ケータイ用語の基礎知識
第628回:ストレージとは
(2013/9/3 12:09)
日本語では「補助記憶装置」
「ストレージ」とは、携帯電話やスマートフォン、タブレットなどをはじめとしたコンピュータ機器において、さまざまなデータを保存しておく場所であるデバイス、つまり外部記憶装置や補助記憶装置を指す言葉です。もともとは“貯蔵”や“保管”を意味する英単語「storage」から来ています。
パソコンの場合、たとえばストレージと言える装置には、ハードディスクドライブ(HDD)や、CD-R、DVD-Rなどがあります。携帯電話やスマートフォンなどでは、フラッシュメモリや、フラッシュメモリ内蔵で取り外しできるmicroSDカードがよく使用されています。
携帯電話やスマートフォンには、ストレージと呼ばれるデバイスの他に、主記憶装置、いわゆるメインメモリが搭載されています。メインメモリは、プログラムを実行するために使われるメモリで読み書きが速く、しかし電気が通っている間だけデータを一時的に保存できます。
一方、ストレージに使われる装置は、電源がオフになってもデータを保てるようになっています。ユーザー自身がインストールしたアプリや、写真などのデータがストレージに保管されます。
ではメインメモリとストレージの違いは何でしょうか。一般的に、ストレージはメインメモリよりも読み取り、そして書き込みの速度が遅いとされています。プログラムを実行するためのメモリとしては向きません。このため、ストレージに保管されたアプリ(プログラム)を動かす際には、いったんメインメモリに展開された後、実行する、という形にすることでスピーディにアプリを利用できるようになっています。
さて携帯電話やスマートフォンの場合、ストレージには、内蔵ストレージと外部メモリカードに代表されるリムーバブルストレージがあります。内蔵ストレージとは、携帯電話に内蔵されたフラッシュメモリのことです。携帯電話のカタログには、「内蔵メモリ(ROM)」と表記されることがあります。またiPhoneなどの場合は、単に「容量」と書かれている場合もあります。
リムーバブルストレージとは、取り外しが可能なストレージのことで、microSDカードなどのことです。取り外しできるというストレージのメリットは、ユーザー自身で利用したい容量を選べるということになります。また、容量が一杯になれば別のカードを利用するなど、複数のカードを交互に使うこともできます。「大容量」を手軽に利用できる、というのはリムーバブルストレージの魅力の1つでしょう。
また、リムーバブルストレージには、持ち運びしやすいといったメリットもあります。写真や動画を記録し、それを離れた場所に暮らす家族、あるいは友人に渡す、といった使い方ができます。もちろん携帯電話やスマートフォンには、データ交換の手段として赤外線通信、NFCなどがありますが、リムーバブルストレージはパソコンなど多くの機器で利用できるため、データをやり取りしやすいでしょう。
インターネットをストレージ代わりにする「オンラインストレージ」も
多くの携帯電話やタブレットには、microSDカードなどを装着できるスロットが用意されています。一方、iPhoneや、Nexus 4、Nexus 7のようにリムーバブルストレージを利用できないスマートフォンもあります。
そうした機種と、他のコンピュータとの間で、データをやり取りする際、気軽に利用できるストレージもあります。それがオンラインストレージ、クラウドリムーバブルストレージを持たない機種で、ほかのコンピュータにデータを持って行ったり、容量を気にせずにストレージを使う方法があります。それが、オンラインストレージ、クラウドストレージと呼ばれるWebサービスです。
これは、インターネット上にあるストレージを利用できるサービスのことです。スマートフォンの場合、基本的にインターネットへ接続できますから、いつでもストレージとして使うことができるわけです。流行のクラウドサービスの1つですね。
Android搭載のスマートフォンやiPhoneの場合、専用アプリをインストールすることで、そうしたオンラインストレージを内蔵ストレージやリムーバブルストレージと同様に使うことができます。
そうしたサービスのなかでは、たとえば、Dropboxなどが有名です。Dropboxは、オンラインストレージと複数のコンピュータや、スマートフォンの間でデータを同期することができることで知られています。
大容量ということでは、先日発表されたbitcasaなどがいい例でしょう。bitcasaは、有料会員であれば容量無制限で利用できる、とアピールしています。月額10ドル(または年額99ドル)で空き容量を気にすることなく、巨大なデータを保存しておくことが可能です。