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「Moto 360」(1st Gen)を引っ張りだしたら進化していた

【Nexus 6】

 普段使っている腕時計を3週間ほど修理に出すことになり、代わりの腕時計はどれにしようかと、何本かの腕時計を入れてある箱の中を漁ってみたところ、すべて電池切れで画面がまっさらという状態だった。しかしその中には、同じ電池切れでも充電電池で駆動するモデルがあった。スントの「Ambit 3 Sport」とモトローラの「Moto 360」(1st Gen)だ。

 「Moto 360」(1st Gen)はAndroid Wear搭載のスマートウォッチとしては最初期のグループの製品だが、2016年の4月に発売された「Moto 360」(2nd Gen)でも大枠のデザインが変わらなかったため、“型落ち”というイメージがない稀有な製品になっている。

「Moto 360」(1st Gen)

 ソフトウェアアップデートによりAndroid Wearは1.4に、OSとしてはAndroid 6.0.1になった。しばらく使っていなかったため、周回遅れでの体験ではあるが、操作もかなり変更され、ジェスチャー操作のようなタッチ不要のUIも搭載されている。

 これまでと違うスマートフォンとペアリングする際は、前のスマートフォンを使ってペアリング解除の設定が必要という点に気づかずちょっと手間取ったのと、ソフトウェアアップデートでモリモリと電力を消費するため、電池残量が少ないと思うように進行しない。

 実際に新バージョンのソフトウェアで動き始めるとなかなか快適になっている。まず自宅で使い勝手を確認していたが、「おーけーぐーぐる。たいまー、さんぷん。」と深夜にカップ焼きそばにお湯を入れている最中、左腕に話しかけるだけでタイマーをセットできることに再び感動した(前もMoto 360でやっていた)。いや、これは進化点ではなかった。

 新機能もいいが、やはりなんといっても、バッテリーの持ちが改善していると感じられるのは嬉しいポイントだった。以前は、平日の仕事をしている時間帯ならギリギリもつ、という塩梅だったが、今回の利用では8時間ほど装着しても、バッテリーが50%以上残っている。ちょっと通知を確認する程度の浅い使い方なら、帰宅する頃にバッテリー残量に不安を覚え始める、ということもない。ヘビーに使って残量が心配なら、Qi対応の小型の充電パッドなどは1000円を切るような価格で売っていることもあるので、会社のデスクに常備しておくのも手だろう。

技適マークは画面で確認できる
最新のソフトウェアが提供されている
ネタ系ウォッチフェイスも用意。常用というより、人に見せるデモ用みたいな感じだろうか

 新機能を含めて、通知の確認や音楽アプリの操作といった機能は確かに便利ではある。とはいえ、時計としてもしっかり使いたい、という筆者のような人間にとっては、現在のスマートウォッチは頼りない印象が残るのは確か。これはソフトウェアアップデートでも大きく変わっていない。カシオ計算機の専務はある説明会で「必須機能がない」とスマートウォッチの課題を指摘していたが、「この機能はもう手放せない」とかいう類の機能や使い方が出てこないと、さらなる普及は難しいのかもしれない。

 その点、冒頭に紹介したスントの「Ambit 3」シリーズなどの、スントのBluetooth連携ウォッチは、全面がドットの液晶のためか、発売後のソフトウェアアップデートにより通知で表示できる内容が増え、今ではメールの着信通知も日本語で表示されるようになるなど、地味に進化を続けている。

スント「Ambit 3 Sport」

 筆者が持っている「Ambit 3 Sport」はバイブレーターを搭載していないため、音をオフにすると無音で通知が表示されるのみになってしまうが、時計としての見やすさや駆動時間は現在のAndroid Wearデバイスの比ではない。一長一短ということになるが、Android Wearとそりが合わなかった人は、進化しているBluetooth連携ウォッチを改めてチェックしてみることをおすすめしたい。