みんなのケータイ
流行りそうで、なかなか流行らない「おくだけ充電」
【ELUGA P P-03E】
法林岳之
(2013/8/30 06:00)
スマートフォンの不安要素の一つとして、必ず挙げられるのが「電池の持ち」。最近は搭載されるバッテリー容量が大きくなり、プラットフォームの改良や各社独自の省電力機能のおかげで、随分とロングライフになってきたけど、ケータイよりも多機能であるがゆえに、スマートフォンは利用時間も長く、相変わらず、電池の持ちの不足感は続いている。
ELUGA P P-03Eは背面に着脱可能な2600mAhの電池パックを搭載し、充電についてはmicroUSB端子での充電に加え、「おくだけ充電」に対応する。最近はNTTドコモのラインアップでもおくだけ充電対応モデルが増えてきたし、先日、国内向けモデルが発表されたばかりの「Nexus 7(2013)」や「Nexus 4」もワイヤレス充電に対応しており、同じQi規格に対応したワイヤレスチャージャーで充電することができる。ということで、今回はワイヤレスチャージャーに注目してみた。
まず、基本となるのはELUGA P P-03Eに付属のワイヤレスチャージャー。最近はワイヤレスチャージャーが別売の機種もあるけど、ELUGA P P-03Eはケータイからの移行ユーザーを意識していることもあり、パッケージに同梱。しかも従来モデルに引き続き、板状のワイヤレスチャージャーとそれを立てるスタンドを組み合わせたスタイルを採用する。
ワイヤレスチャージャーって、平置きタイプが一般的だけど、あのスタイルって、机の上にスペースを取るので、正直なところ、あまり好きじゃない。これに対し、ELUGA P P-03E付属の組み立てスタイル(って呼んでいいのか?)は、散らかっている机ではスタンドスタイルで使い、机が広ければ、平置きもできるという賢い設計。同様のスタイルは2013年春モデルの「ELUGA X P-02E」や「MEDIAS X N-04E」でも採用されている。
次に、机の上でジャマになる平置きタイプのワイヤレスチャージャー。従来のおくだけ充電対応機種に付属していたもののほかに、パナソニックの「無接点充電パッド QE-TM101」、日立マクセルの「充電ステーション WP-PD10.BK(2台用)」を持っている。パナソニックのものは内部で送電コイルが動いて、端末を位置を探してくれるのに対し、日立マクセルのものは充電できる場所が2カ所あり、2台同時に充電できるという仕様。どちらがいいとは言い切れないけど、パナソニックのものは充電完了後、端末を置きっ放しにして、少し放電した状態になっても充電を再開しないケースがあり、ちょっと不安な感じ。日立マクセルの方は継続充電してくれるみたいだけど、端末のQiマークと充電ステーションのQiマークのおおよその位置を合わせ、LED点灯で充電開始を確認する必要がある。
また、平置きタイプでもコンパクトでジャマにならなさそうなのが夏モデルといっしょに発表されたNTTドコモの「ワイヤレスチャージャー03」。かわいい感じのデザインなんだけど、残念ながら、これは買っていないのでした。
一方、ケータイの縦置きタイプの卓上ホルダのようなワイヤレスチャージャーも販売されている。同じく日立マクセルの「充電ステーション(スタンド型)WP-QIST10BK」のほか、サンワサプライの「ワイヤレス充電スタンド WLC-STN11」などがあり、ボクはサンワサプライのものを机の上に置いて、いろんな機種の充電に使っている。
とまあ、いくつもワイヤレスチャージャーを買ってみたんだけど、ワイヤレス充電そのものに関していえば、流行りそうで、なかなか流行らないというのが正直なところ。実は、ワイヤレスチャージャーのバリエーションも少なくて、家電量販店で探しても展示がなく、店員さんに聞いてみたら、レジ裏の柵から、ようやく商品が出てきた……なんていうことも少なくない。街中でもあまり見かけることはなくて、ボクが立ち寄る範囲で見かけるのは空港のラウンジくらい。ワイヤレスチャージャーの送電出力は5Wなので、端末にしてもワイヤレスチャージャーにしてもあまり機種間の差はなさそうだけど、もうちょっとワイヤレスチャージャー側の環境が整って欲しいところ。ちなみに、ELUGA P P-03Eの場合、充電時間はACアダプタ03(1A出力)で約240分、ACアダプタ04(1.8A)で約190分に対し、ワイヤレス充電は約270分となっている。
また、ELUGA P P-03Eの充電環境について言えば、おくだけ充電対応はいいとして、外出先などではmicroUSB端子にパソコンや充電器をつないで、充電することもあるので、キャップレス防水は採用して欲しかったかな。「パナソニックはNTTドコモ向けにスマートフォンを供給しないのでは?」なんていう報道もあるけど、日本メーカーらしく、今後も「気の利いた工夫」でユーザーを喜ばせて欲しいところです。