スタパ齋藤のコレに凝りました「コレ凝り!」

自転車でトンネルは何かと怖いゼ~!

奥多摩のトンネルエリアがヤバい

 e-bikeでの奥多摩通いが続いている最近の筆者。サイクリングですね。JR青梅駅から奥多摩湖(小河内ダム)までの往復がいつものルートです。御嶽(みたけ)駅あたりから先がサイコーで、気温が徐々に下がって森の香りが漂い始める。フツーの自転車で行くと筆者的には苦労する上り坂なんですが、e-bikeだと風景を楽しみながら上れる癒やしのコースとなります。

愛用中のe-bike、ミヤタ「RIDGE-RUNNER」(関連記事)。安楽化・便利化の方向でいろいろイジっていますが、このe-bikeでたびたび奥多摩方面を走っています。左は多摩川の上にかかる橋。右は奥多摩むかし道の途中です。東京都内ですが自然でいっぱいのエリア。青梅駅から奥多摩湖(小河内ダム)の往復がいつものコースで、距離は約55km、獲得標高は約600mです。

 国道411号線(青梅街道)の奥多摩エリアを走るわけですが、以前はトラックが多々走っていて自転車にとってはけっこう危険な道でした。しかし数年前に東京都道45号奥多摩青梅線が整備されてバイパス的な道路になり、クルマはそちらに流入。国道411号線は、自転車でも走りやすい道になりました。

 ただ、コース中盤以降の上り坂が増えるエリアにあるトンネルがちょっとヤバい。トンネルの闇から呻き声……そして強い視線が……なんか出そう! って不気味さはさておき、暗めで路面が荒れ気味で、湧水で路面が湿っていて道路端には土や砂利も。

 上り坂で暗くて走りにくいトンネルで、時々はクルマに追い越されたりもします。けっこー危険な感じ。しかも、奥多摩湖まで行くのに合計11(目的地によっては12)ものトンネルがあるんです。

奥多摩のトンネルたち

 ご参考までに、青梅街道の奥多摩方面のトンネルをリストアップしてみます。青梅街道の青梅駅から山梨へ向かうルートにある、東京都内のトンネルです。単なる参考資料なので、興味のない方は読み飛ばしてください。

トンネル名延長迂回の可否備考
鳩ノ巣(はとのす)トンネル延長78m上り最初のトンネル
花折(はなおれ)トンネル延長108m迂回路に白丸ダム
白丸(しろまる)トンネル延長126m迂回路に手彫りトンネル
新氷川(しんひかわ)トンネル延長605m奥多摩駅手前
橋詰(はしずめ)トンネル延長238m※可
白髭(しらひげ)トンネル延長359m※可
梅久保(うめくぼ)トンネル延長38m※可
惣岳(そうがく)トンネル延長149m※可
板小屋(いたごや)トンネル延長115m※可
桃ヶ沢(ももがさわ)トンネル延長275m※可
中山(なかやま)トンネル延長391m不可奥多摩湖直前のトンネル
大麦代(おおむぎしろ)トンネル延長538m不可
熱海(あたみ)トンネル延長61m不可
室沢(むろさわ)トンネル延長215m不可
鶴の湯(つるのゆ)トンネル延長157m不可
女の湯(めのゆ)トンネル延長124m不可
あづまいトンネル延長96m不可
坂本(さかもと)トンネル延長260m不可
馬頭(ばとう)トンネル延長82m不可
竹の花(たけのはな)トンネル延長94m不可ルート上最西端

表中にある迂回の回避について、「可」とあるのはトンネルのすぐ脇に迂回路があるもの。「※可」とあるのは、奥多摩むかし道を通ればトンネルを通らずに済むということで、国道を少々外れた徒歩・自転車向けルートとなります。なお、上りルートで奥多摩むかし道へ行くには、奥多摩駅から約2kmにある桧村橋手前のY字路を右に入ります。

 ちなみに、トンネルが始まる鳩ノ巣駅あたりから奥多摩湖までの距離は約10kmで、獲得標高は約350m。平均勾配は約6.3%です。普通の道なら、長くてちょっとキツい上り坂って感じですが、この区間に11以上の走りにくいトンネルが出てくるので、なかなか、です。

トンネルでのサングラス問題

 奥多摩湖への上り坂に現れる11ものトンネル。こまめに迂回し、奥多摩むかし道を通ってかわしていけば、通過するトンネルは奥多摩湖直前の中山トンネルだけになります。でも、素直に国道411号線(青梅街道)を真っ直ぐ走って奥多摩湖に到着したいという気分のときも。また、帰りは下り基調なので、迂回などしないでサーッとトンネルを抜けて戻りたいものです。

 そんな時にちょっと困るのがアイウェア。サングラスをどうするか? です。

 筆者がサイクリングでよく使っているアイウェアは、シマノの調光レンズ採用サングラス(レビュー記事)。明るさ(紫外線量)に応じてレンズの色が変わるサングラスです。

使用中の調光サングラス、シマノ「CE-ARLT1-PH」。これは廃盤品で、現在はより新しいモデルが発売されています。太陽光(紫外線)の強さに応じて自動的にレンズ色の濃さが変わるので便利。可視光線の透過率は13%~62%(調光)で、紫外線透過率は0.1%以下です。通常は左のような透明度の高い状態で、太陽光が当たると中央のような色の濃いサングラスになります。右は一部分だけをテープで遮光し、太陽光に当てた様子。こんなに色が変わるんですね~。

 自動的に適切な濃さになってくれて便利な調光サングラスなんですが、トンネルでの使用にはちょっと不便が伴います。というのは、調光サングラスは色の濃さが変わるのに若干の時間が必要ということ。明るいところからトンネル内に入っても、すぐにはレンズの色が薄くならず、徐々に薄くなっていきます。なので、トンネルに入ってすぐは視界が暗い感じ。

 でもまあ、上りなら、ゆっくりとトンネル内を上がっていくので、レンズの色も間もなく薄くなる感覚。視界も明瞭になり、そーんなに大きな問題ではありません。スピードも遅いので、不安感もあまりない。

 しかし、下りが怖い。この奥多摩トンネルエリアの平均勾配は約6.3%。そういう坂道を下ると、すぐにスピードが出ちゃう。スピードが出た状態でいきなりトンネルに入ると、やっぱり「突然視界が暗くなった!」という感覚で怖いんですね。

 というわけで、奥多摩サイクリングの時、トンネルエリアに入ったら、とりあえず一休みしつつサングラスのレンズを交換していました。前出のシマノ製サングラスにはクリアのレンズが付属していて、交換も手軽にできます。なので、トンネルエリアはクリアのレンズで、それ以外のエリアは調光レンズにして、使い分けていました。

レンズ交換が面倒! ビジョンベルデは使えるかな?

 お気に入りのシマノ製アイウェアで奥多摩サイクリング。トンネルエリアでは調光レンズをクリアレンズに交換。理屈の上ではこのやり方でうまく行くわけですが、実際はレンズ交換が面倒です。2~3回はレンズ交換しましたが、交換時にレンズを路面に落としそうになって思いました。「あーもー別途透明レンズ入りのサングラス用意したほうがいいな~。交換が面倒だし、いちいちレンズに指紋着くし、レンズに傷付いたらヤだし」と。

 そこで思い出したのが、ビジョンベルデの保護メガネ。4~5年前に目に来るタイプの花粉症を発症し、花粉症対策メガネを使い始めました(レビュー記事)。そしたらそのメガネが意外なほど効果的。こりゃイイと思って、他のメガネも試していたら、ビジョンベルデ製の保護メガネでイイのがあった(関連記事)のを思い出したのでした。
 ビジョンベルデは、安全衛生用品で知られるミドリ安全の保護メガネブランド。比較的に安価にて多種多様な保護メガネを発売していて、入手性も良好。いくつか持っていますが、そのうち筆者の顔に激フィットするのが「VS-102F」(公式ページ)というモデルです。

ビジョンベルデの保護メガネ「VS-102F」。フレームはプラスチックでレンズはポリカーボネートの、目を保護するためのメガネです。直販税込価格は2149円。

 コレをサイクリングに使えないものか? と、考えたわけです。

イイじゃないですか~サイコーじゃないですか~♪

 ビジョンベルデの「VS-102F」、レンズは透明だし、前述のとおり筆者の顔にピッタリとフィットするし、これを奥多摩トンネルエリア用のアイウェアに使えばいいじゃん。そう思いましたが……サイクリングに合うのかこれ?

 サイクリング用アイウェアとしてやはり必要なのはUV(紫外線)カットの性能。それから風や砂埃などから目を守る性能。見やすさも非常に大切。2000円ちょいで買える保護メガネに、そういう性能を求められるのか?

 とりあえずVS-102Fについて調べると、対UV性能は紫外線の99%以上をカットするということで合格。視界も十分に広く感じられます。また、曇り止めコードが施されているようです。他にも保護メガネとして独自の利便を備えています。

ビジョンベルデの「VS-102F」は、どちらかと言えば作業用の保護メガネ。ですが、UVを99%以上カットしていたり、曇り止めコーティングが施されていたり、筆者的には歪みのない広い視界だと感じられたりで、サイクリングにも向きそうです。また、筆者の顔にピッタリとフィットする点もナイス。
「シーソーテンプル形状」(左)と呼ばれる独自のテンプル(つる)形状で、頭の形状に沿って可動するためフィットしやすいとのこと。シーソーテンプル形状は、テンプルに固定することで使わなくすることもできます。また、テンプルは上下に可動(右)。メガネが額や頬に当たる角度を調節できます。特にこの上下可動機構によりフィット感を変えられるのが使いやすい。
防塵性と密着性を高めるクッションモールド付き。モールドは脱着可能で、交換用パーツが別売されています。モールドの直販税込価格は713円。

 どうなのよ、VS-102F。ということで、これを使って何度かサイクリングをしてみましたところ、ヒッジョーに使い心地が良かったです。視界は良好で顔にもよくフィットし、問題なし。もちろんトンネル内の視界も良好です。

 それから、フィット感はわりと幅広く調節できますが、ピッタリとフィットさせた状態でも曇りにくいのが実用的。奥多摩サイクリングは、トンネル内が急に寒かったりして、汗でアイウェアが曇りがちですが、この保護メガネはかなり曇りにくい感じです。冬にも良さそうですね。

 それと、目の周囲にクッションモールドがあるので、風や砂埃が目に入りにくいのが快適。奥多摩湖からの下りはスピードが出ますが、ヘタなスポーツ用サングラスだと、サングラス上下左右から目に風が当たったりします。また、追い抜いていくクルマが巻き上げる砂埃なんかも気になる。この保護メガネの場合、それらの要素をしっかりカットしてくれてイイです。

 なーんだコレ、凄くイイじゃん! でもまあサングラスではないので、夜間走行やトンネル内走行向けって感じにはなりますが、サイクリング用途でも全然イケます♪ ということで、以降、ビジョンベルデVS-102Fが新たなサイクリング用アイウェアとなりました。

 ただ、アイウェアは人っていうか頭や顔の形状で使用感が全然違います。なので、購入を考えるなら一度試着してからにしてください。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。