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楽天追加募集でゲットしたeSIM端末「Rakuten Mini」の盲点

【Rakuten Mini】

 1月、楽天モバイルが実施している無料サポータープログラムの追加募集が行われ、昨年秋の一次募集5000名から漏れてしまった筆者にも、敗者復活で無料サポーターになれるチャンスが到来しました。同時に昨年発表されたオリジナル端末「Rakuten Mini」も発売されるとのこと。楽天モバイルから届いたメールによれば、同端末の取り扱いは恵比寿や渋谷など直営6店舗だけということで、早速楽天モバイル恵比寿店に足を運び、Rakuten Miniを契約してきました。

 手のひらサイズのRakuten Miniは、「premini」「Sportio」など、ガラケー時代から小型端末を愛用してきた筆者の琴線に触れまくりで、発表時から買うならコレと決めていました。

 最近では昨年買った「Palm Phone」に次ぐ、コンパクトスマホ。サイズがコンパクトな分、ディスプレイもバッテリー容量も小さいのですが、ディスプレイは3.6インチ、バッテリーは1250mAhと、Palm Phoneよりは見やすくパワフルです。

 Palm Phoneでは、首から提げていたらいつの間にか電源が落ちていたということが度々あったのですが、Rakuten Miniの場合は、楽天モバイルの電波もローミング先のauの電波もつかまない「電波の谷間」にさえ入らなければ、1日は電池が持つ感じ。防水仕様でないのは残念ですが、お値段的にもPalm Phoneの約半額で買えるのは大きな魅力です。

歴代の小型端末とRakuten Mini(右から2つ目)。ストラップホールが突いていて、ネックストラップを着ければ首から提げられる。透明のケースは楽天モバイル恵比寿店で購入した

 小さい以外にも、Rakuten Miniには、ほかにはない特徴があります。多くのスマホで採用されている、契約情報が入った物理カードの「nanoSIM」ではなく、端末に直接契約情報を書き込む「eSIM」が採用されている点です。

 eSIMはiPhone XS/XR以降やPixel 4でも採用されていますが、これらの端末ではnanoSIMとeSIMを併用できるのに対して、Rakuten Miniでは「eSIM」しか使えません。これは言い換えると、無料サポータープログラムをRakuten Miniで契約してしまうと、再発行手続きを行わなければ物理カードのnanoSIMが入手できないということでもあります。もし楽天モバイルのネットワークを、SIMを入れ替えて他のスマホで試したいと思っても、手軽にはできないということです。

eSIMの設定画面は「Pixel 4」などのeSIM対応モデルと同様。別の通信事業者のeSIMを登録して、有効、無効を切り替えて使うこともできる。筆者が試した限りでは、IIJのeSIMが設定できた
米国ではずっと「通信サービスはありません」というメッセージが表示されていた。このメッセージは、楽天モバイルの電波もローミング先のauの電波もつかまない「電波の谷間」でも表示される

 Rakuten Miniの対応LTEバンドは1/3/18/19/26/28/41。楽天モバイルはバンド3、国内ローミング先のauはバンド1/18/26でつながるので、基本的にはこれらのバンドがカバーされていれば国内では問題ないのですが、盲点なのが海外での国際ローミング利用時。楽天モバイルの国際ローミングは、フランスの通信事業者であるOrangeと提携して提供されていて、国ごとにOrangeが提携する通信事業者のネットワークにつながるしくみになっています。

 たとえば米国ではAT&TとT-Mobileが対象ですが、Rakuten MiniはAT&TのLTEの使用バンドである2/4/5/17、T-Mobileの2/4/12のいずれにも対応していません。実際に先日、米国に持って行って試してみましたが、見事なまでにまったくつながりませんでした。同じく楽天モバイルの無料サポーターで、ほかの機種を使っている人はつながっていたので、Rakuten Miniの対応バンドが原因なのは明らか。ですが、それを自分で検証したいと思っても、その場でSIMカードを入れ替えて他機種で試すということができないのが、eSIMのつらいところです。

 というわけで、もし今後楽天モバイルを契約して海外ローミングを利用したいと思っている人は、くれぐれもご注意を。ちなみにEU圏では一部バンド3が使われているので、Rakuten Miniでもつながる可能性がありそう。これは次回の旅行の際に試してみるつもりです。