スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

スマホで耳掃除! 耳の奥まで見える〜♪

サンコー「スマホでWiFi耳かきスコープ」を使ってみた

 以前から気になっていた「耳の穴のなかが見える耳掃除ガジェット」。スマートフォンにUSB接続できる細いカメラで、カメラの先には耳かきがあり、耳のなかの映像をスマホ上で見ながら耳掃除ができるというものです。2018年9月にサンコーからWi-Fi対応版である「スマホでWiFi耳かきスコープ(WIFEARCM)」(公式ページ)が発売されたので、サクッと購入してみました。

サンコーの「スマホでWiFi耳かきスコープ(WIFEARCM)」。先端にマイクロスコープとLEDライトと耳かき用ピックを備えていて、耳のなかの映像をスマートフォンやPCで確認しながら耳掃除ができます。Androidスマートフォン(使用条件あり)やiPhoneで使用でき、AndroidはMicro USB・USB Type-CおよびWi-Fi接続対応、iPhoneはWi-Fi接続で使います。PC(Windows/Mac)とUSB接続して使用することも可能。サンコーレアモノショップ通販価格は税込3980円。

 じつは以前にAndroid対応・有線接続の耳掃除スコープを買ったんですが、うっかりミスで使用中のスマホはその製品に非対応で、使用不能の憂き目に。で、今回はWi-Fi接続にも対応してiPhoneでも使えるようになったということで、リベンジ的に購入したというわけです。

 使ってみた印象から書いちゃいますと、画質がもう一歩とか、耳かきとしてちょっと扱いにくいとか、ピントが合う範囲が狭いとか、少々の使いにくさがあります。でも、これまで見えなかったものがイロイロ見えて、けっこー実用的だし何かと興味深い。イイじゃんコレ! と、なかなかの満足感が得られました。てなわけで以降、この「スマホでWiFi耳かきスコープ」の機能や使用感について書いてみたいと思います。

スマホ&PC対応のマイクロスコープ型耳かき

 まず「スマホでWiFi耳かきスコープ」の概要から。少々前述しましたが、スマホやPCに接続できる棒状のマイクロスコープで、その先端に耳かきを装着できます。USBケーブル付きマイクロスコープ部と、Wi-Fi/電源モジュール部に分かれていて、両方をつなぐとスマホとWi-Fi接続して使えます。マイクロスコープ部単体でも、PCやAndroid端末とUSB接続して使用可能。スマホ側には専用アプリをインストールします。

 対応端末は、Windows 7/8/10およびmacOS High Sierra 10.13.5以上のPC、iOS9.0以上のiPhone/iPad、Android OS4.2以上のAndroidスマートフォン/タブレット。PCはUSB接続のみ、iPhone/iPadはWi-Fi接続のみ、Androidは有線/無線両対応です。ただし、Androidで有線接続して使う場合、OTG機能(USBホスト)・UVC対応である必要があります。

マイクロスコープは130万画素でピントは固定。カメラ先端から約1.4~2cmの範囲でピントが合います。カメラ先端に6個のLEDライト(無段階調光対応)を内蔵。耳かき(イヤーピック)は金属製とプラスチック製が2個ずつ付属し、これらをマイクロスコープ先端に装着して使います。耳かきを外せばマイクロスコープとして使用可能。Wi-Fi/電源モジュール部は2時間で満充電になりますが、連続使用時間の公称値は不明。Wi-Fi/電源モジュール部にUSB給電しながら使うこともできます。なお、Wi-Fi/電源モジュール部裏面には「技適マーク」があり、日本国内にて合法的で使うことができます。右の写真はiPhoneで専用アプリを使って耳のなかを見ている様子です。

 使い方ですが、スマートフォンの場合は専用アプリをインストールし、スマホとスコープを接続する程度でOK。PCの場合はUSB接続するだけですが、Webカメラなどを使えるカメラビューワーソフトが別途必要です。細かな使用法については、コチラにPDF説明書がありますのでご覧ください。

どんな映像が見られる?

 さて、早速このマイクロスコープからの映像を見てみましょう。iPhoneで使った例として話を進めます。iPhoneとマイクロスコープをWi-Fi接続し、iPhone側で「YCamera」アプリ(App Storeプレビュー)を起動すれば使えます。

マイクロスコープの電源を入れ、マイクロスコープとiPhoneをWi-Fi接続。そしてYCameraアプリを起動すれば使い始められます。見ている映像は静止画や動画で残すことができます。静止画の解像度は選択可能(ただし1600×1200は選択不能)ですが、動画の解像度は640×480で固定されるようです(iPhoneの場合)。
これがアプリのメイン画面。左はカメラ未接続状態ですが、画面右に並ぶアイコンが、静止画撮影や動画撮影、保存した動画を見るなどできます。映像の反転や回転も可能。カメラ接続状態だと右のようにマイクロスコープからの映像が映し出されます。

 非常に簡単に使い始められます。続いて、実際に耳の穴のなかを見た映像を。YCameraアプリで撮影した動画から静止画を切り出しています。

金属製耳かきをセットした状態で使うと、こんな映像に。筆者の顔や耳に向けてみましたが、ピントが合うのはカメラ先端から約1.4~2cmの範囲です。その範囲に収まらない映像はかなりボケてしまいます。
耳の穴へイン! 右の耳です。ピントが合う範囲なら、耳のなかのうぶ毛などもけっこうよく見えます。
さらに奥へ。場合によってはLEDライト光量の調節をする必要もあります。右はいちばん奥のほう(届くところ)まで到達したもの。白っぽい耳垢が散見されます。奥にある白いものは恐らく鼓膜だと思います。

 といった感じ。耳かきが装着されている状態だと、ちょっと映像が見にくいですネ。また、一般の耳かきとくらべると、このスコープは太め。さらに耳かきを装着すると「耳かきとしてはかなりゴツめ」なので、あまり耳の奥には入っていきません。

 続いて、PCで使ってみました。耳かき部は取り外して、マイクロスコープだけで耳のなかを見てみます。PCはMacを使用。映像を見るアプリとしてはOS標準のQuickTime Playerを使っています。

QuickTime Playerで撮った動画を切り出しています。QuickTime Playerでは1280×720の解像度で撮れていました。耳かき部分を取り、しかも高解像度だと、より耳のなかが見やすいです。ちなみに、これは左耳。
さらに奥へ。マイクロスコープ部分先端が(耳に入れるには)やや太めなので、鼓膜らしきものは見えるものの、鼓膜間近までは到達できませんでした。

 耳かき部を外した状態では、単純にマイクロスコープとして使えるというわけです。使えると言っても、ピントが合うのはカメラ先端から約1.4~2cmの範囲。カメラで言うところの「ワーキングディスタンス」がとても狭く、さらに手で保持して撮影(というか対象を観察)するのでブレブレに。なかなかキレイな映像にはなりません。でも、マイクロスコープとして使ってみると、普段は見えない世界が覗けて非常に愉快です。実際に耳以外も見てみましょう。

これもQuickTime Playerで撮った動画の切り出しです。左から、指先、頭皮付近、歯。
キーボードのキー、マウスのホイール付近、腕時計文字盤付近。道具類の埃や汚れまで見えます。
化繊の紐、メモ帳に書いた文字、PC用ディスプレイの表示。

 正直、画質はイマイチ……というか色味も良くなくてガサガサした低画質で、手でカメラを持つためブレブレで見づらい感じ。なんですが、どれも初めて見るような映像で、さまざまな対象を観察していて興味深い。楽しい♪ かな〜り遊べるマイクロスコープです。

 ただ、製品名「スマホでWiFi耳かきスコープ」にもある「耳かき」としての使い勝手ですが、正直、わりとツラいものがあります。

 まず、耳かきとしてはゴツめ太め。耳の奥へ入りにくいです。また、やや太めのケーブルや調光部分が手先の動きを邪魔し、耳かきとして扱いづらい感じ。さらにスコープ付き耳かきとして見ると、映像の上下左右がわかりにくく、使いこなすのにけっこう慣れが必要です。

左は普通サイズの耳かきと比べた様子。耳かきとして見るとかなり太いです。細くはないUSBケーブルが出ていて、スコープの近くに調光器があります。ケーブルや調光器の存在が、手先の動きをかなり邪魔します。

 てな感じで、製品名どおり使おうとすると、やや無理がある「スマホでWiFi耳かきスコープ」。なのですが、スマートフォンやタブレットと組み合わせて気軽に使える「マイクロスコープ」としては、かなり遊べます。税込3980円でここまで遊べれば、十分満足できる筆者です。興味のある方は、ぜひこのマイクロスコープでいろいろ観察してみてください♪

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。