法林岳之の「週刊モバイルCATCH UP」

シャオミ「Mi 11 Lite 5G」はFeliCa搭載のスリムなボディでカメラが楽しい

シャオミ「Mi 11 Lite 5G」、約160.5mm(高さ)×75.7mm(幅)×6.8mm(厚さ)、約159g(重さ)、シトラスイエロー(写真)、トリュフブラック、ミントグリーンをラインアップ

 一昨年、2019年末の日本市場参入以来、相次いで新製品を投入してきた中国のシャオミ。

 十分なスペックを搭載しながら、「適正な価格」をキーワードに、ライバルよりも買いやすい価格設定のモデルを投入し、その実力が認められ、2020年からはau向けやソフトバンク向けなど、キャリア向けの専売モデルを展開しはじめている。

 そんな中、今年7月には同社のSIMフリーモデルとして、初のFeliCa搭載を実現した「Mi 11 Lite 5G」が発売された。筆者も実機を購入したので、レポートをお送りしよう。

「適正な価格」を掲げるシャオミ

 市場環境の変化もあり、ここ1~2年、スマートフォンの価格と内容について、敏感なユーザーが少しずつ増えているようだ。

 かつてはできるだけ長く使えるように、もっともハイスペックなモデルを選ぶ傾向が強かったが、最近ではスマートフォンに求めるスペックや機能と価格のバランスを考え、堅実に選ぶユーザーが増えた。その結果、市場全体の売れ筋が変化してきたようだ。つまり、価格が5万円であれ、20万円であれ、その端末がユーザーにどんな価値、どんな体験、どんなメリットをもたらしてくれるのかによって、判断されているわけだ。

 そんな国内市場において、着実に支持を拡大しつつあるのが中国のシャオミだ。元々、中国国内だけでなく、グローバル市場でもシェアを拡大していたメーカーのひとつだが、日本市場への参入は2019年12月と遅かった。

 しかし、昨年6月に発売された「Redmi Note 9S」などから「優れた製品を『適正な価格』で提供する」という方針を明確に打ち出し、ミッドレンジのモデルを中心に、コストパフォーマンスの優れた製品を展開し、国内市場でも徐々に認知されるようになってきた。こうしたシャオミの取り組みは元々、同社のファンだったユーザーだけでなく、携帯電話会社などにも認められるようになり、昨年9月には初のキャリア向けモデルとして、auから「Mi 10 Lite 5G XIG01」が発売され、今年もソフトバンクから2万円前後で購入できる5G対応端末「Redmi Note 9T」が発売されている。

日本向けにカスタマイズ

 今回発売された「Mi 11 Lite 5G」は、オープン市場向けに展開される5G対応のSIMフリーモデルになる。

 ただし、グローバル向けモデルをそのまま持ち込んだわけではなく、後述するようにFeliCaを搭載し、おサイフケータイに対応するなど、日本向け独自仕様をサポートしたオリジナルモデルとして仕上げられている。

 シャオミとしてはすでにソフトバンク向けの「Redmi Note 9T」でFeliCaを搭載した実績があり、技術面はクリアされているが、キャリアが販売するキャリア向けモデルと違い、オープン市場向けの海外メーカー製SIMフリー端末でFeliCaを搭載するケースは、OPPO Reno5 Aなど、ごく一部のモデルに限られており、シャオミとしての本気度を感じさせる。

 ちなみに、シャオミは「Mi 11 Lite 5G」の後に発表されたau向けの「Redmi Note 10 JE」でFeliCa搭載に加え、防水防塵対応にも取り組んでいる。

シャオミスマホのラインアップ

 ところで、以前にも本連載で説明したが、シャオミの端末ラインアップは日本のユーザーにまだなじみがなく、少しわかりにくいので(筆者もよく混乱する)、整理しておこう。

 シャオミのラインアップの内、「Mi」の名が冠されたモデルの内、「Mi MIX」シリーズ(日本未展開)と「Mi」シリーズをプレミアムフラッグシップ、「Mi Note」シリーズと「Mi T」シリーズ(日本未展開)をフラッグシップに位置付けてられている。

 これに対し、「Redmi」の名が冠されたモデルは、「Redmi Note」シリーズをミッドレンジ、「Redmi」シリーズをエントリーに位置付けている。

 国内市場向けには正式に展開されていないが、この他にもインド向けとしてスタートした「POCO」ブランド、シャオミが出資するゲーミングスマートフォン「Black Shark」ブランドなどが存在する。

 今回発売された「Mi 11 Lite 5G」をこの分類に当てはめると、フラッグシップモデルの一翼に位置付けられ、型番としては昨年、auから発売された「Mi 10 Lite 5G」の後継モデルになる。

昨年、auから発売された「Mi 10 Lite 5G XIG01」(左)、今回SIMフリー版で発売された「Mi 11 Lite 5G」(右)の前面。インカメラはノッチからパンチホールに変更された
「Mi 10 Lite 5G XIG01」(左)は左右側面が湾曲した形状であるのに対し、「Mi 11 Lite 5G」(右)はフラットな仕上がり。カメラ部も大きくデザインが変更された
「Mi 10 Lite 5G XIG01」(左)と「Mi 11 Lite 5G」(右)を並べて、下部側から見たところ。背面の形状や厚さが異なることがよくわかる

 FeliCa搭載という日本仕様が盛り込まれているものの、外観やデザイン、サイズなどはグローバル向けに今年3月に発表された「Mi 11 Lite 5G」と共通仕様になっており、おそらくカバー類や保護フィルムなどは共通のものが利用できると推察される。

 価格は販路によって、少し違うが、今月19日にオープンしたシャオミの公式オンラインショップ「mi.comストア」では、4万3800円で販売されているほか、家電量販店やMVNO各社でもほぼ同等の価格で販売されている。

 また、シャオミが元々、中国市場において、通販で拡大した経緯もあり、国内ではAmazonなどのECサイトでの販売に注力してきたため、ユーザーが実機を触る機会が少なかったが、最近ではヨドバシカメラなどの家電量販店にも展示コーナーができており、実機を試すことができる。

約6.8mm、約159gのスリム&ライトなボディ

 さて、外観からチェックしてみよう。

背面は指紋の跡が付きにくいマット仕上げ。触り心地もやや独特

 前述の通り、「Mi 11 Lite 5G」は型番で見る限り、昨年、auから発売された「Mi 10 Lite 5G」の後継モデルという位置付けになるが、デザインセンスはまったく別物となっている。

右側面は指紋センサー内蔵の電源ボタン、シーソー式の音量キーを備える。電源キー内蔵の指紋センサーを利用するため、同梱のクリアカバーは電源ボタン部分は穴が空いている

 ボディを手にして、まず、最初に驚くのがその薄さと軽さだろう。約6.8mmという薄さは最近の端末の中でもトップクラスの薄さで、カメラ部の突起も1.77mmしかない。約159gという重量もボディサイズやディスプレイサイズ、バッテリー容量などを考えると、かなりの軽量級だ。手帳タイプのカバーなどを好むユーザーにとっては、うれしいサイズと言えそうだ。

左側面にはボタンやスロットなどがない

 ちなみに、パッケージにはクリアタイプの保護ケース(試供品)が同梱される。背面は独特な触り心地のマット仕上げで、指紋などの跡が残りにくくなっている。防水防塵については対応しておらず、シャオミの仕様にも記載がないが、日本向けの発表イベントではIP53準拠の防滴防塵対応が謳われており、雨に降られる程度であれば、問題なく、利用できそうだ。

下部には中央にUSB Type-C外部接続端子、ピンで取り出すタイプのSIMカードスロットを備える
上部にはIRブラスターポート(赤外線通信)を備える

ディスプレイの仕様

 ディスプレイは2400×1080ドット表示が可能なフルHD+対応6.55インチAMOLED(有機EL)ディスプレイを搭載する。縦横比20:9のディスプレイは、500万:1のコントラスト比、標準で500nit、高輝度モード時で800nitの明るさのスペックで、DCI-P3広色域をサポートし、HDR10+にも対応する。

 リフレッシュレートは標準60Hzに加え、設定を変更することで、90Hzにも対応するが、その場合はバッテリー消費が増える。ディスプレイ前面にはCorning製Gorilla Glassが採用され、出荷時には実用可能な保護フィルムが貼付されている。

ディスプレイは明るい「ライトモード」、省電力性能に優れた「ダークモード」が選べ、時間設定は日没から日の出に連動させることが可能

 表示関連では有機ELディスプレイ搭載モデルで対応が多いダークモードをサポートし、日没から日の出など、時間帯によって、自動的に切り替える設定にも対応する。読書などに利用するための「読書モード」は、暖色系に切り替えて、ブルーライトを制限する「クラシック」、背景に紙のテクスチャーを追加する「ペーパー」から選ぶことができ、これもスケジュールに合わせて、自動的に設定を変更することができる。適用範囲は[ギャラリー]アプリに限られるが、オブジェクトを識別し、表示効果を調整する「AI画像補正」も搭載される。

 常時オンディスプレイ(Always On Display)も対応しており、標準で多彩なテーマが用意されている。常時オンディスプレイのテーマとホーム画面の壁紙が連動するテーマなどもあり、なかなか演出も凝っている印象だ。

電源ボタン内蔵指紋センサー

 生体認証は本体右側面の電源ボタンに内蔵された指紋センサーを利用した指紋認証、インカメラを利用した顔認証に対応する。

指紋センサーは右側面の電源ボタンに内蔵。指紋認証によるロック解除は、電源ボタンの「タッチ」か、「押す」を選ぶことができる。車載ホルダーなどに固定したとき、本体を前面から左手で触るだけで解除できるように、左手の親指も登録しておくと便利

 外出時のマスク着用が必須とされる現状では、外出時に指紋認証、帰宅時に顔認証が使える方が実用的だ。他機種でも少しずつ採用例が増えきた電源ボタン内蔵の指紋センサーは、画面ロック解除のときに電源ボタンに触れれば、すぐに解除できるため、使い勝手が良い。

顔認証は指紋認証やPIN、パスワードに比べ、安全性が低いが、マスクを着けない自宅などでは便利
顔認証をしたとき、通知内容を表示するか否かなどを設定可能

 Mi 11 Lite 5Gでは指紋認識方法を「タッチ」と「押す」を選べたり、プライバシーパスワードやアプリロックなどにも応用することが可能だ。

バッテリーの仕様

 スリムなボディながら、バッテリーは4250mAhの大容量バッテリーを搭載する。

 33Wの急速充電にも対応し、パッケージには33W充電器も同梱される。

 シャオミから目安となる実使用時間などが公表されていないことは残念だが、今回試用した範囲ではそれほど不足を感じることはなかった。

チップセット

 チップセットは5nmプロセスルールで製造された米Qualcomm製Snapdragon 780Gを搭載する。Snapdragon 780Gは5G対応のミッドレンジ向けチップセットでもっとも高性能とされているが、供給量が少なく、今のところ、Mi 11 Lite 5G以外に搭載するスマートフォンを見かけていない。

 パフォーマンスは昨年のフラッグシップモデルに搭載されていたSnapdragon 865にわずかに及ばないものの、一昨年の主流だったSnapdragon 855と変わらない性能を持つとされる一方、プロセスルールの違いもあってか、省電力性能はSnapdragon 780Gが上回るという。

 チップセットだけでは判断できないが、パフォーマンスや省電力性能、端末価格などを考え合わせると、Snapdragon 780Gは非常にバランスのいいチップセットと言えるのかもしれない。ストレージは6GBのRAM、128GBのROMで、microSDメモリーカードにも対応する。

通信ネットワーク

SIMカードトレイは本体の下部にピンで取り出すタイプを装備。トレイの表裏に2枚のnanoSIMカードを装着するか、表面にnanoSIMカード、裏面にmicroSDメモリーカードを装着する仕様となっている

 ネットワークは5G/4G LTE/3G W-CDMA/2G GSMに対応する。今回試用した範囲では、NTTドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイルの各社のSIMカードを認識し、音声通話とデータ通信が利用できた。5Gについては国内4社に割り当てられたn77/n78に対応する。NTTドコモに割り当てられたn79は対応しないが、グローバルでも一部の国と地域でしか提供されていないバンドのため、本製品に限らず、非対応はしかたないだろう。SIMカードはnanoSIMカードに対応し、デュアルSIMでの利用が可能だが、2枚目のnanoSIMカードはmicroSDメモリーカードとの排他利用になる。

出荷時に設定されてるNTTドコモ網のAPN。NTTドコモのspモードをはじめ、主要なMVNO各社のAPNが登録されている
出荷時に設定されてるau網のAPN。auのLTE NETのほかに、auの5G NET、UQモバイル、mineoなどが登録されている
出荷時に設定されてるソフトバンク網のAPN。mineoやワイモバイルが登録されている
楽天モバイルのAPN

 Wi-Fiについては2.4GHz/5GHzが利用できるIEEE 802.11a/b/g/b/ac/ax対応となっており、Wi-Fi 6対応の無線LAN機器接続時は、Wi-Fiのピクト右下に「6」が表示される。BluetoothはBluetooth 5.2に対応する。

おなじみのFeliCaのアイコンはカメラ部の横にプリントされている

 グローバル向けモデルとの違いになるが、冒頭でも説明したように、国内市場向けに販売される「Mi 11 Lite 5G」はFeliCaを搭載しており、おサイフケータイ対応の各社サービスを利用できる。すでに、モバイルSuica/PASMOの対応機種一覧にも本製品が掲載されている。FeliCaについてはあらためて説明するまでもないが、各社サービスが利用できるほか、リーダー/ライターとしての機能も搭載されているため、Suicaなどの非接触IC搭載カードの残高読み取りなどにも役立つ。

各社のおサイフケータイ対応サービスが利用可能。モバイルSuica/PASMOはすでに対応機種情報に掲載されている

Android 11ベースのMIUI 12を搭載

 プラットフォームはAndroid 11をベースにしたシャオミ独自の「MIUI 12を搭載し、日本語入力にはAndroidプラットフォーム標準の「Gboard」が採用される。

ホーム画面には時計や天気などのウィジェットがレイアウトされる。左にスワイプすると、2ページ目が表示されるが、背景の山の写真が連動するなど、演出も凝っている
ホーム画面にインストールされたアプリが並ぶ「クラシック」のほかに、上方向にスワイプしたときにアプリ一覧が表示される「アプリドロワーを使用」も設定可能

 MIUIはシャオミ製端末に搭載され、Androidプラットフォームのホームアプリよりも広範囲に渡って、カスタマイズされたユーザーインターフェイスになる。

 設定アプリの表示項目や並び順など、独特のユーザーインターフェイスにやや慣れが必要だが、しばらく使っていれば、十分に慣れるレベルのものだろう。

[設定]アプリを起動したときの画面。Androidプラットフォーム標準のものとは文言も項目の配列も異なる
ホーム画面の2ページ目に表示されている[ツール]フォルダーにはシャオミ独自のアプリが登録されている

 Playストアをはじめ、Googleが提供する各サービスも他のAndroidスマートフォンと同じように使うことができ、アプリなども同じものが利用できる。逆に、他製品がGoogleのアプリに統合してきた写真表示用アプリなどは、シャオミ独自の[ギャラリー]アプリが用意されており、使い勝手を優先させている。

 MIUIの初期設定で少し独特なのは、ホーム画面と左にスワイプした続きのページに、インストールしたすべてのアプリが表示されたり、上方向にスワイプしたときに検索メニューが表示される点だが、これらはいずれも[設定]アプリ内の[ホーム画面]で、[デフォルトのランチャー]や[ホーム画面モード]などをカスタマイズすることで、Androidプラットフォーム標準のユーザーインターフェイスに近づけることができる。他機種からの乗り換えで使い勝手を気にするユーザーは、このあたりをチェックしておきたい。

Google Playストアで配信されるアプリのほかにインストールされているシャオミ独自のアプリは[設定]アプリの[システムアプリアップデーター]でアップデートできる

超広角やテレマクロを含むトリプルカメラを搭載

 カメラについては背面左上にメインのトリプルカメラ、ディスプレイ左上のパンチホールにセルフィーカメラを内蔵する。

背面には6400万画素メインカメラを含むトリプルカメラを搭載

 トリプルカメラの内、左上角に搭載されたメインカメラは、1/1.97インチの6400万画素イメージセンサーに、6枚構成のF1.79レンズを組み合わせたもので、4つの画素を1つの画素として光を取り込むビニング機能の「4-in-1スーパーピクセル」に対応することで、暗いところでも明るく撮影することができる。

フロントカメラはパンチホール内に収められている。ディスプレイには出荷時に実使用が可能な保護フィルムが貼付済みだが、パンチホール部分は穴が開けられている

 メインカメラの下側に搭載されているのは、500万画素のイメージセンサーにF2.4のレンズを組み合わせたテレマクロカメラで、メインカメラの約2倍の焦点距離での撮影や3cmまで寄れるマクロ撮影(接写)にも対応する。メインカメラの右隣に搭載されているのが800万画素のイメージセンサーにF2.2のレンズを組み合わせた超広角カメラで、119度の画角でのワイドな撮影が可能だ。

[写真]モード時、タイマーやスーパーマクロを利用するには画面右上のメニューから設定画面を表示する
約3cm~約7cmの範囲内で接写が可能なスーパーマクロ。小さいものを撮るときに便利だ
カメラの「もっと見る」を選ぶと、[夜景]や[タイムラプス]、[デュアルビデオ]などの撮影モードが選べる

 撮影モードとしては、一般的な「写真」「ビデオ」「ポートレート」に加え、設定値を細かく調整できる「プロ」、メインカメラのフル画素で撮影する「64M」、前後のカメラで動画を撮影する「デュアルビデオ」、複数のショートビデオをまとめる「Vlog」などが用意される。マクロ撮影は[写真]モードからパネルを表示して、切り替えなければならないなど、やや操作が煩雑な面もあるが、多彩な撮影モードにより、カメラで撮る楽しみが拡げてくれる印象だ。

もっとも標準的に使うメインカメラで撮影。大きな歪みもなく、自然に撮影できている
メインカメラで高層ビルを撮影
ほぼ同じ場所から超広角に切り替えて、高層ビルを撮影
ポートレートで撮影。背景をぼかし、被写体が際立った写真に仕上がる
モデル:葵木ひな(Twitter:@hina1006ta_aokiボンボンファミン・プロダクション
夜景をメインカメラで撮影
フロントカメラで撮影。セルフィーでも背景をぼかした撮影が可能

 また、編集機能も充実している。空模様を自由にカスタマイズできる「AIスカイスケーピング 3.0」では、空を晴天や雨模様にしたり、雪を降らせたりできるほか、銀河や天の川を描いたり、花火を上げたビデオなどに変換できるなど、撮った写真をさらに楽しむ機能が充実している。これまで撮るだけだったユーザーにも楽しめる機能と言えそうだ。

撮影した写真を使い、「AIスカイスケーピング 3.0」でビルの背景に花火を上げ、動画で保存してみた・この他にも多彩なエフェクトが用意されている

 インカメラはディスプレイ左上のパンチホールに2000万画素のイメージセンサーとF2.24のレンズを組み合わせたものが内蔵され、AIビューティーなどの補正機能に加え、夜景モードもサポートされている。

 ちなみに、撮影した写真やビデオについては、Googleの「フォト」アプリではなく、シャオミ独自の「ギャラリー」アプリを用意されており、複数の写真を選んで、「コラージュ」を作成したり、ショートムービーを生成する「クリップ」などの機能が利用できる。

スリム&ライトのボディに、FeliCa搭載で充実の一台

 グローバル市場では知られた存在でありながら、日本への参入がやや遅かった感の残る中国のシャオミ。しかし、2019年12月の参入以降、同社が得意とするコストパフォーマンスの高さを活かしながら、日本のユーザーが求めるものを分析し、着実に市場への浸透を図ってきた。

パッケージには本体の他に、30W急速充電対応ACアダプタ、USB Type-Cケーブル、Type-C to 3.5mmイヤホンアダプタ、保護ケースなどが同梱される

 今回発売された「Mi 11 Lite 5G」は、5G対応端末としては最薄のスリムボディ、159gという軽量設計ながら、4250mAhの大容量バッテリー、多彩な撮影モードを備えたトリプルカメラを搭載し、日本仕様のひとつである「FeliCa」も搭載するなど、4万円台という価格を超える充実した内容のミッドレンジモデルとして、仕上げられている。シャオミが掲げる「優れた製品を『適正な価格』で提供する」という方向性をしっかりと実感できる一台と言えるだろう。