みんなのケータイ

 グーグルから新しいコミュニケーションアプリ「Spaces(スペース)」がリリースされた。世間一般ではFacebookだ、Twitterだ、Instagramだと、さまざまなSNSが利用されるなか、Ingressをたしなむ紳士淑女には、Google+とハングアウトというグーグル謹製アプリが長らく愛用されている。そこへ登場した「Spaces」はいったいどんなものなのか。

 「小さなグループでの情報共有に便利」と触れ込むSpaces。使い始めてみると、ひとつの部屋のようなもの(これがスペース、ということのようだ)を作って、そのなかで複数のスレッドごとにチャットができる。「〇〇の部屋」とか「△月〇日BBQ」といった名前でスペースを作って、招待したい人にスペースのURLを送ると招待できる。アプリをインストールしていなくても、ブラウザベースで参加できるようで、Google+(G+)アカウントがあればすぐに参加できる。

 招待する相手を間違ってしまった場合、その人の参加を取り消す(キックする)こともできる。ちなみにスペースやメンバーの削除は、開設したオーナーだけができるようだ。こうしたオーナー権限を他のユーザーに付与することはできないようで、Google+のコミュニティよりも少人数の参加者でテーマごと、イベントごとのチャットルームを開設する場合に向いている。マルチデバイスにももちろん対応し、パソコンや複数のスマートフォンで利用可能、通知も届く。今のところ、既読マークのようなものはないようで、情報がきちんと共有されたかどうかは把握しづらいかもしれない。またLINEのようなスタンプは一応あるが、あんまりこう、グッとくるデザインのものは今のところ少ない。またSlackのように他の人が投稿した内容への絵文字でのリアクションはできない。なお、ヘルプによると、ユーザーが参加できるスペースは最大100だそう。

 ある程度使ってみると、「小さなグループでの情報共有」といった狙いはよくわかる。シンプルなチャットアプリよりも特定のテーマにしぼった会話をしやすいし、任意のキーワードですぐログを検索することもできる。G+アカウントで他のユーザーと繋がっていなくても、リンクひとつで招待できるので、G+ユーザーでなくとも扱いやすそう。一方で、他のWebサービスとの連携やオーナー権限の在り方、タスク管理、情報のストックなどは、SlackやTrello、チャットワークスといったサービスのほうが使いやすいように思える。あらためて「Spaces」でなければならない、と感じさせる理由はまだピンときていないが、筆者としては、ハングアウトよりも便利かもなあ……ということで、しばらくは使ってみたいアプリだ。