「GALAPAGOS SQUARE」から3Dゲームをダウンロード

2011年8月10日 06:00
(村元正剛)

 3D機能を使わなくても、その使い勝手には十分満足しているSH-12Cだが、やはり3Dのメリットはとことん享受したい。筆者だけでなく、3D対応のスマートフォンを買った人の多くはそう感じているのではないかと思う。そうしたニーズに応えるべく、端末メーカーのシャープさんは、無料で楽しめる3Dゲームや3Dムービーを用意してくれている。

プリセットされている「GALAPAGOS AQUARE」のアプリから、無料の3Dコンテンツを選んでダウンロードできる

 SH-12Cには、シャープがユーザーにコンテンツなどを提供す「GALAPAGOS SQUARE」というサイトにダイレクトにアクセスできるアプリがプリインストールされている。そこから3Dの動画やゲームのほか、ホーム画面に設定できる壁紙や、日本語入力システムに追加できる絵文字や辞書などを無料でダウンロードできる。

 筆者もときどき利用してはいるが、今のところ「この端末を買ってよかった」と思うほどハマリ度の高いコンテンツには出会えていない。

 3Dゲームは、これまでに「Super3D HighwayChase」というカーレースのゲームと、「Super3D Billiards」というビリヤードゲーム、そして「HamTouch!」というハムスターを育成するシミュレーションゲームをインストールした。いずれも無料で、シャープ製の3D対応端末のユーザーだけがダウンロードできるようになっている。ちなみに「Super3D HighwayChase」と「Billiards」は「GALAPAGOS SQUARE」で検索・選択したあと、「Androidマーケット」に遷移してダウンロードできる仕組み。「HamTouch!」は大手SNSの「Mogabe(モバゲー)」が提供するコンテンツで、ダウンロードする前に「Mobage」への会員登録が必要だった。

 それぞれのゲームの感想を少しだけ述べておこう。「Super3D HighwayChase」は、3D映像の迫力はそこそこ感じられるものの、加速度センサーに対応していないのが残念。画面に表示されるアイコンをタッチして車線変更を行う仕様で、アクセルをふかして加速する、といった臨場感も味わえない。いかにも無料ゲームといった印象で、何度かプレイすると飽きてしまった。

 「Super3D Billiards」は、立体的に見えるビリヤード台が表示され、画面を指でなぞるとキューがボールを狙う角度なども変えられる。最初は「お! これはいいかも」と思ったのだが、実際にプレイしてみると、ボールを撞く前にいちいち撞く力を設定する必要があり、これがなんとも不便。3Dゲームでなくとも、こうしたスポーツゲームでは、画面をタッチする指の力加減などでショットの強弱を決められるのがもはや常識だと思うのだが……。

 「HamTouch!」は、よくあるペット育成ゲームではあるが、機能は豊富で、暇つぶしに楽しむには十分な内容。されど、いかんせん起動が遅い。こうしたゲームは、ホーム画面のウィジェットに設定できると、さらに楽しさがアップするのになぁ~と思ったのが本音だ。

 と、愚痴ばかりを述べてしまったが、いずれも無料で楽しめるのだから、そんなに熱くなって文句を言う資格はない。一つでも満足できるゲームを見つけられた人は、この端末を買ったお得感を味わえるはずだ。

 筆者が残念に感じているのは、コンテンツの質よりも、むしろ使い勝手だ。ユーザーが3Dコンテンツを積極的に楽しむための配慮が今一つ行き届いていないように感じられるのだ。

 「GALAPAGOS SQUARE」を利用するには、事前にメールアドレスやパスワードの登録が必要で、これもやや面倒。Androidスマートフォンの利用には、Googleアカウントの設定が必須で、spモードのパスワードも必要。例えば、「HamTouch!」を利用する場合、さらに「GALAPAGOS SQUARE」に登録し、「Mobage」にも加入しなければならない。これだけで4つのアカウントを持つことになってしまう。パスワードを統一するか、きちんとメモに残して保管しておかないと、収集がつかなくなりそうだ。

 ちなみに、シャープ製のスマートフォンには、「TSUTAYA GALAPAGOS」という電子書籍ストアのアプリもプリインストールされている。同じ「GALAPAGOS」という名前が付いているので、「GALAPAGOS SQUARE」のアカウントでログインできるかと思いきや、「TSUTAYA GALAPAGOS」ではまた別のアカウントを取得する必要が生じた。

 スマートフォンはそもそも個人で利用するもの。契約時に、キャリアに個人情報を提出してあるのだから、端末を使い始めてから利用するサービスでも、spモードメールのアドレスやパスワードを代用でき、利用登録を簡略化できる配慮があればうれしいのだが……。

 もう一つ、SH-12Cは、端末を横向きにすると、自動的に3Dメニューが表示される初期設定になっている。カメラ、YouTube、ワンセグ、内蔵ゲームなど3Dで楽しめるメニューが表示されるのだが、ユーザー任意でダウンロードした3Dコンテンツのアイコンはここには表示されない。3Dメニューにも、任意のショートカットアイコンを追加できると便利なのになぁ~と感じている。

 他メーカーに先駆けて、スマートフォンに3D機能を搭載し、コンテンツ提供にも力を入れているシャープ。その点は大いに評価できる。しかし、ユーザーが本格的に3Dを楽しめるようになるのは、他メーカーからも3D対応端末が発売されて、Androidマーケットから、ごく当たり前に3Dコンテンツを入手できるようになるまで待たなければならないのではないかと感じている。