みんなのケータイ
弱点を工夫でカバーしてきたが、それでも電話をかけづらくなってきた「Rakuten Link」
2024年11月1日 00:00
2020年の本格サービス開始前から楽天モバイルを契約している筆者。契約し続ける最大の理由は「Rakuten Link」だったりします。
Rakuten Linkは元々、「+メッセージ」などと同じRCS(Rich Communication Services)の技術を用い、国内の音声通話やSMSが無料で利用できるコミュニケーションアプリとして提供されてきた経緯があります。そうしたことから筆者もRakuten Linkの利用用途は、提供当初から現在に至るまでもっぱら音声通話を無料でかけるためだったりします。
とはいえその仕組み上さまざまな制約があるのも確かでして、筆者にとって最も大きな制約は、楽天モバイルの電話番号を使う必要があることです。
筆者はiPhoneにメイン回線のSIMと、サブ回線として楽天モバイルのSIMを登録して運用しており、着信用にはメイン回線の電話番号を伝えているのですが、発信にはRakuten Linkを使うため、当然のことながら相手には楽天モバイル回線の電話番号が通知されてしまいます。それゆえ着信相手に「佐野さん、電話番号変えたんですか?」と言われることも少なくありません。
それに付随する制約として挙げられるのが、楽天モバイル回線でデータ通信をしている状態で発信しないと、着信相手に番号が通知されないこと。詐欺電話が社会問題となっているこのご時世、電話番号が非通知ですとそもそも電話を受けてもらえないだけに、電話を使う度にデータ通信の回線を切り替えなければならないのが結構手間だったりします。
それに加えてiPhoneで利用する場合、Rakuten Link以外の相手からの通話着信はiOS標準の「電話」アプリで着信する仕組みに変更されてしまったことも、依然大きな制約の1つです。通話着信にうっかり折り返してしまうと標準の電話アプリでの発信となり、通話料がかかってしまうだけに、リダイヤルには細心の注意を払わなければなりません。
しかしながら「Rakuten最強プラン」であれば、月当たりのデータ通信を3GB以下に抑えていれば月額1078円と、携帯大手が提供する音声通話完全定額オプションより安く済む。それゆえ筆者もこの安さゆえ、一連の制約を受け入れながらも工夫によってそれらをカバーし、Rakuten Linkを使い続けてきました。
具体的には、誤解を招かないよう名刺に発信・着信双方の電話番号を記述しておく、設定画面を呼び出さずにデータ通信回線を切り替えられるようウィジェットを作成する、着信通知は絶対にタップせず、必ず電話アプリの通話履歴からRakuten Linkで発信できるようにする……などです。
ですがここ最近、それら工夫をもってしてもなお、どうにもならない課題が浮上してきました。それはRakuten Linkが通話・SMSのアプリからポータルアプリへと位置付けを変えたことで、電話をかけづらくなったことです。
かつてRakuten Linkを起動すると通話関連の画面が最初に現れていたのですが、現在は楽天グループ関連のサービスにアクセスするためのホーム画面が最初に現れるようになっています。それゆえRakuten Linkで音声通話がしたい筆者の場合、操作にひと手間が増えてしまったのですが、アプリ上で設定が変更できる訳でもなく、この制約は現状回避のしようがありません。
楽天モバイルは黒字化を目指しているだけに、Rakuten Linkのポータル化が収益を増やすための手段であることはよく理解しているのですが、従来の使い方をしていたユーザーからすると、やはり使い勝手が損なわれたと感じてしまうのが正直な所。かつてのようにシンプルに音声通話ができるアプリに戻る日が来ればいいのですが、難しいですかね……。