ケータイ用語の基礎知識

第989回:どこで使うの? 何に使うの? 「ワクチン接種証明書アプリ」とは

 「ワクチン接種証明書アプリ」とは、日本政府が公式に提供する、新型コロナワクチン接種証明書を取得できるアプリです。紙の証明書と効力は同じとされていますが、一体、どこでどういうふうに使えるものなのでしょうか?

ワクチン接種証明書アプリとは

 同じ新型コロナ感染症関連のスマートフォンアプリでは「第958回:COCOA(新型コロナウイルス接触確認アプリ)」で取上げた「新型コロナウイルス接触確認アプリ」があります。これとは異なり、今回取り上げる「ワクチン接種証明書アプリ」は、「ユーザーが新型コロナワクチンの予防接種を受けたことを証明する」ものとなります。

 このアプリは、デジタル庁が2021年12月からAndroidスマートフォン版とiPhone版を提供していて、これらスマートフォンを使えば、日本国内用・海外用の接種証明書をスマートフォンの画面に表示することができるようになったわけです。

「ワクチン接種証明書アプリ」から国内用・海外用のワクチン接種証明書を発行し、スマートフォンの中に納めることができる。
「ワクチン接種証明書」の例。

 このアプリで発行される接種証明では、氏名・生年月日(海外用では ローマ字氏名、旅券番号、国籍)、接種回数、ワクチンの詳細、ワクチンの種類(例:COVOID -19 mRNA)、メーカー(例:武田/モデルナ)、製品名(例:スパイクバックス)、製造番号、接種国、発行日、証明書ID、証明書作成者といった内容が表示できるほか、これに準じた情報が二次元バーコード(QRコード)で登録できます。

登録方法は、マイナンバーカード(と海外用ではパスポート)があれば簡単!

 アプリは、Androidスマートフォン版とiPhone版が提供されています。

 それぞれGoogle PlayApp Storeから無料で入手可能です。

 Androidスマートフォンの場合マイナンバーカードが読み取れる端末(NFC Type B 対応端末)、iPhoneではiOS 13.7以上に対応する端末が対応しています。

 アプリに証明書を発効させるには、本人確認のため「新型コロナワクチンの接種を受けた人のマイナンバーカード」、それと海外用の場合は「有効なパスポート」も必要になります。

 アプリでのワクチン接種証明書の発行手順は簡単です。マイナンバーカードを使用しユーザー情報の登録の登録を行います。接種者の氏名、住所などはマイナンバーカードの情報から自動的に読み取られますので、発行自治体(基本的には住所のある自治体です)を選ぶと、しばらくして証明書が発行されます(海外用の場合は、間にパスポートを撮影する、という工程が入ります)。

 なお、このアプリで発行した接種証明書は、スマートフォンのアプリ内に保存されますので、電波が届かないオフライン環境でも表示可能です。

使える場所は? 使い方は?

 この「新型コロナワクチン接種証明書アプリ」は、「アプリで発行する接種証明書と市区町村が発行する紙の接種証明書は、記載事項及び法的効力において違いはない」とデジタル庁より見解が示されています。

 つまり、このアプリで発行されるワクチン接種証明書は、公式なコロナワクチン接種証明として利用することができるわけです。

 海外用の場合、新型コロナワクチン接種証明書を使用することによって、入国時に防疫措置の免除や緩和を受けることが可能な国・地域があります。具体的な国・地域はその時によって変わるので外務省の海外安全ページを参照して下さい。これに加えて、帰国時の証明としてももちろん使用できます。

 なおワクチン接種証明書は、渡航先国内における飲食店などにおける利用を保証するものではありませんので注意するようにしましょう。

 国内利用では、「県民割」(地域観光事業支援)などでの、ワクチン接種の証明に利用することが可能となっています。前述の通り、アプリ証明書も紙の証明書と同様に扱われるので、この新型コロナワクチン接種証明書アプリで表示される証明書を確認に使用することができます。

 ただし、2022年のゴールデンウィーク期間は地域観光事業支援が適用されません。今後も情勢などの変化によって影響を受ける可能性があるため、予約時には十分確認してから申し込んでください。

 このほか、自治体や企業によってはワクチン接種証明書を提示することで独自の特典を受けられることがあります。

 たとえば、東京都では「TOKYOワクション」の一環として、上野動物園の入場券やダム見学会、都営バスの行先案内板のプレゼントなどを用意。また、愛知県では一部の施設・イベントなどにおいて、接種証明書を提示することでオリジナルグッズやトイレットペーパーのプレゼントするといった試みが行われています。

大和 哲

1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら
(イラスト : 高橋哲史)