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「iPhone 15 Pro」に機種変したら、使えなくなるものが思いのほか多かった話

 USB-Cを採用した「iPhone 15 Pro」に機種変更しました。これまでは、PCやiPad、Androidスマートフォン用にUSB Type-Cケーブル、iPhone用にLightningケーブルと、常に最低2つはケーブルが必要でしたが、これからはUSB Type-Cケーブルに一本化できます。筆者の場合、持ち物が多いとその分だけ、忘れたりなくしたりするリスクが高くなるので、持ち歩くケーブルが1つで済むのはうれしい限りです。

 まだいろいろと試したわけではありませんが、モニターなどUSB Type-Cで接続できる機器の活用にも期待が持てます。たとえば筆者手持ちの「Anker PowerExpand+ 7-in-1 USB-C PD イーサネット ハブ」もつなげることができ、SDカードからデータを読み込んだり、有線LANに接続したり、HDMIで出力したりすることができました。「iPhone 15 Pro」は転送速度も最大最大10Gbpsと速いので、PCに動画を取り込むようなシーンでも便利に使えそうです。

USB Type-Cのハブが使えるのはなかなか便利。PCと共用できるので持ち歩くものを減らせます

 一方でLightning端子に接続して使用する製品は、当り前ですがもれなく使えなくなります。試しに家にあるものを集めてみたら、思いのほかたくさんありました。そりゃそうですよね。「iPhone 5」から「iPhone 14」まで、かなり長く採用されていた規格です。Lightningケーブルも、長短様々なサイズのものが出てきました。さっき書いた通り、忘れたりなくしたりするたびに買い足していたら、いつの間にか増えてしまったようです。

 変換アダプターや有線のヘッドフォンなどのアクセサリー類もありました。たとえばLightningをHDMIにつなぐためのアダプター「Lightning - Digital AVアダプタ」は、iPhoneからモニターなどに映像を出力するのに、なくてはならないアイテムでした。確かアップルストアで8000円近くしたはず。でもまぁこれはもう散々使ったので、元は取れたと思うことにします。

 もったいないのは、ほとんど使わなかった「Lightning-SDカードカメラリーダー」と「Lightning - USBカメラアダプタ」です。なぜ購入したのか、今となっては思い出せませんが、カメラからiPhoneにデータを取り込もうと思ったのでしょうか? 今ならほとんど、ワイヤレスでできますけどね。どっちにしても機種変更した今となっては、もう使い道がありません。

 ほかにもLightningケーブル一体型のモバイルバッテリーや、Lightning端子に接続するマイク、同じくプリンターなどもありました。ちなみに、クラウドファンディングで購入したこのプリンターは、先にアプリの方が提供されなくなってしまって、もうとっくに使えません。iPhoneをドッキングして使用する、ちょっとユニークなものだっただけに、早々にサポートされなくなってしまったのは残念でした。

自宅から発掘されたLightningケーブルとアクセサリー。左手前にあるのは、鍵型のLightning-USBケーブルで、あまりにケーブルを忘れるので、常に持ち歩くように購入したもの

 ケーブルを一本化できるなどのメリットはあるものの、いざ機種変更をしてみたら、使えなくなるLightning製品が思いのほか多くて、ちょっともったいなかったなぁという気持ちが湧いてきます。とはいえ規格の変更などで、それまでのものが使えなくなるのは、ハードでもソフトでもよくあること。デジタルデバイスの進化においては仕方のないことだし、逆に無理にサポートしようとレガシーに縛られると、どこかで無理がくるというのは、これまでの歴史が証明しています。だから変わるときはスパッと変わる方がいいんです。

 スマホでいえば、初期のiPhoneに採用されていたDockコネクタがLightningに変更されたときもそうだったし、Androidスマートフォンの多くはmicro USBからUSB Type-Cになりましたが、そのおかげで大容量のバッテリーも高速に充電できるようになり、データの転送速度も速くなりました。

 だからいいんです。いいんですけど……大量のmicro USBケーブルや、実はまだあるDockケーブル、さらに加わったLightningケーブルが、ぎっしり詰まった引き出しを見ると、なんとも複雑な気持ちになってしまうのも事実。いつかまとめて処分しようと思いつつ、そっと閉めてしまう……そんな引き出しがあるのは、きっと我が家だけではないはずです。