みんなのケータイ
防災にスマホを役立てよう
【iPhone 5】
白根雅彦
(2013/8/29 06:00)
ヤフーの「防災速報」というアプリがある。設定している地域や現在地に警報・注意報の発令、あるいは豪雨の予報などがあるとき、プッシュで通知を受け取ることができるというアプリだ。iPhone/Android両対応なので、持っている人は必ず入れておくことをおすすめしたいアプリだ。
この夏の東京はゲリラ豪雨が頻発しているが、「防災速報」は豪雨の予報もしてくれて、しかも結構精度が高いので、かなり役に立っている。予報を受信しても降らないことがたまにあるが、逆に豪雨がくるのに予報を受信しないことは少ない。雨雲レーダー付きの気象情報アプリと組み合わせれば、傘が役に立たないような豪雨も、うまく雨宿りしてやり過ごすことができる。
通知できる予報や警報、注意報の種類などは、地震なら震度○以上、豪雨なら毎時○mm以上、というように選ぶこともできる。しきい値を低く設定しても、頻繁に通知されすぎて困ることはないが、ほかのアプリと機能がかぶってしまったときなどは、しきい値を低めにしたり、通知をオフにしておくこともできる。ちなみに熱中症予報なんていうものも通知可能だが、今年の夏はそちらもよく受信していた。困ったことに、大活躍である。
似たような機能のモノとしては、ドコモ/au/ソフトバンクが提供している「緊急速報メール(エリアメール)」というサービスもある。地震速報や避難情報など、官公庁が発令する緊急性の高い情報をプッシュで受信できる。
ヤフーの防災速報と機能がかぶっているようにも見えるが、対応機種を持っているのであれば、防災速報と緊急速報メールは併用を強くおすすめしたい。緊急速報メールは、同報送信型の通信を使っているので、どんなに無線ネットワークが混雑している場所でも、基地局が発する1個の信号を、基地局配下のすべての端末が受信できるようになっている。
揺れが到達する前に発令される緊急地震速報は、秒単位で早く受信することが重要なので、ヤフーの防災速報よりも緊急速報メールの方が重要だ。しかし緊急地震速報は揺れの大きい地震でしか配信されないので、そのほかの災害対策として、ヤフーの防災速報も併用する意味がある。
緊急速報メールは、「機能をオンにしておくと通信やGPSでバッテリーの消費が気になる」と心配な方もいるかも知れないが、発令されたエリアの基地局のみが発信する仕組みになっているので、GPSは利用していない。通信方式の関係上、ソフトバンク版iPhoneの場合、オンにしておくとバッテリーを微量ながら消費するが(au版はバッテリーへの影響はない)、なるべくオンにしておこう。
9月1日は防災の日だ。一部の自治体では緊急速報メールの配信訓練が行われる(マナーモードが効かないので、びっくりしないように)。地震やそのほかの災害で、自分の生命や財産の安全を守るのは、日頃の備えがもっとも重要だが、災害が起きた瞬間に正しく行動することも同じくらい重要だ。防災の日を機に、緊急速報メールやヤフーの防災速報など、スマホやケータイを使った防災について学んでおこう。