みんなのケータイ
モバイルルーターがタッチ対応でスマホっぽく進化
島田純
(2014/3/24 06:00)
ドコモの「Wi-Fi STATION L-02F」、KDDIの「Wi-Fi WALKER WiMAX2+ HWD14」、SoftBankからは「301HW」(イー・モバイル版は「GL10P」)と、2013年後半よりモバイルWi-Fiルーターにタッチパネルを採用した製品が立て続けに登場。Android、iPhoneなどのスマートフォンと同様に、国内で販売されるモバイルWi-Fiルーターもタッチパネルによる操作がスタンダードとなりつつあります。
モバイルWi-Fiルーターがタッチパネルを採用するメリットとしては、ディスプレイに表示された情報を元に操作を行うことができるようになることで、従来の製品と比べて、各種操作や設定の変更が簡単に行えるようになり、異なる「通信モード」の切り替え、端末の設定変更などが、端末単体で操作可能に、一言で言うと非常にスマートフォンに近い操作ができるようになりました(アプリのインストールなどはできませんが)。
例えば、ドコモの「Wi-Fi STATION L-02F」では、従来は端末単体で行うことができなかったAPNの作成・設定などが端末単体で可能になったことで、SIMロックを解除して海外で利用する場合に、ルーター単体でもAPN設定が行えるようになっています。海外の空港のSIMカード販売カウンターでSIMカードを購入し、その場でモバイルWi-Fiルーターなどの設定を行った経験がある方であれば、そのメリットが大きいことが理解いただけるのではないかと思います。APNの作成や設定は、国内のMVNOが販売するSIMカードで利用する際にも便利です。
ただし、SMS送信には対応していないので、SMSによってプラン登録を行うタイプのサービスの場合、SMSが送信できる端末が必要になる。という点は現状と変わりません。2014年3月現在、国内の通信事業者がSMSを使ったプラン登録などに対応していないことを考えると、SMSの送受信に対応したモバイルWi-Fiルーターが国内キャリアから発売される可能性は低そうですが、「端末単体でAPNが設定できるようになった」ことは、タッチパネル採用による大きな進歩と言えます。
その他、タッチパネル対応のモバイルWi-Fiルーターの多くは、単体でソフトウェアの更新が可能になったことで、従来の製品と比べて簡単にソフトウェアの更新ができるようになりました。モバイルWi-Fiルーターのソフトウェア更新は、不具合の修正や通信の安定性改善など、利用する上で重要な更新が含まれることがあり、快適に使うためには大切です。
タッチパネルを採用するモデルが販売開始されることで少々不安だったのは、バッテリーの持ちが短くなることですが、現在各社から発売されている製品は連続通信時間が10時間以上の製品が多くなっており、タッチパネルおよび大型ディスプレイの採用による連続通信時間への影響は、実用上はほとんど気にする必要が無いレベルと言えるでしょう。
タッチパネルに対応するモバイルWi-Fiルーターは、各社より第1弾となる端末が発売されたばかりであり、細かなソフトウェアの作り込みについてはまだまだ改善の余地があると感じることも多いのも事実ですが、タッチパネル操作によって従来よりも操作が直感的に、より簡単になったこと、端末単体で行える設定や操作が増えたことによって、今後どう進化していくのか、非常に楽しみです。