みんなのケータイ
いろいろと問題が多いソフトバンクオンラインショップ
【Leitz Phone 1】
2021年7月21日 00:00
ソフトバンクオンラインショップでLeitz Phone 1を予約
各社から夏商戦へ向けたモデルが発売されているが、筆者は各携帯電話会社でそれぞれ常に持ち歩いている回線のうち、ソフトバンクの回線についてはLeica(ライカ)の「Leitz Phone 1」を選ぶことにした。筆者はLeicaカメラのファンでもなく、カメラの趣味があるわけでもないが、5月に催されたタッチ&トライで、実機の質感やデザインがたいへん気に入り、ぜひ購入したいと考えていた。
とは言え、「18万7920円」という価格はあまりにも高く、かなり悩んだが、早めに予約しないと、発売直後は在庫がなくなってしまうかもしれないと考え、6月22日にソフトバンクオンラインショップで機種変更を予約した。
クレジットカードでの支払いを直訴
ところで、ソフトバンクオンラインショップについては、昨年5月、本コーナーの「「お手続きはオンラインで……」と言うけれど」でも説明したように、端末購入時で一括払いを選ぶと、支払い方法として、 代引しか選べない という指摘をした。しかも現金のみ受け付けるという、現在の社会環境からはほど遠い制限を敷いている。
オンラインショップで端末を購入する多くの人が分割払いを選んでいるため、一括払いはないがしろにされているのかもしれないが、スマートフォンの場合、商品によっては10万円を超えるものも珍しくないため、配送時の安全面から考えても現金を用意しておくのは、あまり好ましいことではない。
この件については、昨年12月、本誌インタビューで榛葉淳副社長にお会いした際にも「クレジットカードなど、他の手段で決済させて欲しい」とお願いし、 「改善する」 とのお答えをいただいていた。その後、今年はじめにもう一度、他の回線でソフトバンクオンラインショップを利用したが、相変わらずの現金による代引しか選べなかったため、「改善されるのは春以降なのかな」などと考えていた。
商品が到着したが、「なぜ、また代引?」
今回の「Leitz Phone 1」については、発売日当日の7月16日、「商品のご用意ができましたので、本申し込みを実施してください」というメッセージが届いたので、早速、手続きをしてみた。+メッセージに届いたURLをタップし、本申し込みの画面で必要な情報を入力していくと、画面が遷移してもなかなか支払い方法を選択する画面が表示されない。
結局、最後の確認画面で「初月の総額」に 「196,427円」 と表示され、「ソフトバンクまとめて支払い」と同様のしくみで、機種変更する回線の月々の利用料金と端末代金を合算して、決済されることになったと理解した。クレジットカードで払えないのはポイントが付かないため。ちょっと残念だが、ソフトバンクの月々の料金はクレジットカードで支払っているため、そちらでポイントが付与されるだろうから、それで良しとするしかない。
7月16日のお昼頃に本申し込みの手続きを済ませたが、午後に届いたメッセージによれば、配送は7月18日。急ぐものではないけど、本家本元に約1が月前に予約して、案内が届くのが発売日当日、配送されるのが翌々日というスピード感は、他社のオンラインショップと比べてもかなり残念な印象は否めない。
ところが、いざ、配送日当日になると、そんな些細な印象を吹き飛ばすようなことが起きる。お昼過ぎ、宅配便の配達員が商品を届けに来たのだが、なぜか 現金のみの代引 だという。発送元はソフトバンクオンラインショップなので、中身は言うまでもなく、「Leitz Phone 1」のはずだ。「いや、代引のはずはない。先方の間違いだと思う。問い合わせるので、一度、持ち帰って欲しい」と答え、とりあえず、受取を拒否した。もちろん、自宅に18万円もの現金を常備していないので、受け取ろうにも受け取れなかったんだけど……。
表示が間違っていた?
宅配便の受取をお断りをした後、ソフトバンクに電話で問い合わせたところ、「申し訳ございません。一括払いの場合、代引でしか、お支払いいただけません」という従来通りの回答。じゃあ、本申し込み時の「19万6427円」は何だったのかを聞いても明確な回答はなし。どうやら、表示が間違っていたということらしいが、「最終的に、今、ご案内できるのは、代引でお支払いいただくか、キャンセルするかになります」という回答しか得られなかった。
申し込み時には端末代金が月々の料金の合算請求と表示しながら、実際には代引で商品をしてくるのは、ひとつ間違えば、「詐欺ではないか」と誤解するレベルの間違いだ。
では、代引で支払ったとして、「来月の利用料金請求時、『19万6427円』が請求されないと保証できるのか?」「仮に請求された場合、どう対応するのか?」を問いただしたが、「間違って請求されるようなことはありません」「ご連絡いただければ、対応できるようにしておきます」という回答。
押し問答をくり返した結果、最終的に代引で支払うことにしたが、「一度、配送を断ったけど、宅配業者には誰が連絡するの?」と聞いたところ、「お客さまご自身でご連絡ください」とのこと。「自分たちの不始末なのに……」とは思ったが、気を取り直し、「どこへ連絡するの?」と聞いたところ、しばらく待って答えてきた電話番号はいつも我が家に配達してくれる宅配便の営業所の電話番号。せっかく調べてくれたのに申し訳ないけど、そんな電話番号、元々、知ってますって。しかも営業所の電話番号が最近、何かと話題になる「ナビダイヤル」だったりして……。なんでソフトバンクの不始末なのに、お客さん側が通話料を支払わなければならないんでしょう?
しかたなく、営業所に連絡を取り、再配達をお願いしたため、その日のうちに「Leitz Phone 1」を受け取ることができたが、現金を引き出すため、コンビニエンスストアのATMに出向いたり、再配達まで、自宅で待機しなければならないなど、随分とムダな時間を消費した。宅配業者の配達員にも炎天下の中、二度も配達に来てもらわなければならず、余計な負担を負わせてしまった。この際、はっきりと書いておきますが、あなたがたの不始末のために、消費者や関係者が不利益を被ることは、『人々を幸せにする情報革命』なんでしょうか? >ソフトバンクさん
クレジットカードで支払えないのはソフトバンクだけ!
昨年来、新しい生活様式が提唱され、携帯電話業界ではオンライン手続きへの移行を促すなど、さまざまな取り組みをしてきた。販売についても同様で、各社のオンラインショップを利用するケースが徐々に増えている。
ただ、各社のオンラインショップを利用する背景には、もうひとつ隠された理由もある。それは各携帯電話会社のショップが販売価格を上乗せする「頭金」を設定したり、販売時に不要なオプション契約の申し込みを強いるショップがあり、それらを避けるために、オンラインショップを利用している人も少なくない。
ところが、その肝心のオンラインショップがこの有り様では、さすがにいただけない。筆者は実店舗の混雑を避けるため、どうしても必要な場合を除き、極力、各携帯電話会社のオンラインショップで購入しているが、筆者が試した限り、クレジットカードで支払えないのはソフトバンクオンラインショップのみだ。同じソフトバンクのワイモバイルは、端末購入時にクレジットカードを使えるのに、なぜかソフトバンクだけが頑なに 「代引」 しか選べない。本コーナーの以前の記事でも指摘したが、配送を担当する佐川急便は「e-コレクト」というサービスを提供しており、配達時にクレジットカードやデビットカードで決済できる環境を整えている。仮に、ソフトバンクオンラインショップがクレジットカードに対応するのに、大規模な改修が必要などの理由があるなら、このe-コレクトの利用を許可すれば、済む問題だ。
そして、何よりも襟を正すべきは、消費者に対するアナウンスと対応だ。
あらためて説明するまでもないが、オンラインでの手続きは、情報の伝達が不十分になってしまうことが少なくない。今回は購入手続き時に端末代金を月々の合算請求と表示しながら、実際には代引で発送するという明らかなミス(お客さまサポートでも認めている)が起きた。今後、こういったミスが起きないように、早急に体制を見直すべきだが、本申し込みの手続き完了時に「今回のご購入代金は現金の代引でお支払いください」「代金は18万7,920円です。現金をご用意ください」といったメッセージをユーザーに送信しておけば、トラブルは避けられたかもしれないが、それすらできていない。
この問題は最初に指摘してから、すでに1年以上、経過している。いったい、いつになれば、修正されるのか。「情報革命」を高らかに謳う前に、まず、自らの体制をきちんと整えるべきではないでしょうか? >ソフトバンクさん