DATAで見るケータイ業界
ゆるやかながら増加基調に戻りつつあるMVNO市場――総務省データで見る契約数の現状
2022年1月17日 00:00
本誌既報のとおり、総務省は2021年9月末時点における「電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データ」(以下、総務省データ)を2021年12月17日に公表した。
7~9月の純増数、MNOは145万増、MVNOは22万増
9月末時点での移動系通信の契約数は1億9847万(前年同期比4.2%増)、そのうちMVNOの契約数は2619万(同2.3%増)となった。
昨年のモバイル市場は、春にMNO各社がオンライン専用の新ブランドをスタートさせたことで、Y!mobileやUQ mobileも含めてMNO側に勢いが出た反面、競合するMVNOには逆風が吹いた、というのが一般的な見方だろう。
実際、総務省データにて掲載されている、MNO・MVNO別の純増減数推移グラフをみると、7~9月の3ヶ月でMNOが145万増、MVNOは22万増と、その差は歴然となる。
コンシューマー市場の純増数では、MVNOがMNOに肉薄
とはいえ、MVNO契約数の数字は、楽天モバイルのMVNO契約数減という特殊要因に引っぱられており、純増数にも下押し圧力が掛かり続けている。また、これはMNOにも共通するが、IoT市場の立ち上がりにより通信モジュール契約の伸びが顕著で、全体の数字はコンシューマー市場の勢いをあらわすものではなくなった。
そこで、楽天モバイルのMVNO契約数と、機器等に組み込まれる通信モジュール契約数の影響を除外し、スマートフォンやタブレットなどを中心とした契約獲得状況を算出してみた。
すると、MNOが17万増、MVNOが12万増で、実は肉薄しつつある状況が明らかになった。グラフからは、MNOの勢いが落ち着き、MVNOはゆるやかながら増加基調に戻りつつあるようにも見える。今後も定点観測を続けていきたい。