みんなのケータイ

親にリユースしてもらうのに「かんたんモード」が便利

【AQUOS sense5G】

 新しもの好きな人や、ガジェット好きな人だと、新しいスマートフォンが発売されるたびに、「次はどれにしようかな」と妄想をふくらませることがあるだろう。数カ月に1度……は無理でも、年に1度くらいの割合で、妄想を現実にすることもある。

 となると、それまで使っていた旧機種をどうするかという問題が出てくる。中古品買取業者に持ち込む方法もあるが、最新機種へのこだわりがあまりない世代の親に使ってもらうという方法もある。

 初期化して渡すのは当然として、次に出てくる問題は「設定」だ。いわゆる「かんたんスマホ」世代が使いやすくしたほうがいい。

 AQUOSシリーズでは、そのあたりがよく考えられている。なにせ「AQUOS便利機能」の「かんたんモード」を使えば、それこそ“かんたん”に、かんたんスマホ化できるのだから。

「かんたんモード」は「AQUOS便利機能」の中にある。一括設定できるのが便利

 かんたんモードでかんたんにできる項目はホーム画面、フォントサイズ、ディスプレイのコントラスト、キーボードなど。

 ホーム画面では、機能についてのテキスト付きの大きくて見やすいアイコンが表示されるほか、かんたんスマホでは物理的に搭載している3件までの連絡先へつながるボタンをディスプレイ上に表示。ホームに表示されていないアプリについては「アプリ一覧」ボタンを配して、アプリリストへと簡単に遷移できるようにしている。

左は通常のホーム画面。右はかんたんモードを設定したホーム画面。白い四角の枠の中にアイコンとアプリ名が表示されていてわかりやすい。ワンタップで電話をかけられるボタンや「アプリ一覧」ボタンも見られる。かんたんモードのホーム画面では、横スクロールできなくなる

 フォントサイズは特大かつ心持ち太字に。はっきりビューではコントラストと彩度、輝度を上げることで、年配者でも見やすく、S-Shoin一括シンプル切替では、表示される文字をほんのり太字にするだけでなく、テンキー以外をグレーと黒から黒と白へと見やすくし、さらにカーソルキーは「◀▶(左向き三角と右向き三角)」から「←→」へと変更される。

左は通常モード、右はかんたんモードでのGoogleマップの表示。かんたんモードではデフォルトで表示される情報量を減らし、文字を大きくし、彩度も上がっている
左が通常モードで右がかんたんモードのソフトキーボード。年配者でも見やすく判別しやすいように工夫されている

 また、長押しと認識する時間も多少長くなる。通常モードでは0.22秒ほどでメニューが出てくるところ、「長押しする時間(長め)」を設定すると約1秒長押ししないとメニューが表示されなくなる。これならボタンをグッと押し込むような操作をしてしまいがちな年配者へも安心して渡せそうだ。

 これらは、どれくらいかんたんにしたほうが良いのか、という相手のレベルに合わせてカスタマイズすることもできるし、ワンタップでまるごとかんたんスマホ化することもできる。

 もちろん、iPhoneでもアクセシビリティ機能内で細かく設定可能。文字の太さ、大きさ、コントラスト比、タッチ調整、サイドボタンのダブルクリックまたはトリプルクリックする感覚の調整などだ。ただ、ワンタップで設定できないぶん「面倒だなぁ」と感じるし、どこまで設定すればよいのかがわかりづらい。しかも、iPhoneはあくまでもiPhoneらしいままなので、「ちょっとクールすぎるわぁ〜」と感じさせてしまいそうでもある。ここらへんは好みの問題なのだろうが。

 手持ちのGalaxy Note 10+もかんたんモード機能を搭載しているが、こちらは逆にカスタマイズがほとんどできない。文字サイズは特大になるし、アイコンは横に3つ並びになり(通常は4つから5つ)、キーボードのコントラストも上がる。唯一、カスタマイズできるのは、長押しの認識時間だけで、それ以外は一括設定だ。

 こうして比べると、AQUOSシリーズのかんたんモードはちょうどいいバランスで作られているなぁと感じる。かんたんに設定できるから親世代に渡すための準備がおっくうにならないし、ちょっとカスタマイズしたいなぁというニーズも満たす。

 もっとも、今回、本原稿を作成するにあたり、長押しでメニューの表示される時間を測ろうとストップウォッチの早押しを試みたところ、反射神経がすっかり衰えていることを実感した。筆者がかんたんモードを使うようになる時期が、もう目前に迫っているのかもしれない。