山根康宏の「言っチャイナよ」

デュアルペリスコープカメラフォンやポルシェデザインコラボの折りたたみ機が登場

 世界最大のスマートフォン市場、かつ最大の5G加入者数を誇る中国で毎月発売された5Gスマートフォンを香港在住の携帯電話研究家、山根康宏が紹介する。

 2024年1月に発表・発売された5Gスマートフォンは8機種。内訳はOPPO 2機種、vivo 1機種、HONOR 4機種、その他1機種。

 OPPOは世界初をうたうデュアルペリスコープカメラ搭載の高性能モデル「Find X7 Ultra」を発表。

 HONORもフラッグシップのカメラフォンのモデルチェンジとなる「Magic6」シリーズを投入、またポルシェデザインとの初コラボモデルの折りたたみ端末を発売した。OnePlusはミドルハイレンジ機を1機種発表している。

ゲーミング意識のミドルハイレンジ、「OnePlus Ace 3」

 1カ月前に発表されたOnePlusのフラッグシップモデル「OnePlus 12」の下位モデルが「OnePlus Ace 3」だ。

 端に寄せた円形のカメラバンプなどデザインコンセプトは同等とし、9140平方ミリメートルの大型冷却版を備えゲーミング用途も意識している。濡れた指先でもタッチ精度を上げており、日常の使い勝手も高めた。バッテリーは5500mAhで100Wの急速充電に対応する。

項目内容
発表日2024年1月4日
価格2599元(約5万4000円)から
チップセットQualcomm Snapdragon 8 Gen 2
ディスプレイ6.78インチ 2780 x 1264ピクセル、120Hz
リアカメラ画素数5000万広角+800万超広角+200万マクロ
インカメラ画素数1600万(パンチホール)
RAM/ROM構成12GB+256GB、16GB+512GB、16GB+1TB
バッテリー5500mAh、100W充電(有線)
5G NR対応バンドn1 / n3 / n5 / n8 / n28A / n41 / n77 / n78
サイズ163.3 x 75.3 x 8.8mm。207g

低価格ながら高画質カメラ搭載、HONOR「X50 GT」

 2000元台前半価格ながら1億画素カメラを搭載した欲張りな製品がHONORの「X50 GT」だ。

 チップセットは3世代前だが今でも十分性能は高く、画面のタッチ感度も高めており「GT」のモデル名から連想できるようにゲーミングモデルとしてもアピールを怠らない。バッテリーは5800mAhと容量を増やしている。充電速度が高速でない点がやや残念なところ。

項目内容
発表日2024年1月4日
価格2199元(約4万6000円)から
チップセットQualcomm Snapdragon 8+ Gen 1
ディスプレイ6.78インチ 2652 x 1200ピクセル、120Hz
リアカメラ画素数1億800万広角+200万深度測定
インカメラ画素数800万(パンチホール)
RAM/ROM構成12GB+256GB、16GB+256GB、16GB+512GB、16GB+1TB
バッテリー5800mAh、35W充電(有線)
5G NR対応バンド非公開
サイズ163.6 x 75.5 x 7.98mm。192g

ハッセルブラッドカメラ搭載のカメラフォンの2024年モデル、OPPO「Find X7」

 OPPOのフラッグシップクラスのカメラフォンがモデルチェンジ、2024年モデルとして「Find X7」「Find X7 Ultra」が登場した。カメラのバンプデザインをよりカメラ風に仕上げ、サイズも大型化した。ディスプレイは4500nitと輝度を高め、屋外撮影時のプレビューもより鮮明に表示できる。

項目内容
発表日2024年1月8日
価格3999元(約8万4000円)から
チップセットMediaTek Dimensity 9300
ディスプレイ6.78インチ 2780 x 1264ピクセル、120Hz
リアカメラ画素数5000万広角+5000万超広角+6400万3倍望遠
インカメラ画素数3200万(パンチホール)
RAM/ROM構成12GB+256GB、16GB+256GB、16GB+512GB、16GB+1TB
バッテリー5000mAh、100W充電(有線)
5G NR対応バンドSA : n1 / n3 / n5 / n7 / n8 / n20 / n28A / n38 / n40 / n41 / n66 / n77 / n78。NSA : n41 / n77 / n78
サイズ162.7 x 75.4 x 8.7mm(黒、紫)、9.0mm(青、銀)。206g(黒、紫)、202g(青、銀)

ペリスコープカメラを2つ搭載、衛星通信にも対応するOPPO「Find X7 Ultra」

 世界初というペリスコープカメラを2つ搭載した望遠・ポートレート撮影を強化したモデルがOPPO「Find X7 Ultra」だ。

 「Find X7」の上位モデルだが、ProではなくUltraという名前にしたのは背面4つのカメラすべてを5000万画素とし、望遠も2.8倍と6倍を搭載した贅沢な構成からだろう。メインカメラのセンサーサイズは1インチ。衛星通信にも対応する。

項目内容
発表日2024年1月8日
価格5999元(約12万6000円)から
チップセットQualcomm Snapdragon 8 Gen 3
ディスプレイ6.82インチ 3166 x 1440ピクセル、120Hz
リアカメラ画素数5000万広角+5000万超広角+5000万2.8倍望遠+5000万6倍望遠
インカメラ画素数3200万(パンチホール)
RAM/ROM構成12GB+256GB、16GB+256GB、16GB+512GB
バッテリー5500mAh、100W充電(有線)、50W充電(無線)
5G NR対応バンドSA : n1 / n2 / n3 / n5 / n7 / n8 / n20 / n28A / n38 / n40 / n41 / n66 / n77 / n78 / n79。NSA : n40 / n41 / n77 / n78 / n79
サイズ164.3 x 76.2 x 9.5mm。221g

HONORもカメラフォンを一新、「Magic6」を発表

 OPPOと同じ時期にHONORもカメラフォン新製品を投入した。ベーシックモデルの「Magic6」は5000万画素2つと3200万画素カメラを搭載、3つのカメラを三角形状に配置した。

 セルラーネットワークとWi-Fiの接続性を高めるC1+チップやセキュリティーチップを搭載するなど、自社開発したチップを複数搭載している。

項目内容
発表日2024年1月11日
価格4399元(約9万2000円)から
チップセットQualcomm Snapdragon 8 Gen 3
ディスプレイ6.78インチ 2800 x 1264ピクセル、120Hz
リアカメラ画素数5000万広角+5000万超広角+3200万2.5倍望遠
インカメラ画素数5000万(パンチホール)
RAM/ROM構成12GB+256GB、16GB+256GB、16GB+512GB
バッテリー5450mAh、66W充電(有線)、55W充電(無線)
5G NR対応バンド非公開
サイズ161.8 x 75.4 x 8.1mm。206g

1億8000万画素の望遠カメラを搭載するHONOR「Magic6 Pro」

 HONORのカメラフォンの最上位機種となる「Magic6 Pro」は5000万画素の広角、超広角に加え、2.5倍の望遠カメラは1億8000万画素を搭載。高倍率でもピクセルビニングで高精細な撮影が可能だ。Magic6と共にフロントカメラも5000万画素と高解像度である。バッテリーは5600mAhと容量を大型化、衛星通信にも対応する。

項目内容
発表日2024年1月11日
価格5699元(約11万9000円)から
チップセットQualcomm Snapdragon 8 Gen 3
ディスプレイ6.8インチ 2800 x 1280ピクセル、120Hz
リアカメラ画素数5000万広角+5000万超広角+1億8000万2.5倍望遠
インカメラ画素数5000万+ToF(パンチホール)
RAM/ROM構成12GB+256GB、16GB+512GB、16GB+1TB
バッテリー5600mAh、80W充電(有線)、66W充電(無線)
5G NR対応バンド非公開
サイズ162.5 x 75.8 x 8.9mm。229g

ポルシェデザインスマホが復活、HONOR「Magic V2 RSR Porsche Design」

 2023年7月にHONORが発表した世界最薄の折りたたみモデル「Magic V2」の本体をポルシェデザインと協業してスポーティーなイメージに仕上げた製品が「Magic V2 RSR Porsche Design」。

 基本スペックは同等だがカメラ部分は左右非対称なデザインとしてオリジナルモデルとはイメージを大きく変えた。ポルシェデザイン監修のモデルは2022年9月にファーウェイが発表した「Mate 50 RS Porsche Design」が最後で、その後ファーウェイ、HONORどちらからもそれっぽいデザインの製品が出ていた。

 Magic V2 RSR Porsche Designはそれら旧ファーウェイ時代のコラボデザインからイメージを大きく変えており、HONORならではの製品にまとめられている。

項目内容
発表日2024年1月11日
価格15999元(約33万5000円)
チップセットQualcomm Snapdragon 8 Gen 2
ディスプレイ7.92インチ2344 x 2156ピクセル、6.43インチ2376 x1060ピクセル、120Hz
リアカメラ画素数5000万+5000万超広角+2000万2.5倍望遠
インカメラ画素数1600万(パンチホール)、1600万(パンチホール)
RAM/ROM構成16GB+1TB
バッテリー5000mAh、66W充電(有線)
5G NR対応バンドn1 / n3 / n5 / n8 / n28A / n38 / n41 / n77 / n78
サイズ156.7 x 145.4 x 4.7mm / 4.8mm。折り畳み時:156.7 x 74.0 x 9.9mm。234g

格安5G機のオフライン販売専用モデル、vivo「G2」

 2023年11月に発表されたvivo Y36シリーズ(Y36 / Y36i / Y36m)のオフライン販売向けモデルが「G2」である。スペックは変わらずメモリ構成に若干の差がある程度、本体カラーはブラック1色のみとなっている。

 なおGシリーズ初代の「G1」は2020年に登場、プライベートと仕事用とシステムを切り替えできるセキュリティーを高めた製品だった。今回のG2とは設計思想は全く異なっており両者に関連性はない。

項目内容
発表日2024年1月19日
価格1199元(約2万5000円)から
チップセットMediaTek Dimensity 6020
ディスプレイ6.56インチ1612 x 720ピクセル
リアカメラ画素数1300万広角
インカメラ画素数500万(水滴型ノッチ)
RAM/ROM構成4GB+128GB、6GB+128GB、8GB+128GB、8GB+256GB
バッテリー5000mAh
5G NR対応バンドn1 / n5 / n8 / n28A / n41 / n77(3300-3800MHz) / n78
サイズ163.74 x 75.43 x 8.09mm。186g
山根 康宏

 香港在住。中国をはじめ世界中のモバイル関連イベントを毎月のように取材し、海外の最新情報を各メディアで発信している。渡航先で買い集めた携帯電話は1000台以上、プリペイドSIMカードは500枚以上というコレクターでもある。