スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」
iPhone XS Maxで商品撮影~♪
2018年11月12日 06:00
今時のスマートフォンは写真がキレイ!
最近の新型スマートフォンで撮った写真はとてもキレイ。背景をボカすとか美肌にするとか目を大きくするとか特殊な処理を抜きにしても、スマホで単に撮っただけの写真が美しく感じられます。先日買った最新型iPhoneこと「iPhone XS Max」(レビュー記事)はとてもキレイに撮れる。いや、約1年前の端末である「iPhone X」(レビュー記事)でもかなりキレイに撮れます。
iPhoneの場合、デュアルカメラになったiPhone 7 Plus以降から急激に画質が向上したような印象があります。iPhone 7 Plusは2016年発売ですが、その頃から現在に至る「スマートフォン全体の急激な画質向上」が始まったって感じですネ。
ともあれ、そういう最近のスマートフォンで写真を撮っていると、「これってけっこー仕事に使えちゃうレベルの画質だなあ」と頻繁に思います。筆者的には「スマートフォンで撮った写真をレタッチして縮小して」という前提付きではありますが、Web媒体などあまり高解像度を必要としない用途ならかなりイケちゃうと思います。
写真画質の向上が著しい今時的スマホ。ミラーレス一眼あたりと比べると、まだまだデジタルカメラ専用機のほうがずっと高画質ですが、スマホでもソコソコ撮れちゃうんだから、もっと活用しよう! そう考え、最近は仕事の撮影にスマホも使ってみたりしています。そんなわけで今回は、筆者が行っている「スマホでの商品撮影方法」などについて書いてみたいと思います。スマホでブツ撮りってわけですね♪
机上スタジオをセッティング!
まずは商品撮影っていうか小物撮影の舞台となる「机上スタジオ」をセッティング。と言っても、好みの色のボードを置くとか、背景をすっきり見せるためにやはりボードを置く程度です。
それから光源。照明はなるべく明るい方が好ましいです。暗いと画質的にノイジーになるスマホが多いからです。
また、筆者が感じるところとしては、スマホやデジカメなどデジタルな撮像素子に都合の良い光源は、やっぱり太陽光です。机上スタジオが窓辺にあれば最高(昼間は、ですが)。
人工の光源としては、昼白色の蛍光灯(色温度5000Kくらい)がいいと思います。やや黄色みがかって写ることもありますが、最もクセのない発色をしてくれると感じられます。
LED光源もいいですが、LEDって演色性の高い白色でも、妙に赤が強調されたりすることがあります。以前はプロ向け機材でもそうで、強めの赤の補正で痛い目に遭ってからは撮影用LEDはスルーしています(最近の撮影用LED照明は良くなっているのかもしれません)。
とか言いつつも、白色の光源ならまあだいたいイイんじゃないかと思います。スマホ写真は色味などをかなり「盛ってイイ色に見せる処理」がされていますので、神経質に光源を考えてもしょうがないかも、的な。
それから、多くのケースでスマホを固定するホルダーと三脚の類が必要になると思います。なくても撮れますが、光量が足りないほど手ブレが起きがち。ブレるとライティングや発色がよくても写真自体が台無しになりますので、ぜひ三脚・ホルダー類の使用を!
また、撮影するときは、スマホのフラッシュ機能をオフに! フラッシュ機能を使うと、被写体に違和感のある反射が出たり、コントロールしにくい影が出たりします。オフにしたほうが自然な雰囲気で撮れるでしょう。
けっこう目立つ影が出ちゃいましたネ。でも画質的には上々。細部まで克明に写りました。では、さらに写真をキレイにしていく方向で。
一工夫で写真のキレイさが向上
机上スタジオで撮った写真は、強めの影が出ていて、イマイチって感じですネ。そこで影を消すための工夫を。オススメなのは「レフ板」と呼ばれる、光源からの光を跳ね返して被写体の影部分に当てるためのボードです。専用品もありますが、白や銀のボードなら何でもOK。紙やノートでもいいですし、ボードの類にアルミホイルを貼ったものでも大丈夫です。
では、先ほどの影が出ちゃった被写体を、レフ板を使いつつ再撮影してみましょう。撮影はiPhone Xで。写真は、左が撮ってリサイズしただけのもので、右がレタッチ・トリミング・リサイズしたものです。レフ板を使うにあたって、光源の位置なども調節しています。
レフ板を使うと、最終的な写真の仕上がりがかなり変わってきますね~。レフ板を使う場合、スマホスタンドがあるとレフ板を自立させておけて便利です。
肝心なのはレフ板をどの位置に置いて、どう光を反射させて被写体に当てるか、ですが、率直なところ「被写体がイイ感じに見えるようにする」です。「レフ板 使い方」で検索すれば、教科書的な方法が多々見つかると思いますが、やっぱり結局、「これが良い見栄えだと思う」というのは人それぞれです。アレコレ試しつつ「イイ感じ!」と思える光の当たり方を見つけてみてください。
もっとキレイに撮れるアイテム
スマートフォンとデスクスタンドと背景を隠すボードやレフ板、それから三脚やスマホホルダーがあれば、スマホでブツ撮りができたりするわけですが、より手軽なアイテムもあります。卓上スタジオ的な製品です。
2017年12月7日にエツミから発売された「ドームスタジオ ネオ(S/M/Lの3サイズ)」(公式ページ)があり、良さそうだったのでソレを買って使ってみたら、なかなかナイス。なので、ソレをご紹介しましょう。
これ、光源からの光をソフトにぼかすボックス型のディフューザー。なかに入れた被写体に、光源からの光がわりと均一に当たります。これにより、違和感のある強いコントラストや影が出にくく、被写体全体の色やディテイルがバランスよく写るというわけです。
とても簡単にセットできるわりには、背景もキレイに処理されますし、良好なライティングになります。また、昼間に明るい場所で使っても、上のような光の当たり方になるので、使い方によってはデスクスタンドも不要になります。さらにレフ板を使えば、より多彩なライティングが可能になりますが、レフ板を使わなくても十分イイ感じに光が当たることが多かったりします。
てな感じで、スマートフォンによるブツ撮りを試してきました。っていうか、こんな感じでスマホでブツ撮りして納品している筆者。まだまだ「デジタルカメラさえもスマートフォンの一機能として吸収されてしまう」ことはないと思いますが、それでもどんどん実用性を高めているスマホのカメラ機能。今後も注目しつつ、仕事の撮影にもスマホを使っていきたいと思います。
余談ですが、この記事中の写真で、冒頭のiPhone本体写真および断り書きがない写真は、全てiPhone XS Maxで撮影したものです。けっこーちゃんと撮れてますよね!? ツカエルぜiPhone XS Max!