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国内基地局ベンダシェアは北欧勢が半数超占める、国内ベンダの復活は?
携帯基地局市場と設備投資の実態 2020(3)
2021年3月23日 06:00
MCAは、市場調査レポート「携帯電話基地局市場及び周辺部材市場の現状と将来予測 2020年版」を2月に発刊した。
同レポートをもとに携帯基地局市場の動向を取り上げていく本企画。最後となる今回は、基地局(無線機)ベンダシェア並びに動向を見ていこう。
今後も続く北欧ベンダの隆盛
国内無線機ベンダシェアの推移をみると、2019年度は北欧ベンダが過半数を占め、失速した中国ベンダのシェアを奪取した格好となった。一方、国内ベンダは下落幅が小さくなっているものの、シェア縮小に歯止めがかかっていない。
今後も中国ベンダの回復が見込めないため、北欧ベンダの隆盛が続くものとみられ、国内ベンダはNTTドコモの基地局投資頼みの面がある。
北欧ベンダが過半数を占有
エリクソン・ジャパンはKDDIとソフトバンクで高シェアを獲得し、国内最大手の位置を維持している。
2018年度はソフトバンク向けで華為技術日本に圧されていたが、ソフトバンクの方針転換により、メインベンダになった。一方、ノキアソリューションズ&ネットワークスはKDDIとソフトバンクで低調であったが、ドコモでの堅調さと楽天モバイルへの参入により、大手に返り咲いている。
現状、ノキアはKDDIとソフトバンクでの低迷を、ドコモと楽天モバイルで補完する流れで、国内ベンダと同様に、ドコモの基地局投資拡大に期待がかかる。
シェア縮小が続く国内ベンダ
ドコモの基地局投資抑制が続き、富士通とNECが大きな影響を受けた。
ドコモのみに無線機を供給している富士通とNECは、試練が続いている。NECはドコモ以外に、楽天モバイルのSub6向けに無線機を供給しているが、2019年度における5G基地局展開は小規模にとどまった。
今後、ドコモの基地局投資回復次第により、国内ベンダに勢いが戻る可能性もあり、国内ベンダの復活に注目が集まる。
アジアベンダは中国ベンダが失速
ソフトバンクでの華為技術日本とZTEジャパン失速により、アジアベンダはサムスン電子ジャパンのみになった。
サムスン電子ジャパンは引き続き、KDDIとUQコミュニケーションズで堅調な動きをみせ、華為技術日本とZTEジャパンの抜けたアジアベンダで唯一、気を吐いている。華為技術日本とZTEジャパンは米中関係の煽りから国内5G市場への参入が困難な上、メインキャリアであったソフトバンクによる方針転換により、4G基地局でも採用が見送られ、現在のところ、打つ手がみえない状況にある。