ケータイ用語の基礎知識
第921回:CPO品 とは
2019年9月11日 06:00
メーカー認定整備済製品「CPO品」
CPO品とは、返品された製品や中古機器をメーカーが整備し、新品に準じた状態で再出荷されたものを言います。「メーカー認定整備済製品」などと呼ばれることもあります。CPOという名称は、「認定済みの以前所有された」を意味する英語「Certified Pre Owned」から来ています。
また、CPO品のことを「ファクトリーリファービッシュ(リファビッシュ)品」「リフレッシュ品」と呼ぶこともあります。リファービッシュは、英語の「~を磨き直す、一新する」を意味する動詞「refurbish」から来ています。
携帯電話やスマートフォンにも、CPO品やファクトリーリファービッシュ品は存在します。CPO品は、メーカーによる修理、たとえば本体のケースを新品に取り換え、ディスプレイなどが交換されるため、一般のユーザーからは新品と見分けがつかない状態にまで綺麗になります。
スマートフォンの場合、CPO品は、本当は中古だけど、新品と見分けがつかない「新品と中古の中間」のような存在だと思えばよいでしょうか。なお、他のジャンル、たとえば自動車などの場合、CPO品というと単純にメーカー認定による「純正中古」という意味合いで使われることもあります。
CPO品となった中古スマートフォンの扱いは携帯電話メーカーや通信事業者によって異なります。たとえば、あるスマートフォンのメーカーの場合、「CPO品」と明示して直接メーカーの販売チャネル、あるいは取引のある通信事業者を通じて販売することがあります。また、あるメーカーでは、修理サービスのひとつとして、同じ製品の修理を依頼されたときにCPO品との交換を提案することもあります。
さらに、ある通信キャリアの場合はCPO品を、ユーザーの携帯電話が故障するなどして修理している間の代替機用として在庫しているそうです。
欲しくてもなかなか買えない
それにしてもスマートフォンメーカーは、なぜ純正の中古品ともいえるCPO品を整備し、時には販売までするのでしょうか?
初期不良品をそのまま廃棄すると、メーカーが生産・流通・廃棄とこれまでかかったコストをすべて負担することになりますが、整備しなおして製品にできるのであれば、ある程度コストを回収できることになることになります。最近のスマートフォンは特にハイエンド機では高価なものもありますから、それを一部でも回収できれば助かるという事情もあるのでしょう。
ユーザー側にとってCPO品は、先述のように「新品と中古品の中間」を購入する感覚で買えるところがメリットであるといえるでしょう。
CPO品の場合、値段は新品より安いことが多く、メーカーによる整備が行われているので製品の状態が悪いというのは稀です。また、一般的にはメーカーによる製品保証が数カ月~1年程度ついています。
ただ、購入する際の問題として、CPO品は供給が不安定である、という問題があります。自分の欲しい機種がいつでもあるとは限りません。
たとえば「iPad」でも特定の機種のCPO品などはAppleのオンラインショップでよく見つかります。が、筆者がこれを書いている現在では人気の「iPad Pro 9.7インチ」は在庫がなく、いつ復活するかもわかりません。
また、「iPhone」などは、2019年9月現在でCPO品を販売しているチャネルは、J:COMモバイルが「iPhone 7」のCPO品を提供しているのが唯一で、それ以外には見かけません。
なお、「リファービッシュ品」として「ファクトリーリファービッシュ」ではなく、メーカーに認定されていない業者が修理した中古を「リファービッシュ品」として売っている場合があるので、注意が必要です。この場合はCPO品と異なり、状態は良いとは限りませんし、警戒しておくべきでしょう。