第585回:スマホピアス とは

大和 哲
1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我 ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連の Q&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら
(イラスト : 高橋哲史)


 「スマホピアス」とは、スマートフォンのイヤホンジャックに装着するアクセサリーのことです。「スマホアクセサリー」「イヤホンジャックアクセサリー」「イヤホンジャックカバー」などと呼ばれることもあります。

 フィーチャーフォンのイヤホンジャックで平型コネクタを使っていたのと異なり、最近のスマートフォンでは、一般的な音楽プレイヤーやパソコンなどでも使用されている3.5mm径のミニプラグ用ジャックがあり、そこにイヤホンやヘッドフォンを繋ぐようになっています。

 そのイヤホンジャックに装着して、スマートフォンを装飾できるアイテムとして登場したのがスマホピアスです。

 スマートフォンのイヤホンジャックに挿せるサイズの直径3.5mmのピンと、その先に装飾用の宝石やシリコン製のキャラクター、お菓子を模したスイーツデコなど、現在では、その種類も豊富になってきており、女性ユーザーを中心に流行していると言ってもいい状態です。

ホコリよけとして、飾りとして

 スマホピアスには、大きく2つの役割があります。ひとつは、使用していない穴にホコリや水などが入らないように塞いでおくこと。もうひとつは、装飾です。スマホピアスには、それ自身が飾りの役割をしている場合も非常に多いのですが、さらに他のストラップや飾りをつけることができるものもあります。

 スマホピアスが流行するようになった背景には、スマートフォンを自分らしく飾りたいという欲求もさることながら、これまでのいわゆるケータイ、フィーチャーフォンにはあったストラップホールを、一部のスマートフォンでは備えていなかったことが挙げられるでしょう。これは、特にいわゆるグローバルモデルのスマートフォンから起こったことで、たとえば、「iPhone」シリーズでは、本体にストラップホールが存在していません。このため、これまでフィーチャーホンに繋いでいたストラップなどを飾り付けることができなくなった、という不満が出てきやすい状況にあったわけです。そこで、装飾したり、さらにストラップやチャームを増やせるスマホピアスが流行しはじめたというわけです。

 人イヤホンジャックの位置は機種によって異なりますが、たとえば気機種であるiPhoneでは、iPhone 4Sまでイヤホンジャックが端末の上部に用意されています。こうしたケースでは、スマホピアスは、通話時にちょっと目立つ飾りになるというのも、ユーザーの心をくすぐったのかもしれません。スマホピアスの中には、イヤホンジャックが上にある、という前提でデザインされたものも多くあります。

 装飾品の一種として利用されるスマホピアスでは、フィギュアをあしらったデザインも少なくありません。たとえばWebサービス「Twitter」に投稿されたイラストをきっかけにした製品も登場するなど、製品として、あるいはその登場の流れも幅広い形になってきています。

メーカー純正のスマホピアスも

 こうした流行を背景に、携帯電話会社や端末メーカー純正のスマホピアスが標準添付されてくるケースも出てきています。

 たとえばNTTドコモの2012冬モデルの1つである富士通製スマートフォン「ARROWS Kiss F-03E」では、女性向けモデルということもあり、ファッションブランドの「JILL STUART」とコラボしたボディカラー「Blush Pink」が用意されています。このコラボモデルのみという形ではありますが、オリジナルデザインのスマホピアスが同梱されます。また同じくドコモの2012年冬モデルの1つ「N-02E ONE PIECE」は、コミックやアニメが人気の「ONE PIECE」とコラボした機種ですが、登場キャラクターのフィギュアが同梱されていますが、このフィギュアはイヤホンジャックに装着できるようになっています。

 また、ソフトバンクの周辺機器を扱っている「ソフトバンクセレクション」でもハート型のスワロフスキージルコニアで作られた、チャームつきのスマホピアスを扱っています。

N-02E ONE PIECEに同梱される充電台とフィギュアフィギュアはイヤホンジャックに装着できる




(大和 哲)

2012/10/23 12:01