みんなのケータイ

身内のApple IDが乗っ取られ、なかなか大変なことになりました

Apple IDの“乗っ取り”にあい、初期化することになったiPhone 12 Pro

 この仕事をしていると、家族からスマートフォン関連の相談を受けることがよくあります……というのは、以前の記事で書きました。家族のみならず友人からも聞かれることが多々あり、内容は「おすすめの機種」「自分に合った料金プラン」などさまざま。あらためて勉強させられるような質問もあります。

※以下、本人とご家族の許諾を得てご紹介します

 でも、親戚(以下、Yさん)から今回届いたメッセージを読んだときは、なんだかイヤな予感がしました。

 というのも、相談の内容が「息子(筆者にとってのいとこ、以下S君)のiPhoneで、『Apple IDの確認』という画面がよく出てくる。『アカウントのロック解除』では末尾07の電話番号を入力するよう求められるが、息子は『末尾07の番号なんて知らない』と言っている」というものだったから。

 いわゆる“乗っ取り”では? と思い、少し調べてみると、やっぱりそれっぽい様子。平日で忙しかったこともあって事情を詳しく聞けず、まずはアップル(Apple)のサポートに連絡するよう伝えました。

 その後Yさんから連絡があり、「サポートに連絡したら、フィッシング詐欺によってApple IDが乗っ取られたとのことだった。息子に確認したところ、数日前に届いた“不在配達通知”のようなメッセージを開き、その中のURLにアクセスしてIDやパスワードを入れてしまったようだ」とのこと。

実際に届いたというメッセージ

 それを聞いて心配になりましたが、YさんやS君とは離れた場所に住んでいることもあり、こちらは何もできず。iTunes Storeでの不正利用防止などの対応をとってもらったとのことで、アップルのサポートとこのままやり取りしてもらうのが良さそうだと判断しました。

 結局、Apple IDが乗っ取られたことで、S君が使っているiPhone 12 Proも初期化せざるを得なくなり、購入時の書類などをなんとか集めて「デバイスのロック解除」を申請したそうです。

 その申請が許可されるのを待っている間に、再びYさんから連絡があり、「今度はLINEが乗っ取られたようだ」とのこと。

 「(S君が)パスワードを使い回している可能性を見落としていた、うかつだった」と思いつつ、今S君が使っているサービスなどのパスワードがApple IDのものと共通であれば、急いで変更するように伝えました。

 LINEのアカウントについては、保護者であるYさんからLINEのサポートへ連絡し、S君のアカウントを復活するよう依頼。しかし最初は「本人からの連絡ではない」と断られ、結局S君から再度依頼することになったようです。

最初は「本人からの連絡ではない」と断られた

 結果的に金銭的な被害はなかったようでひと安心でしたが、いろいろなデータが入ったiPhone 12 Proは初期化することになり、ゲームのデータなど、引き継ぎができなかったものもあった様子。何より、無事に端末の初期化が終わるまでのYさんやS君の不安は、相当大きかったと思います。

iPhone 12 Proは初期化、まっさらな状態から再設定することに

 本誌ケータイ Watchでもたびたび「フィッシング詐欺」に関する注意喚起の記事をお届けしていますが、周囲での被害を聞いたことがなく、正直なところあまり実感がなかった筆者。しかし今回このような事態になり、間接的にではありますが恐ろしさを感じました。

 狡猾な手口の詐欺がなくなることを願いつつ、「いつどこで詐欺にあうかわからない」といった意識は常に持っておきたいと思います。この記事を読んでくださった方々も、どうかお気をつけください……!