みんなのケータイ

 このひと月ほど、メイン端末をHuawei GR5、サブ端末兼モバイルバッテリー代りとしてこのZenFone Maxと付属の「リバースチャージケーブル」を持ち歩いていたのですが、USB電流計を購入したので、どのくらいの電流が流せるのか試してみました。

ZenFone Maxの「リバースチャージ」を使ってHuawei GR5を充電する。大体0.5A程度の電流を流せる(ちなみに使用電流計は上海問屋で購入した「DN-13704」QC2.0対応 USB 電流&電圧チェッカー)。

 バッテリーから流れる電流は接続する機器やその接続状態にもよって違うので、あくまで筆者の試してみた限りの例でしかないわけですが、ほぼバッテリーが空の状態のスマートフォン(Huawei GR5)に接続した場合、ZenFone Maxから充電した場合に流れる電流は約0.5A程度。いくつかの機器に接続してみた感じでは、大体の辺りがZenFone Maxが出力できる電流の最大のようです。

 ちなみに、子供に貸していたPowerIQ対応モバイルバッテリー(Anker Astro E4 第2世代 13000mAh モバイルバッテリー「79AN7925」 5V 3.0A)ですと、Huawei GR5に充電する場合は1.0Aほどの電力が流れます。また、筆者の原稿執筆用PCのUSBからGR5を充電したこともあるのですが、そのときの計測値はZenFone Maxの半分程度、約0.25A程度。モバイルバッテリーの機種にもよるでしょうが、やっぱり本職のモバイルバッテリーは流石にたいしたモノですね。

ちなみに、こちらがモバイルバッテリー(Anker Astro E4)での充電。本物のモバイルバッテリーの出力はZenFone Maxの倍以上あるのはたいしたモノだ

 とはいえ、ZenFone Maxはそれ自体の消費電力が少ないのか、いつでも電池が残っている感じがするので、リバースチャージケーブルさえ持っていれば他の機械も使える安心感があってありがたいのですけどね。先日も子供の野球の応援に1日外出していたときに、前日、メイン端末のHuawei GR5を充電するのを忘れていたので、かなり電池容量が心許なくなったのですが、ZenFone Maxから充電できたので助かったのでした(メイン端末には家族との連絡用にLINEがインストールしてあるので、バッテリーが切れると困るのです)。

 というか、ZenFone Maxは電池もかなりよく保ちますし、スマートフォンとして使い勝手もいいので、もうLINEのアカウントをこっちに移して、メイン端末にしてしまってもいいかなとも思い始めています。ただ、GR5の背面の指紋認証センサーに指を置くだけでロック解除できる機能も便利なので悩みどころではあります。

 使っていて思ったのですが、ZenFone Maxって、モバイルバッテリーの代りにもなるものの、やっぱりスマートフォンとしてよくできているのですよね。ZenFone Max(に限ったことではなくZenFone GoやSelfieなども含めてZenFone全体にそうなのかもしれませんが)の素晴らしいところは、安価なローエンド端末でもちゃんとZenFoneであるところなんじゃないかと思います。ZenFone Maxは特にソフトの面では、ZenFone MaxはZenFone 2から違いがほぼ感じられないほどそのままなんですよね。

ZenFone Maxも他のZenFoneシリーズとソフト面はほぼ同等のものが入っており、同じような操作感で使うことができ、戸惑うことがない。ZenUIを初め、テーマなども共通のものが使える
ASUS Mobile Manager、ASUS Share Link。これらはASUS製のZenFone共通のアプリで、ZenFone Maxでも当然使うことができる。便利なメーカー純正アプリたちだ

 「ZenUI」によるわかりやすい操作系なんかはZenFoneの特徴としてよく紹介記事などでも書かれていますが、あれはZenFone Maxにもそのまま引き継がれていて操作感はほとんど違いがありません。PCからデータを転送するためのShareLinkなども全く同じように使うことができます。プレインストールアプリもZenFone Max独自の機能である「FMラジオ」などが追加されている以外はほぼ同じですしね。

 あと、筆者の気に入っているところでは「テーマ」がありますね。ZenFone、製造メーカーであるASUSがテーマデータを配信していて、これを選ぶことで端末の待受画面やアイコンの絵柄を簡単にユーザーが変えることができるのですが、この辺りは安価なZenFone Maxでもちゃんと使うことができます。

 ちなみに、筆者のお気に入りは、ZenFoneのイメージキャラである「禅太郎(Zenny)」シリーズのテーマなのですが、これは無償で季節ごとに新しいものが配信されていたりします。今回は日本の「桜」がテーマであることもあり、とてもかわいい絵柄です。

 Android搭載端末って、カスタマイズの余地が非常に大きいためか、意外と機種間の違いがあるのが普通だと筆者は思っていました。たとえば、筆者の家族にはソニーのXperiaシリーズを使っている者がいるのですが、バックアップソフトを使おうとしてUSB周りが機種ごとに微妙に違うために苦労していたのを見ましたし、筆者もZenFone 2、Nexus 5と使い、そしてZenFone2からHuawei GR5に乗り換えたのですが、ある機種に搭載されている機能が別の機種にはないというのが意外とあることに戸惑った経験もあります。

ZenFone MaxのSIPアカウント設定。Android 4.4以降標準の機能で、これで050番号のIP電話の着信をスマートフォンで受けられる。Huawei GR5では無効化されていたがそのようなカスタマイズの違いもメーカーによってはある

 ZenFone 2からHauwei GR5にメイン端末を変えたときには、「インターネット(SIP)アカウント」の設定がないことにひっかかりましたし。そう、GR5は、Android 4.4から標準で含まれているSIP関連の機能が無効化されています。筆者は、090で始まる携帯電話の番号だけでなく、050で始まるIP電話も使っているのですが、GR5では標準の通話アプリだけでは050の待受ができないんですね。後から別のSIP通話アプリをインストールして使うこともできるのですが、筆者の場合、これの使い勝手にもどうにもなじめず……。

 話が脱線してしまいましたが、ZenFoneシリーズは初代のZenFone 5から現在のZenFone Maxまで(というか最新機種のZenFone Goなどもそうだと思いますが)、どの機種も主な機能の使い勝手は本当に統一されていて、乗り換えても違和感を感じません。その意味では、古いZenFoneのユーザーが新しい機種もZenFoneにするのは理にかなっているというか、楽だな、と思います。大容量バッテリー内蔵で電池が保って、リバースチャージで他の機械にも電力を分けられる機能がついて、なおかつ安価なZenFoneというのは筆者のようなZenFoneに慣れたユーザーには安心できる乗り換え先かもしれません。

メイン端末とサブ端末での違いは家族連絡用のLINEがインストールされているかいないかの違いだけなのだが……LINEは一アカウント一端末でしか使えないため、このようなことになっていえる

 確かに筆者の場合、ZenFone 5、ZenFone 2と過去に使ってきているため「ZenFone風」に慣れてしまっており、余計にこのZenFone的な味付けが「いい」と感じてしまっている面はあるのかもしれません。ただ、Huawei GR5にもテーマを切り替える機能自体はあるのですが、データ配信本数や、親しみやすいキャラデータを配信している、というソフト面の手厚さを見ると「ああ、やはりソフト面ではZenFoneはすごいなぁ!」と思わざるを得ないのですよね。

 そんなこともあって、最初はモバイルバッテリー代わりに使えればいいや、と思っていたZenFone Maxを筆者は最近スマートフォンとしてとても便利に感じてしまい、正直、複数台持ち歩いているスマホのうち、いっそこいつをメイン端末をこっちにしてしまおうか最近迷っていたりもするこの頃なのです。