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灼熱の京都でシェアサイクル「PiPPA」を試した
2018年8月21日 06:00
京都市内でシェアサイクル「PiPPA」を試してみました。
オーシャンブルースマート社が提供する「PiPPA」は、板橋区を中心とした東京都内、京都市、宮崎市内にてシェアサイクル「PiPPA」を提供しています。筆者は東京都内に在住していますが、都内の生活エリア内にはPiPPAのポートが充実していないため、実際にサービスを利用するのは京都が初めてでした。
筆者が京都市を訪れたのは、京都の気温が観測史上1位タイとなる39.8度を記録した翌日。もともと京都市内の気温がかなり高いことは事前にわかっていたので、できるだけ気温が高くなる時間帯を避けるために、前日の夜のうちに新宿を出発する深夜バスで京都へ。京都駅前に到着したのは早朝5時30分頃でした。
京都駅に到着後、スマートフォンのアプリから会員登録を済ませて、京都駅の南側にある駐輪ポートでPiPPAをレンタル開始。ここから、PiPPAのポートを巡りながら市内を移動してみました。京都市内のPiPPAのレンタル料金は30分あたり108円で、料金支払にはクレジットカードやキャリア決済を使って「PiPPAコイン」を購入した後、コイン残高からレンタル料金が引落される仕組みです。
京都でレンタルできるPiPPAの自転車は電動アシスト無し、三段変速機が搭載されたモデルでした。自転車のロック解除は、QRコードを読み込みするか、Bluetoothを利用して解除する「タッチ開錠」に対応しています。SuicaやPASMOなどの交通系ICカードに搭載されるFeliCaカードを使ったロック解除には非対応ですが、何らかの理由によってQRコードが読み込みし難い環境でも、Bluetoothを使ったロック解除が行える点は便利です。
2018年8月現在、京都市内にはPiPPAのポートが約30カ所設置されています。そのうちいくつかのポートは京阪電気鉄道(京阪電車)の駅近くに設置され、京阪電車と自転車を組み合わせた移動がしやすくなっています。ただし、京阪電車の駅近くに設置されるポートの一部には、駐輪場の2F部分にPiPPAの専用駐輪場が設置されることがあるほか、駐輪ポートを示すのぼりのようなものがありません。アプリのポート情報には親切な説明がありますが、初見で見つけるのが少し大変です。
PiPPAに限らず、シェアサイクルは基本的に「ポートで借りて、ポートで返す」ことが前提のサービスです。利用できるポートが紙や冊子に印刷されているケースは少なく、スマートフォンが使えることを前提にしたサービスが多いのですが、実際に自転車で走行中にスマートフォンを操作するケースでは、
(1) 自転車を停車させる(信号待ちなども含む)
(2) スマートフォンを取り出して操作する
(3) スマートフォンを再度収納する
という操作が必要になります。土地勘のある街であれば、スマートフォンを使ってポートの位置情報確認や、経路確認が不要となりますのでこういった心配は無いのですが、観光などで訪れる都市を訪問する際や、普段は使わないエリアでシェアサイクルを使おうとすると、スマートフォンを使ってポートやルート検索が欠かせず、その都度スマートフォンを操作するのが面倒に感じます。
この問題は、自転車に取り付けするスマートフォン用ホルダーを活用することで、ある程度解決することができます。自転車にスマートフォン用ホルダを装着し、現在位置およびポートが確認できるアプリを起動し続けた上で、なおかつバックライトを常時点灯すると、ポートの位置と自分の位置が把握し易くなります。自転車に取り付けできるホルダーは、スタパ斉藤さんの記事で詳しく紹介されています。
筆者は過去にシェアサイクルで移動中に、ポケットに入れていたスマートフォンを落下させるという事故を何度か経験したため、それ以降は自転車で走行中にはポケットにはスマートフォンを収納せずに、鞄の中に収納するか、ホルダーに取り付けするようにしています。スマートフォン用ホルダーに取り付けて使うと、現在位置の確認とポート確認が非常に簡単になるので、シェアサイクルを利用する際には活用しています。
しかし、日中時間帯にスマートフォンを自転車に取り付けて移動していると、端末が日光によって温められてしまい、カメラを起動すると「端末の温度が高すぎるため、カメラを使用できません」というエラーが表示されてしまいました。このほかにも、端末の温度が上昇すると端末のパフォーマンスが低下するなどの影響があるため、あまり良い状態とは言えません。
スマートフォンを使った現在位置の確認や目的地までの経路検索は、リアルタイムで位置情報が更新される利便性がありますが、スマートフォン用のホルダーに取り付けての利用時は、暑さ対策もあわせて考える必要があります。
京都市内でPiPPAを使って驚いたのは、ユニークなポートの活用方法です。例えば、金閣寺近くに設置されたPiPPAのポートは、一般の住宅の自動車用ガレージを転用したもので、住民のものと思われる私物がすぐ近くに置いてあったほか、夜間はレンタル・返却ができなくなっているなど、ポートの事情に合わせた運用がされていました。
また、コイン式の自転車駐輪場では、「返却専用」で運用しているポートも見られました。これらのポートでは、自転車返却時に一般の自転車と同様に返却手続が行えるのですが、ロックを解除して自転車を利用するためには、PiPPAの利用料金とは別に自転車の駐輪料金の支払いが必要となるため、基本的には返却専用ポートとして運用を行っているようです。