DATAで見るケータイ業界

2022年1~3月の純増数はMNO285万に対しMVNOは8万、総務省データから見える現状は

 本誌既報の通り、総務省は2022年3月末時点における「電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データ」(以下、総務省データ)を6月17日に公表した。データを元に、今年1~3月期の契約数について、MNOとMVNOに分けて見ていきたい。

1~3月の純増数、MNOは285万、MVNOは8万

 3月末時点での移動系通信の契約数は2億341万で、昨年12月末の2億56万から285万(1.4%)増となった。増加の内訳は、MNOが277万(1.6%)、MVNOが8万(0.3%)となり、1~3月期はMNOの伸びが顕著となっている。

 ■通信モジュールを除いた契約数を見ても、MNOの力強さが鮮明に

 契約数には、機器等に組み込まれる通信モジュールの数字も含まれている。また、MVNOの数字には、楽天モバイルのMVNO契約減(MNOへのシフト)という特殊要因が影響を与えている。

 そこで、これらの契約数を除外し、スマートフォンやタブレットなどを中心とした契約獲得状況を算出してみたところ、MNOが131万増だったのに対し、MVNOは14万減となった。

 新年度を控えて1年で最大の商戦期といわれる1~3月期だが、今年はMNOに追い風となったようだ。2年前の2020年1~3月期に20万の減少を記録していたことを考えると、市場が激変したことが改めて鮮明になった。反面、MVNOは二四半期連続の純減で、厳しい状況が続いている。今後の反転攻勢に期待したい。

IT専門の調査・コンサルティング会社として、1993年に設立。 主に「個別プロジェクトの受託」「調査レポート」「コンサルティング」サービスを展開。 所属アナリストとの意見交換も無償で随時受け付けている。 https://www.mca.co.jp/company/analyst/analystinfo/