みんなのケータイ

 ご存知の通り、中国大陸からのインターネット接続はホテルのWi-Fiや、スマートフォン・タブレットなどで利用するモバイルインターネット回線共に各種Googleサービス/Facebook/Twitterなど様々なサービスへのアクセスがブロックされているため、原則としてこれらのサービスを利用することができません。

 これを回避する方法として最も簡単なのは、中国以外の通信事業者が提供するサービスを国際ローミングで利用する方法です。国際ローミング経由でインターネットに接続すれば、中国国内の回線向けに適用されるアクセス遮断を気にせずにインターネットを利用することができます。

 国際ローミングを利用して閲覧制限を回避する方法自体は特に目新しくは無いのですが、データ通信料金が高額になってしまうという問題がありました。例えば、日本の通信事業者の海外ローミングサービスは、1日あたりの上限金額が2980円に設定されています。

中国移動香港のプリペイドSIM。日本のAmazonでも購入可能

 そこで便利なのが、中国以外の地域で販売されているプリペイドSIMカードで中国国内での国際ローミングに対応したもの。中でも、香港の通信事業者「中国移動香港」が発売するプリペイドSIMカードは種類が豊富な上に、日本国内でもAmazonなどのサイトで販売されており、渡航前にカンタンに入手できます。

 中国移動香港の販売するプリペイドSIMカードには、香港と中国の両方の電話番号が付与されるSIMカード「4G/3G 1-Card-2-Number Prepaid SIM Card」や、中国だけでなく日本・韓国・台湾などで4G LTE国際ローミングが利用可能なSIMカード「4G/3G Data & Voice Roaming Prepaid SIM Card」など、多様なプリペイドSIMカードが提供されています。香港での販売価格は100~150香港ドルで、2016年5月現在のレートでおよそ1500円~2000円程度。

中国での1日あたりのローミング料金上限が安い「4G/3G 1-Card-2-Number Prepaid SIM Card」

 データ定額料金はSIMカードの種類によって異なり、安いものでは1日あたり48香港ドル(約700円)~。国内キャリアのローミング料金上限と比べると、約4分の1と非常に安価です。

 ローミング料金の安いSIMカードが入手しやすくなっただけでなく、中国での利用に適したモバイルルーターやスマートフォンも以前と比べて入手しやすくなりました。例えば、ZMI製のモバイルルーター「Battery Wi-Fi」は、国内ではY!mobileから発売されていますが、SIMロックがかけられていない上に、対応する通信方式や周波数帯は中国での利用にも適しています。

「Battery Wi-Fi MF855」は中国でも便利。国内ではY!mobileが取扱い
Battery Wi-Fiを中国で使用
ドコモのGalaxy S6 edgeをSIMロック解除して中国移動香港のプリペイドSIMで使う

 その他の機種では、ドコモが2015年に発売した機種ではGalaxy S6 edge SC-04Gや、Wi-Fi STATION L-01Gなどが中国での4G LTEローミング用にTD-LTEに対応しており、これらの機種をSIMロック解除した上で、前述の中国移動香港のプリペイドSIMカードを挿して中国で4G LTE接続を利用することもできます。

 中国でGoogle/Facebook/Twitterなどを思う存分に使う手段が安価になったこと、また機種の選択肢が増えて便利になったことによって、筆者の中にあった中国への渡航・滞在に対する心理的なハードルは一気に低くなり、従来よりも気軽に中国を訪問することができるようになりました。