みんなのケータイ

スマホにあわせて進化した国内線の「機内動画サービス」

【HTC 10 HTV32】

 子どもの頃(といっても12~14年ほど前)、単身赴任の父に会いに、飛行機に乗ったことがある。当時憧れていたジャンボジェット。各席にモニターが付いていて、映画やゲームまで楽しめた。

 “格安航空会社”(LCC)が登場する前後から、ANAやJALの機内設備が削減されていき、映画サービスを楽しめる機体に乗る機会は、国内線ではほとんどなくなってしまった。筆者自身も、LCCばかりで“飛行機の大手キャリア”に乗る機会も減り、機内サービスも期待せず乗るようになっていた。

 そんな筆者に先日、久々にJALの国内線に搭乗する機会があった。羽田空港と和歌山県の南紀白浜空港を結ぶ、機体が小さく距離も短い路線だが、興味深い「機内サービス」を提供していた。それは、飛行機の機内で体験できる映像サービスだが、座席にモニターはない。つまり、ユーザー自身のスマートフォンで視聴できるのだ。サービス名はズバリ「Wi-Fi無料ビデオプログラム」

 使い方は、スマートフォンで専用のWi-Fiに接続し、ブラウザを開く。後は好きな動画を選んで楽しむだけ。筆者がチェックした時のラインナップは新海誠監督の「秒速5センチメートル」や、旬のバラエティ番組など20種類ほど。動画を選んで、15秒程度ですぐに再生され、途切れることなく快適に視聴できた。

 機内Wi-Fiサービスを展開するGogo社が提供しているそうだが、搭乗した路線ではインターネット接続サービス(一般的に公衆Wi-Fiサービスといって想像する方)は、提供していなかった。

待ち時間も少なく、快適に動画を楽しめる。ダウンロードしておけば、降機後も閲覧できるようだ

 今では、動画配信サービスのアプリで動画をダウンロードしておけば、どんな映画でも機内で鑑賞できるようになった。とはいえ、準備も要らずデータも使わず動画を楽しめるサービスが、国内線でも復活していたのが嬉しかった。

 もう1つ、新鮮に感じたのが、Bluetoothヘッドフォンが使えるようになっていたこと。これは飛行機の機材によって異なるが、比較的新しい機体では、Bluetoothヘッドフォンなどは常に利用できるようになっているとのこと。詳しくは、航空会社のホームページなどで確認してほしい。

 筆者が搭乗した小型機(エンブラエル 170型機)も対象となっていたので、キャビンアテンダントに確認したところ、「普段通りご利用いただけます」という回答を得た。

 使い慣れたスマートフォンといつものヘッドセットを使い、機内で動画配信を楽しむことができた。“飛行機の大手キャリア”の進化を実感した体験だった。