GALAXY S IIのSIMロックを解除して海外で使った

2011年8月9日 06:00
(石野純也)
「BtoC」から「BtoP(People)」に舵を切ったことを話すビクター・シュ氏

 先週、ファーウェイが「Vision」という新しいスマートフォンを発表したが、その会見を取材するために中国・北京に渡った。Visionに関しては、同社のCMO(チーフ・マーケティング・オフィサー)のビクター・シュ氏が「日本で発売することを望んでいる」と述べていただけに、今後の動向にも注目していきたい。個人的には、160GBのストレージが無料でもらえるクラウドサービスを、中国以外でも展開してほしいのだが……。

空港のChina Unicomショップ。

 ところで、今回の中国出張には、SIMロックを解除した「GALAXY S II」を持っていった。もちろん、現地のSIMカードを挿して使うためである。キャンペーンが終わってからの海外パケ・ホーダイがやや割高ということもあるが、それ以上に、他国のSIMカードを挿して無事に通信できるか確かめてみたかったのだ。中国は、3キャリアがそれぞれ異なる3Gの通信方式を採用しており、ドコモと同じW-CDMAなのは「China Unicom」だけとなる。このChina Unicomのショップは、北京空港にもあるため、到着後、さっそく立ち寄ってみた……が、なんと3GのSIMカードの販売は午後5時までだという。GSM対応のものなら売っていたが、通信速度などを考えるとスマートフォン用にはしづらい。ないものは仕方がないので、その日は我慢。計画を変更して、翌日、別のChina Unicomショップを訪れることにした。

 次の日立ち寄ったChina Unicomショップでは、「みんなのケータイ」でもおなじみ山根氏の通訳のお陰もあって(英語は全く通じない)、無事にSIMカードをゲットした。が、またもやトラブルが発生。何度設定を変更しても電波をつかまない。後で分かったことだが、店員がどうやら登録を間違えたようだ。言葉の通じない国でSIMカードを買うのは、なかなか一筋縄ではいかない。少なくとも、通信できているかどうかは、店内ですぐに確認すべきだった。

 結果として、さらにその翌日、別のショップで軽く文句を言いつつ(言葉は通じていないが)、2枚目のSIMカードを購入。ようやく、GALAXY S IIで、China Unicomの電波をつかむことができた。ちなみに、プランは50分の無料通話と、300MBのデータ通信ができるもので、料金は120元。1元=約12円だとすると約1440円だ。完全定額ではないが、数日間利用することを考えるとローミングするよりは安くつく。ただし、中国国内の通信になるため、国際ローミングではアクセス可能だったTwitterやFacebookなどの一部サイトが、ブロックされてしまう。ネット利用の主な目的がこれらのSNSという場合は、海外パケ・ホーダイの方が手軽に使えるような気もする。

 このSIMカードをGALAXY S IIに挿したところ、APNも自動的に読み込まれた。ただし、設定には注意が必要だ。筆者の環境では、APNの「認証タイプ」を「PAPまたはCHAP」にしなければならず、初期設定のままだと通信がすぐ切断されてしまった。もし中国で自分と同じような使い方を考えている人は、「設定」→「無線とネットワーク」→「モバイルネットワーク」→「アクセスポイント名」と進み、APN名をタップして「認証タイプ」の項目をチェックしてほしい。

SIMロックを解除したGALAXY S IIにChina UnicomのSIMカードを装着ネットへの接続にはAPNの編集が必要だった

 上述したように、SNSにはつながらなかったが、マップやGmailなどのGoogleサービスが使えるのは、やはり心強い。「Google翻訳」も活躍した。また、今回は普段使いのGALAXY S IIをSIMフリーにしているため、アプリなどの環境は日本にいる時のまま。特別な準備をしなくてもよく、別のSIMフリー端末を用意するよりも手軽だった。仕様上の問題もあってテザリングが利用できなかったのは残念だが、手数料を払ってSIMロックを解除した意義は十分あった気がする。