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スマホで新型コロナウイルスの研究に貢献、熱問題は冷却ファンで解消

【HUAWEI P30】

 緊急事態宣言が解除され、外出が比較的自由にできるようになったとはいえ、新型コロナウイルスの感染拡大は現在も続いており、東京では感染者が再び増えている状況。筆者もいち早く新型コロナウイルスの収束を願ってやまないことから、最近は分散コンピューティングで新型コロナウイルスの研究に貢献することに力を入れています。

 分散コンピューティングで新型コロナウイルスの研究、といいますと「Folding@Home」が有名ですが、こちらはパソコン向けのクライアントしか存在しません。そこでスマートフォンでも貢献できるプロジェクトをいくつか試してみたのですが、中でも参加しやすいと感じたのが「DreamLab」です。

 これは英国のボーダフォン財団が実施している、分散コンピューティングを活用して癌などの研究をサポートするプロジェクト。携帯電話会社が関連しているだけにスマートフォンの活用が前提となっており、アプリをダウンロードしてすぐ参加できる手軽さが特徴。2020年4月から、英国のインペリアル・カレッジ・ロンドンと共同で新型コロナウイルスの治療に関する研究への活用を進めていることから、筆者も手元のスマートフォンをDreamLabに参加させています。

ボーダフォン財団が提供している「DreamLab」。スマートフォンのコンピューターパワーを癌などの研究に役立てるプロジェクトで、iOS・Android共にアプリをインストールした後、簡単な操作をするだけで参加できる

 そして約2カ月間、家中のスマートフォンでDreamLabを動かして見えてきたのは、性能が高い端末だからといって必ずしもいい成果を出すとは限らないこと。実際、性能的にはハイエンドとなるHUAWEI P30と、それより低いミドルクラスのmoto g7で比較してみると、なぜか後者の方が多く計算できていることが多かったりします。

 その原因は熱にありました。分散コンピューティングの計算はCPUやGPUに高い負荷をかけることから、処理が増えるほど本体が発熱しやすくなるのですが、DreamLabは端末の温度が一定以上に上昇すると計算をストップしてしまうため、手元の端末では計算をより多くこなすハイエンドモデルの方が、熱が出て停止しやすい傾向にあったのです。

HUAWEI P30(左)とmoto g7(右)を使い、同じタイミングでDreamLabの計算を開始したところ。数十分が経過したところで、HUAWEI P30は熱のため計算が停止してしまった

 なのであれば本体を冷やせばいい、ということで、熱くなりがちなHUAWEI P30には冷却ファンを付けてみることにしました。購入したのは「ゲーマーズモバイルクーラー」という、スマートフォンの背面に貼り付けて冷却するタイプのもの。名前の通り負荷の高いスマホゲームをプレイするのに用いるもののようで、ファンに加えペルチェ素子が備わっており高い冷却性能を持つのが特徴です。

スマートフォンを冷やすために購入してみた「ゲーマーズモバイルクーラー」。冷却ファンだけでなくペルチェ素子も搭載しており高い冷却効果を持つのが特徴で、お値段は4000円弱ほど
背面には吸盤と粘着シートがあるので、これを使ってスマートフォンの背面に貼り付ける

 そこでしばらくHUAWEI P30の背面にこのファンを取り付けて稼働させてみたところ、冷却効果で本体があまり熱くなることはなくなり、長時間安定して計算を継続できるようになったことから成果も大幅に向上しました。

HUAWEI P30の熱くなりやすい部分にゲーマーズモバイルクーラーを貼り付けたところ。しっかり貼り付ければ冷却効果はてきめんだ

 とはいえこうした冷却ファンはあくまでゲームプレイ用なので、数日にわたり連続で使い続けることは前提にしていないでしょうし、そもそもスマートフォンを長時間、無理に冷却しながら計算させ続けるというのはな、いろいろ部分に負担が出て寿命を早めてしまいます。それゆえここまでのことをするのはあまり推奨できませんが、DreamLab自体は寝ている間の充電時間などでも十分貢献できるものなので、興味があるならぜひ参加してみて欲しいところです。

成果を高めるべく筆者の手元にあるスマートフォンを次々DreamLabに投入した結果、このような状態に(これはあくまで一部)。計測したところ電気代は1日10円未満のようですが、端末にかかる負荷を考えるとここまでする必要はないでしょう……