スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

スマホと蜜月な2カメラ・ドライブレコーダー!

狭小の軽スポーツカーにユピテル「DRY-TW9100d」

 ホンダの「S660」(公式ページ)という軽自動車スポーツカーを買いまして。このクルマの楽しさは別記事でレビューしております。年末が視野に入っている時期なので長距離ドライブにはなかなか行けませんが、とても楽しいクルマなので頻繁にドライブしています♪

ホンダの「S660(エスロクロクマル)」。軽自動車で、MR(ミッドシップエンジンのリアドライブ)レイアウトの2シーター・オープンカーです。

 このS660に、とりあえず速攻で装着すべき装備があります。ドライブレコーダーです。事故を起こしたときの資料~証拠映像になる可能性が高いですし、装着していると自ら安全運転をするような効果もあると思っております。S660にはちょこちょこよく乗りますので、事故のリスクもアリガチ。なので、ドライブレコーダーなどの安全系~保険系の装備はやっぱり必須でしょう。煽り運転なども考えて、フロント・リアを撮影できる2カメラのドライブレコーダーを探していました。

 しかしこのS660というクルマ、ドライブレコーダーを装着するスペースが、かな~り限られています。一見すると、フロントやリアの「どこに取り付けられるの?」ってくらいスペースがない。フロントウィンドウ側の視野は狭めたくないですし、リア側のウィンドウも狭小で「どこに装着できるのか?」という雰囲気。

 それでアレコレと2カメラ・ドライブレコーダーを探してきたんですが、ちょうど良さそうなのを発見。ユピテルの「DRY-TW9100d」(公式ページ)です。2018年10月9日発売の製品です。

ユピテル「DRY-TW9100d」。2つのカメラでクルマの前後の映像を撮影し続けられるドライブレコーダーです。ディスプレイ部は持たず、設定や録画映像再生にはスマートフォンやタブレットを使用。そのぶん細身なので、ドライバーの視界を遮らずにセットすることが可能です。右画像はスマホでドライブレコーダー映像をリアルタイム再生している様子。Yupiteruダイレクト価格は税込3万4560円。※画像はメーカーウェブサイトより抜粋。

 ほかにも似た感じの2カメラ・ドライブレコーダーがあったので、しばらく迷っていました。が、ユピテル製品ユーザー会員(ityクラブ会員)だと、16%オフの税込2万9000円で買えることを発見(2018年11月23日現在でもこの価格で買えるようです)。これを知った瞬間サクッと購入しました。てなわけで以降、ユピテル「DRY-TW9100d」の機能や使用感についてレビューしてみたいと思います。

細身・棒状・カメラ向き自在! S660にも無問題で装着♪

 DRY-TW9100dを購入した決め手は、設置の自由度の高さです。カメラは細身・小型で筒状。フロント側もリア側も360度自由に回転し、「さまざまな角度のウィンドウに装着可能」です。
 S660の場合、フロントはわりと角度があるウィンドウですが、まあ一般的。一方、リアはほぼ垂直のウィンドウで、しかも上下幅が非常に狭い。でもDRY-TW9100dなら問題なくマッチするであろうというわけです。ともあれ、カメラ部の構造や車体への取り付け状態などを写真で見ていきましょう。

DRY-TW9100dの主な構成部品。上のケーブル類は、左がフロント・リアのカメラを接続するためのケーブルで、長さは約6mありますので前後ウィンドウ間の距離が長いクルマにも装着可能です。右は5Vコンバーター付き電源直結コードで、長さは約4m。下にあるのがカメラで、小さい方がリア用、大きい方がフロント用です。各カメラは右写真のように3つのパーツで構成されていて、中央のパーツがウィンドウに貼る台座部分。この台座を中心にカメラ部は360度回転可能で、リング状パーツを締めることで角度が固定されます。
こちらはフロント用カメラ。撮像素子は200万画素カラーCMOSで、画角は対角151度。最高で1080P HD(1920×1080/30fps)の動画を撮影できます。真横から見ると、台座パーツの貼り付け面(ウィンドウと同じ面)よりレンズが手前にあることがわかります。ウィンドウ面にカメラが干渉しないので、たとえば垂直のウィンドウでもカメラを装着できます。
フロント用カメラには操作ボタンやmicroSDメモリーカードスロットがあり、左側には電源コネクタやリア用カメラ接続用コネクタがあります。ボタンやスロットが右側に集中していますので、右ハンドル車で扱いやすいインターフェースです。
こちらはリア用カメラ。撮像素子は200万画素カラーCMOSで、画角は対角157度。フロント用カメラと同様に、最高で1080P HD(1920×1080/30fps)の動画を撮影可能。操作ボタン類はなく、フロントカメラと同様に垂直のウィンドウでも装着できる台座・レンズ位置関係です。フロントカメラと専用ケーブルで接続してクルマに装着します。
フロント用カメラを装着した様子。バックミラーの真正面に装着しました。
運転時のドライバー視線では、フロント用カメラはほぼ見えません。棒状の細身カメラなので、フロントウィンドウが狭めのクルマでも視界が遮られず好都合です。
リア用カメラは運転席(車体右側)の真後ろのウィンドウに装着。S660の場合、リア中央のウィンドウは開閉するので中央には取り付けられません。車体左側のウィンドウは、ほんの少し後方視野が得られるので、そこには取り付けたくありません。車体右側のウィンドウはドライバーからほとんど見えませんので、ここに装着しました。

 こんな感じで問題なく装着できました。装着前と装着後で、視界が遮られるようなことがほぼ無いのが非常にイイ感じです。

スマホ必須のドライブレコーダー

 DRY-TW9100dはディスプレイ部がありません。じゃあ、ドライブレコーダーの向きの調節や機能設定、それから録画映像の再生は? それらを行うには、DRY-TW9100dとスマートフォンを併用する必要があります。DRY-TW9100dとスマートフォンをWi-Fi接続し、スマートフォンにインストールした専用アプリ「DRY Remote TypeC」(公式ページ)からドライブレコーダーを扱うカタチ。

 では、DRY Remote TypeCアプリから何ができるか? DRY-TW9100dで録画した映像をスマホで再生したりスマホへダウンロードしたり、あるいはスマホでDRY-TW9100dの各種設定や録画操作を行えます。DRY-TW9100dからのライブ映像をスマホで見ることも可能です。

 実際にDRY Remote TypeCアプリを使っている様子を見てみましょう。スマートフォンはiPhone XS Maxを使っています。

DRY Remote TypeCアプリを使ってDRY-TW9100dからのライブ映像を見ている様子。フロントカメラの映像の左上にリアカメラの映像が乗るカタチで表示されます(録画されるファイルは個別)。縦画面でも横画面でも使えます。走行速度はテキストでもグラフィックでも表示可能。
DRY-TW9100d内に録画保存済みの動画をスマホで再生できます。nmeaファイルも保存されているため、地図上から録画を探して再生することもできます。もちろんDRY-TW9100dからスマホへダウンロードした動画も再生可能。
各種設定をスマホから行えます。動画解像度は「ビデオ解像度」からダイレクトに設定することも、「その他設定」から設定していくこともできます。

 アプリの使用感としては、地図と関連しての動画操作に少々クセがあって慣れが必要という感じですが、他は全体的に平易で扱いやすいです。ライブ映像をスマホで表示するときに僅かに遅延がありますが、実用上問題ないというレベル。ドライブレコーダーからスマホへと動画を転送し、それをスマホ上で編集するなどしてSNSにアップロードしたりできるあたりは、スマホと連携するドライブレコーダーのひとつの魅力です。

 ちなみに、DRY-TW9100dを取り付けてドライブレコーダーが撮影する視野を調整した後は、必ずしもスマートフォンが必要というわけではありません。録画は自動で行われますし、本体上に任意のタイミングで別途録画保存するための手動録画ボタンもあります。また、動画保存先はフロント側カメラに挿したmicroSDカードですので、カードを抜いてPCで動画再生することもできます。さらにmicroSDカードのフォーマットも本体上のボタン操作で行えます。なので、「セットアップ後はスマートフォン連携無しでDRY-TW9100dを運用する」という使い方も、十分に現実的です。

画質はどうか?

 DRY-TW9100dは、フロントカメラ・リアカメラとも最高で1080P HD(1920×1080/30fps)の動画を撮影可能です。リアのみ720P(1280×720)にしたり、フロント・リアとも720P(1280×720)にすることもできます。それぞれのフレームレートは15fpsか30fpsから選択可能。画質の組合せと、録画可能時間の目安は以下のとおりです。

DRY-TW9100dの画質設定(アプリから設定可能)と録画時間の目安。

 では、実際にDRY-TW9100dが撮影した動画を見てみましょう。以下は、フロント・リアとも1080P HD(1920×1080/30fps)で撮った動画です。動画は元のものよりサイズを小さくしてあります(720P)ので、色や明るさのチェック用として見てください。また、元動画からの静止画切り出し(ドットバイドット)も添えましたので、そちらは近距離のクルマのナンバーなどがどの程度認識できるかのチェック用にご覧ください。

上が発色や明るさをチェックするための動画で、下がディテール確認用のドットバイドット切り出し静止画です(以下同様)。これは昼間のフロントカメラ映像で、画像全体が少し白っぽくてコントラストが低めですが、ボディ色(ホワイト)がフロントウィンドウに写り込んだことの影響だと思います。それでも斜め前方を走るトラックにある文字や、前方のゲート表示などは十分読み取れます。
昼間のリアカメラ映像。斜め後ろを走るトラックの文字を読むことができます。また、後続車のナンバーも認識できました。筆者の場合ですが、フロントカメラよりもリアカメラのほうが良好な動画が残ることが多いかも。たぶんウィンドウへの映り込みの違いですね。
こちらは夜間のフロントカメラ映像。ヘッドライトが当たるなどして照らされていれば、近くのクルマのナンバーを認識できます。電光掲示板の文字などは読みやすい感じ。
夜間のリアカメラ映像。後続車のヘッドライトによりディテイルが認識しにくい映像になりました。ヘッドライトを点けた後続車のナンバーが確認できるのは、後続車との距離が4~5m以下になったくらいからのことが多いです。

 全体的に良好な映像が撮れていましたが、夜間のリアカメラ映像はちょっと見づらい感じですネ。DRY-TW9100dを装着した車種が、車高が非常に低いS660(全高1180mm)なので、後続車のヘッドライトがモロにリアカメラのレンズを照らしているのが原因だと思います。ただ、ほかの映像で確認してみますと、後続車が4~5mくらい接近すればほぼ確実にナンバーを認識可能。事故のときの資料~証拠映像として使えると思います。

 といった感じのDRY-TW9100d。クルマのウィンドウにあまりスペースがないけど、フロント・リアの2カメラドライブレコーダーを取り付けたい! というなら、ぜひチェックしてみてください。スマホ連携で映像を見られたり、詳細な設定を行えたりするのも、かなり便利ですヨ♪

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。