スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

フルキーボードなのに折りたためる! 3Eの「TENPLUS」

3つ折りモバイルキーボード「TENPLUS」

 つい最近発売になった3Eの「TENPLUS(テンプラス)」(公式ページ)。マルチOS対応で3つ折りにして携帯できるモバイルキーボードです。でもコレ、単に折り畳めるだけのモバイルキーボードではありません。なんとテンキー付きのフルキーボード!

3Eの「TENPLUS」。3つ折りにできるBluetoothキーボードで、畳んだ状態では、だいたいハガキ大。メーカー税別価格は7860円です。ネット通販で税込8480円で購入しました。
英語配列キーボードで、フルサイズキーボードと比べるとキーが小さめ。折りたたみタイプのモバイルキーボードとしては非常に珍しい「テンキー付き」のフルキーボードです。

 これはちょっと珍しい! テンキー付きで一応モバイル用途にも向くキーボードは少々あったりしますが、折り畳めるタイプでテンキー付きってのは見たことナ~イ! そしてテンキー使えたら案外便利かも! というコトで早速購入して使い始めました。てなわけで以降、TENPLUSの機能や使用感をレポートしてみたいと思います。

個性的なTENPLUS

 TENPLUSはけっこー個性的なモバイルキーボードです。具体的には、3つ折りにできてかなりコンパクトに携帯できること、スマートフォンやタブレットのスタンドとして使える専用ハードカバーが付属すること、それからカラーバリエーションもちょっと特徴的です。これらの特徴を写真で見ていきましょう。

TENPLUSは3つ折りタイプのモバイルキーボード。使用時の本体サイズは横278×縦90.5×厚さ12.5mmです。フルサイズのキーボードと比べるとかなり小型なので、その分キーサイズも小さくなっています。
携帯時の横158.6×縦90.5×厚さ15.8mm(メーカー公称値)です。厚さの実測値は14.8mmでしたが、ともあれ携帯するには好都合の薄さです。本体のみの質量は約194gで、質量的にも携帯に有利な感じ。ちなみに、折り畳んだ状態ではだいたい「はがきサイズ」くらいです。
キーボード本体を包むようにカバーするセミハードの保護ケースが付属。キーボード本体はわりとシッカリ折り畳めて、その状態を保ちます。ですので、ケースを使わずキーボード本体のみ持ち歩いても、キーボードが不意に展開してしまうことはほとんどありません。
保護ケースはスマートフォンやタブレットのスタンドとしても使えます。下部ストッパーは引き出せて、端末の角度を調節可能。手持ちの端末で試したところ、10.5インチiPad Proや9.7インチiPad、iPad mini、各種iPhoneを、縦向きにでも横向きにでも立てることができました。写真は、中央がiPad mini、右がiPhone 8 Plusを立てた様子です。
カラーバリエーションはレッド、ホワイト、グレーの3色です。ホワイトのみキーボード面もホワイトになっています。

 イロイロと特徴的なTENPLUS。3Eのキーボード製品(公式ページ)は個性的な機能を持つものが多いですが、製品によってはカラーも個性的です。ブルーがあったりローズがあったり、さらには木目調やコルク模様があったりも。筆者が買ったTENPLUSのカラーはレッドですが、この色、目を惹きます。

レッドはけっこう強めの赤。目を惹くカラーです。

 この赤、けっこーインパクトが大きい感じ。なかなか目立つ色です。ヒンジ部分は樹脂ですが、ほかの赤い部分はアルミニウム製。レッド+金属光沢が合わさって、独特の雰囲気があります。単調な色のモバイル機器が多いなか、鮮烈でイイ感じの色と質感です♪

どんな仕様のキーボード?

 続いてTENPLUSの基本的な仕様などを少々。前述のとおりマルチOS対応のBluetoothキーボードで、対応OSはAndroid4.0以降/iOS9.0以降/WindowsXP以降です。3台のデバイスとペアリングし、fnキーと[Q][W][E]キーいずれかの同時押しで接続先デバイスを変更できます。テンキー部にはNumLockキーがありますが、NumLock機能はiOS端末には非対応。

 キーは英語配列で、キー数は79。キーピッチは約16.5mmですが、テンキー部のみキーピッチ約12.5mmです。標準的なフルサイズキーボードのキーピッチが19mmくらいですので、全体的にややミニサイズのキーというイメージ。なお、キースイッチはパンタグラフ式で、キーストロークは1.5mmくらいです。

 USB充電式(microUSB)で、フル充電までにかかる時間は最長約2時間。フル充電からの連続待機日数は約50日、連続使用時間は約30時間となっています。ほか詳細はTENPLUS公式ページよりご確認ください。

 で、やはり気になるのはキー配列。写真でチェックしてみましょう。各OSに対するキー対応表も掲載しましたので、ご参考までにご覧ください。

ややミニサイズのキーボードですが、ファンクションキーが省略(fnキーと併用で機能)されていることを除けば「ほぼフルキーボード」です。
OS毎のキー対応表(TENPLUS取扱説明書から抜粋)。テンキーパッドに関しては、iOS端末で使用時にはNumLockがONのまま(つまりテンキーは数字入力のみ対応)となります。
fnキー併用時のOS毎のキー対応表(TENPLUS取扱説明書から抜粋)。

使い心地はどうか?

 実際の使用感ですが、筆者の場合は「お~っ、テンキー付き!」みたいな勢いで買っちゃいまして、TENPLUSのキーサイズの小ささはあまり気にしていませんでした。ですが、標準サイズのキーボードを常用している身としては、やはり「快適にタッチタイピングするには小さい」と感じられるキーサイズです。なので、使い始めはその小さを意識しないとミスタイプ連発って感じ。

TENPLUSはフルサイズキーボードを横幅で70%くらいに縮小したサイズ。タッチタイプするにはやや慣れる必要があるかもしれません。

 ただ、少し慣れてくると、まずまず軽快にタッチタイプできるようになります。テンキーは文字キーよりも横方向に圧縮されたキーとなっていて、これも慣れないとタイプしにくいわけですが、慣れてくると「あーテンキーあるとやっぱり便利~♪」という気分に。

 てな感じで、時間とともにまあまあフツーに使えるようになるサイズのキーボードなんですが、「慣れれば」という条件付き。また、慣れれば「フルキーボードを常時携帯可能」というメリットもあります。キーボード全体について「極端に小さい」というわけでもありませんので、そのあたりはぜひ実機に触れてご確認ください。

 テンキーについてですが、数字入力に便利なのに加えて、スマートデバイスに触れずに使い始められるのもちょっと便利。Bluetooth接続のモバイルキーボードは、スマートフォンなど端末がスリープの状態でタイプすると、端末がスリープから復帰します。次いでパスコードをタイプするとロック解除となり使用可能状態に。スリープからの復帰~ロック解除を全てモバイルキーボードから操作できるわけですが、テンキーがあるとパスコードを片手でチャチャッと入力できるので、プチ便利。

 打鍵感ですが、1.5mmくらいのキーストロークがあり、キーインの瞬間にコクッという小さなクリック感があって、キーインの瞬間を確認しつつ打鍵できてまずまず快適。キーが柔らか過ぎることもなく、打鍵音も小さいので、使っていて鬱憤がたまる感じもしません。

 キーボード全体の剛性感も良好です。こういう折り畳みタイプのキーボードでは、キーボードがたわんだり不安定になったりする使いにくさがややアリガチですが、TENPLUSの場合はかなりガッチリしていて安定感・剛性感があります。ヘタなノートPCのキーボードよりしっかりしています。

キーボード背面。キーボード左右端と左右ヒンジ上下の、合計6箇所に机面に接する脚があり、その部分には滑り止めがあります。これにより、キーボードが滑ったりせず、強めの力でタイプしてもキーボードがたわむようなこともありません。キーボード左右端の脚は、折り畳み時に邪魔にならないように格納できます。

 キーボード背面の機構や安定感・剛性感は、ほかの3E製折り畳みキーボードにも見られるものですが、TENPLUSについてもイイ感じ。こういった機構がないモバイルキーボードと使い比べると、使用感の大きな差を生んでいる部分だと感じられます。

 といった感じのTENPLUS。筆者としては「もう一回り大きいとよりタイプしやすい」ということで、やはり微妙にこのミニサイズ感が残念ではありますが、逆にこのミニサイズゆえの携帯性の良さは魅力的です。まあサイズ感についてはユーザーの好み次第ですし、TENPLUSは文字キーが比較的に大きめにつくられているので慣れやすいとは思います。

 あとは8480円という購入価格ですが、頻繁に使うのでなければ「ちょっと高かったかな~」という気もします。これもまた「もうちょっと安ければ」と思ったりも。

 でもまあ、折り畳んでポケットサイズになりつつも、テンキーまで搭載したモバイルキーボード。ほかにはちょっとない存在ですので、興味のある方はぜひ実機に触れて吟味してみてください。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。