ上で確認することもできます。
走行軌跡をマップ上で確認している様子。左画像の緑ポイントがスタート地点で、赤ポイントがゴール。軌跡は移動速度により色が変わって表示されます。移動速度が速いと緑色に近くなり、遅いと赤色に近くなります。中央画像は二俣尾駅から軍畑駅までの道を速く下っている様子。右画像は奥多摩むかし道の坂を上りつつ展望の良いゴール地点まで走っている様子です。「あーあそこの下りは爽快だった」とか「あの上りはなかなかだった」という記憶が蘇ります。
こちらはiPhoneのヘルスケアアプリの表示例。Apple Watch Series 4などApple Watchが計測した活動量データに加え、ほかのデバイスで計測したデータや、各種アプリで記録したデータなどを統合的に閲覧できます。

 非常に手軽にサイクリングの記録を残せました。閲覧時も表示がわかりやすいので、パッと見でどういうサイクリングだったのかを思い出せます。今さらですが、iPhoneとApple Watchだけでこういう記録が残るって、とても便利ですね~♪

 残念点をひとつ挙げるとすれば、記録したデータを取り出して流用するといったことが難しいことです。たとえばアクティビティアプリ上で走行軌跡をマップ表示できるわけですが、その軌跡データ(GPXデータなど)を取り出してGoogleマップ上に表示させたり編集したりすることはできません。心拍数データなどもそうです。アクティビティアプリやヘルスケアアプリなどだけで扱える、なんというか門外不出のiOS/watchOS専用データになるわけです。なお、各アプリでの表示を画像として書き出すことはできます。

 でもまあ、データはiOSとアプリがしっかり管理して残してくれますので、「全部Apple WatchやiPhoneがやってくれるから、じゃあお任せで!」というスタンスなら非常に安楽。どうしても心拍数データや軌跡データをPC上などで扱いたいという場合、素直に汎用の心拍計やGPSロガーを使えばいいという話なので、現実的に困ることもないでしょう。

 いや~イイですね、Apple Watch Series 4。そうか~Apple Watchはスポーツ用品だったのか~っていうか自転車用品だったのか~、とか思いました♪

急にApple Watchを活用し始めた

 サイクリングを軸にApple Watch Series 4を頻繁に使っている筆者。じつは筆者の場合、Apple Watch Series 4で3本目のApple Watchとなります。初代Apple Watch、Apple Watch Series 2、そしてこのApple Watch Series 4と使ってきました。

 しかし、初代Apple Watchは「通知がうるさい、妙にストレスがたまる、腕時計としても無理がある」といった理由で短期間しか使いませんでした。その話はスタパブログ(関連記事)で書きました。

 Apple Watch Series 2は、Suicaを利用したくて、やや長めに使いました。Apple Payが2016年10月25日に日本国内でサービス開始したのをきっかけに使い始めた感じ。

わ~い! iOS端末でもやっとSuica使えるようになったよーん! 的な流れで「腕時計で支払い」を楽しむべくApple Watch Series 2を使いました。

 ただ、Apple Watch Series 2も、長く使い続けるということはありませんでした。Apple Payは便利なんですが、iPhone単体でも使えますし、手首のApple Watchを決済用リーダーにかざすのが不自然で……フェードアウトするようにApple Watch Series 2を使わなくなり、去年iPad Pro購入時に下取りに出してしまいました。

 で、このApple Watch Series 4ですが、我ながら想定外って感じで活用しています。まずサイクリング用ロガーとしてですが、この用途には必需品となっています。サイクリング時は必ず装着。

 そうしていると、Apple Watch Series 4が逐一アクティビティに対してコメントしてきて、なんかちょっと楽しい。「もうちょっとで今日の分は達成ですよ」的なコメントですね。また運動量が可視化されるのは、達成感があって愉快。そんな感じで、サイクリング時以外にも装着することが増えました。

 あたりまえのことですが、Apple Watchってコンピュータなんですよね。手首装着型ウェアラブルコンピュータ。そしてiPhoneと連携したり、リアルタイムで情報が得られたりもする、スマートウォッチなわけです。そのさまざまな機能を使ってみると、なかなか便利だったり実用的だったり。

Apple Watchはウェアラブルコンピュータ。手首の上でいろいろなアプリを使えます。iPhoneと連携しているので、iPhone上のリソースや機能も利用可能。たとえばiPhone上の音楽を再生したり。
iPhoneに届いたメールを読んだり、Suicaを使ったりもできます。右画像はYahoo!乗換案内アプリを使っている様子。バスの時刻表や発車までの残り時間をApple Watchで確認できます。
Apple Watchをリモコンのように使ってiPhoneで写真を撮ったり、iPhone上の画像を閲覧したりもできます。
こちらは本連載で先週レビューしたGPSロガー「Bad Elf GPS Pro+ BE-2300-GPS」。単体で使えるGPSロガーですが、Apple Watchからログの記録開始・停止などの操作を行えます。

 これらの機能は、どれもiPhoneから使えるもの。Apple Watchなら手首に装着した小さなデバイスからでも使えるというわけですが、それぞれの機能について、筆者はそーんなに必要としていません。使えば便利なんですけど、それら機能を使うためにApple Watchを買って常用するってほどではないんですね。

 でも、サイクリングにはApple Watch Series 4が必須と考えている筆者。絶対に必要なデバイスとなったApple Watch Series 4。頻繁に使うApple Watch Series 4。

 じゃあ、ツイデにApple Watch Series 4で使える便利機能も利用しちゃおっか。というコトで、Apple Watch上でいろいろな機能(アプリ)も使うようになりました。でまあ、使ってみればいろいろ便利。この機能がないと困るってほどではないけれど、使えば便利なので、あれば使うって感じの機能たち。

 なんか、ひとつでも「強い必要性」があると、ほかの機能性についてもリーチしていくモンなんですね。そうして慣れていくと、徐々に生活必需品となっていくのかもしれません。運動のお供としてApple Watch Series 4を使いつつ、様々な便利機能も使っていき、今後の筆者にとってApple Watch Series 4がどういう存在へと変わっていくのか、しばらく見ていきたいと思います。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。