スタパ齋藤のコレに凝りました「コレ凝り!」

調光サングラスが便利! もう後戻りできないかも~

太陽光により濃さが自動で変わるサングラス

 サイクリングの必需品と言えば、ヘルメットやグローブや快適なウェア等々いろいろありますが、なかでも大事なのがアイウェアだと思います。目を守るメガネですね。

 アイウェアはホントに重要。強い風から目を守りますし、砂埃や虫やクモの巣や小枝が目に入るのを防ぎますし、UVカットレンズなら紫外線がもたらす目への悪影響を低減してくれます。ほか、転倒時に目を守ってくれることもあると思います。

 筆者の場合、希にアイウェアを忘れてサイクリングに出掛けてしまうことがありますが、そういう場合はちょっと走ってサイクリングを断念したり、走らずにサイクリングを中止にしちゃったりします。とりあえず目に入る風がツラい。太陽が眩しい。虫とか目に入ったら最悪。サイクリングが全然楽しくなくなります。

 そんな筆者が気に入りまくっているアイウェアが、調光サングラス。太陽光(紫外線)が当たると色が濃くなる「調光レンズ」を採用したサングラスです。

多用している調光サングラス、シマノ「CE-ARLT1-PH」。やや古いモデルなので現在は販売されていませんが、太陽光(紫外線)の強さに応じて自動的に色が濃くなったり薄くなったりしてくれて便利です。可視光線の透過率は13%~62%で、紫外線透過率は0.1%以下です。

 上の写真はレンズ部に紫外線が当たっていない状態です。ごく薄いグレーのサングラス。これを晴天の屋外で使うと、あらま! というほど黒っぽいサングラスに変化します。もちろん、紫外線の量により黒くなる度合いが異なります。

こちらが、上のサングラスを3月頭の晴天下で使った様子。かなりの濃度になりました。薄い色から濃い色まで、なだらかに連続的に変化していきます。

 調光サングラスはずいぶん前から存在していましたが、何となく手を出してはいませんでした。ですが、使ってみたらコレが便利! 昼間は色の濃いサングラス状態ですが、夕方以降は色が薄くなっていきます。逆に、明け方は色が薄いサングラスですが、日が昇ってくると色が濃くなります。

 なので、その時々に応じて見やすい濃さのサングラスに掛け替えたりレンズを交換したりする必要はナシ。一日中、1本の調光サングラスだけでサイクリングを続けられます。

 また、サイクリングの途中でショップなど建物のなかに入った場合でも、サングラスを外す必要があまりありません。調光レンズにもよりますが、紫外線を浴びて色が濃くなったレンズは、数十秒から数分で色が薄くなるからです。

 てな感じで何かと便利な調光サングラス。ほかにもサイクリングに適したサングラスは持っているんですが、ここしばらくは調光サングラスばかりを使っています。

 なお、ここで紹介しているサングラスはサイクリング向けの形状ですが、もちろんほかのアウトドアアクティビティのために使ってもいいと思います。また、これとは違った形状の調光サングラスも多々あります。

どのくらい色が変わるの?

 調光サングラスについて、気になるのは「濃さ・薄さ」「色の変化にかかる時間」あたりだと思います。実際にサイクリングで使っているぶんには、あ~んまり気にならならず「あっ濃くなってたのか」とか「薄くなってた、と思ったらもう日暮れ近いのか」みたいな感覚です。

 でもまあ、実際にどの程度濃くなるのか見てみましょう。調光サングラスに紫外線LEDライトを照射して実験してみました。実験対象は筆者が使用中のシマノ「CE-ARLT1-PH」です。

調光サングラスのレンズの一部を黒いテープで覆い、紫外線LEDライトの光を照射しました。テストの結果、15秒くらいでレンズが最も濃い状態になった感じ。そこからライトの照射をやめて放置したら、2分くらいで色がほぼ最も明るい状態に戻りましたが、完全に最も薄い状態に戻るまでさらに10分くらいかかりました。これは手持ちの紫外線LEDライトを使った結果なので、太陽光の場合も同様とは限りません。紫外線の量に応じて色の変化のスピードも変わります。

 上の写真のレンズ部、色が薄いところが紫外線を浴びていない部分で、色が濃いところが紫外線をたっぷり浴びた部分です。けっこー変わるでしょ、色の濃さ。前述のとおり、このレンズの可視光線透過率は13%(色が濃い部分)~62%(色が薄い部分)で、紫外線透過率は0.1%以下です。サイクリング用のアイウェアとして、明るい状況でも暗めの状況でも通して使えて、UVカットもバッチリなので、かなり実用的です。

 ちなみに、シマノ製の2019年モデルのアイウェアは公式ページにある3種類ですが、それぞれ調光レンズ採用モデルがあります。PH(フォトクロミック)とあるものが調光レンズ採用品です。

左から、本格モデル「S-PHYRE R」シリーズ(公式ページ)、セパレートレンズタイプ「EQUINOX」シリーズ(公式ページ)、小顔対応サイズ「AEROLITE S」シリーズ(公式ページ)です。
シマノ「BIKE GEAR CATALOG(2019年1月版)」(公式ページ)のアイウェア紹介ページには、「約8秒でレンズが暗く」「約35秒でレンズが明るく」とあります。

 上記3モデルには、それぞれフレーム色違いや、調光レンズではないモデルもあります。でも筆者的オススメは調光レンズ採用モデル! これからの季節は、さらに便利に使えると思います。

 また、シマノ以外のメーカーからもけっこう発売されている調光サングラス。スポーツ向けのサングラスはもちろん、メガネ専門ブランドから調光レンズ採用のだてメガネや度入りメガネが発売されてもいますので、興味のある方はぜひチェックしてみてください。

ある状況では少々不便な調光レンズ

 いつもだいたい便利に使える調光サングラスなんですが、ときには不便なシチュエーションにも出くわします。決して万能ではないんです。

 たとえばトンネルに入ったとき。快晴下でサイクリングしていて、調光サングラスもマキシマムで色が濃くなっているとき、トンネルに入ると……。調光レンズはすぐに色が薄くなるわけではなく、ある程度時間をかけて薄くなっていきますので、トンネルに入ってすぐは視野が暗いです。一時的にサングラスを外す必要が出たりも。

 同様に、太陽光がよく当たる開けた場所から日陰に入ったとき。とりわけ、森のなかのようなところに入ると、やはり視野が暗い感じに。トンネルのなかと違い、木漏れ日があったりして、目の暗順応(明るいところから暗いところへ入ったときに徐々に目が慣れて暗がりでも見えやすくなる変化)が起きにくいのか、トンネルとかよりも「見えにくい感」が強い気がします。

 まあでも、こういう不便は普通のサングラスでも同様なんですけどね。トンネルや日陰に入ったら、スピードを落とすか停車するかして、サングラス類はとりあえず外すのが無難です。

 また、ちょっとお値段が張りますが、レンズ部を跳ね上げられる調光サングラスも存在します。トンネルに入ったらパカッとレンズ部のみ上げられて、視野を確保できるというものです。

 あと、クルマのなかでは調光レンズの色が変わらないことがあります。クルマのウィンドウがUVカットガラスだと、調光レンズに紫外線が当たらないので色が変わらないというわけです。ずっと色が薄いまま。ドライブに便利そうだから調光サングラス買おうかナ、と考えている方はご注意を。

 といった感じで、たま~に不便な感じがしたりする調光サングラス。とは言っても、紫外線の強さによってレンズの濃さが自動で変わるのは、いつもだいたい便利です。これからはサングラス必須の季節になりますので、調光サングラス、ぜひ試してみてください。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。